劇場公開日 2024年8月17日

「試合の一時中止のシンザえもん、ゲロで滑る」侍タイムスリッパー どん・Giovanniさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5試合の一時中止のシンザえもん、ゲロで滑る

2025年3月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

 AmazonプライムVideoの配信をホームシアターで鑑賞しました。130インチのスクリーンは、映画館の前の方の席と同じくらいの迫力があります。
 冒頭から横にスライドするカメラワークが良かったです。
 左から右に書かれているポスターをスラスラ読む知能指数が高めの高坂新左衛門(山口馬木也)は、空気も読めるし台本も読めてしまいます。この世界を未来だと勘付いたりしながらも、流れのまま、優子さんのためにも俳優の仕事に没頭します。ひょんなことから幕末の情報を得ると急に落ち込み、元居た世界を思い出しては使命感にかられたりします。そんな主人公は、終始 便意がきません。居候キャラで有名なネコ型未来ロボットの『ドラえもん』も家族と食事をするシーンがありますが、排泄に関しては触れません。優子さん、どことなく野比のび太っぽいビジュアルのようにも見えます。「ぼく高坂シンザえもん。のび太くん、じゃなくて優子さんのためなら、しかたがないなぁ。」

 冒頭、侍 VS 侍の試合(コロシアイ)の途中で雷が発生し、タイトル『侍タイムスリッパー』というタイトルロゴが現れるのはユニークでした。
 違う意味で“侍がスリップ”したシーンとして、高坂がゲロで滑るシーンがあります。タイトルにある“タイム”の意味も違う意味で、二人の侍の“試合の一時中止”のことかな と思ったりしています。
 今作は、“侍がタイムスリップ”したように始まりますが、別の世界に入り込んでしまう物語『オズの魔法使』(1954年日本公開)や『千と千尋の神隠し』(2001年)、二次元から三次元に飛び出してくる物語『魔法にかけられて』(2008年日本公開)のように、別次元である“時代劇”というファンタジー世界の中から現実の世界に飛び出して来たのだと解釈することにしました。別世界への順応の速さは物語のテンポの良さに好影響をもたらしています。

 真面目に明治維新や江戸幕府を考えるのが似つかわしくない作品かな と思いました。
 次元を移動するトリガーが何か についてですが、雨が降り 雷が鳴った時がタイミングのように見えますが、具体的には描かれていません。
 不思議な部分や謎が好奇心を維持し、画面の中から情報を得ようと必死になりました。おかげで飽きたり退屈したりはしませんでした。

 理想郷のような優しい現代世界の描写にウットリしました。
 映画館で映画を観ているシーンなど、劇中劇は没入感を高めます。TVを見ながら一喜一憂する高坂の純粋さが素敵でした。
 『ターミネーター』(1984年)や『ターミネーター2』(1991年)のように 時差で送り込まれてくる設定が面白いです。ネタバレ禁止な展開のオンパレードでした。

どん・Giovanni
ひなさんのコメント
2025年3月23日

どん・Giovanniさま

「試合」の表記はそのままで良いのではないかと、個人的な経験から思いました😊

護身用に武道を二つ習っていたのですが(ポンコツです)、その時に「試合」「仕合」「為合」「死合」などの言葉の意味についても教わりました😌

この映画の「真剣勝負」のラストを考えたら、「死合」ではない方が相応しいかと…その「真剣勝負」も、実際には真剣を使わない場面での表現が多いので…😉

※横から口を挟んで申し訳ありません。生意気なコメントで不愉快な思いをされた方がいたら、削除いたします😂

ひな
満塁本塁打さんのコメント
2025年3月23日

確かに 歴史ロマン と 現実。 ご返信お気遣いありがとうございます😊😊😊。

満塁本塁打
みちばたでpicnicさんのコメント
2025年3月23日

共感ありがとうございました😊色々な感想があり楽しく読ませて頂いてます。ただ、
〉冒頭、侍vs侍の試合の途中で雷が発生し
とあり老婆心ながら「死合」を「試合」だと勘違いされていた様に思いコメントしました。剣道で面を1本取れたら勝ち、とでは意味変わりますものね😅

みちばたでpicnic
満塁本塁打さんのコメント
2025年3月23日

イイねありがとうございました。😊確かに オシッコ 大便無し 当時の ボットん溜め込み→肥やしへ
と比べ  当然ウォッシュレットは 驚愕🫨必至なので 変ですね。自動車トラックに驚愕🫨しないのも変でした。失礼します❗️

満塁本塁打
Uさんさんのコメント
2025年3月23日

共感を有り難うございます。
その通りです。高坂がドラえもんで、優子さんが野比のび太と思うと、この作品の一方の魅力である、世界と人のおおらかで、温かい流れが、更に深まってくるように思えました。

Uさん
かばこさんのコメント
2025年3月23日

周囲のみなさんの心優しさもよかったですよね。
(京都の人は世間から陰●とか意●悪、とか言われてますが。。。)

かばこ
ひなさんのコメント
2025年3月22日

どん・Giovanniさま
3ヶ月前に『BLUE GIANT』界隈でこの映画のお話をしたのですが、ホームシアターで鑑賞なんてうらやましいです☺️

>不思議な部分や謎が好奇心を維持し、画面の中から情報を得ようと必死になり飽きませんでした。

違和感を感じると真逆の反応される方も少なくないので、どん・Giovanniさんの感受性は楽しいですよね、レビューのタイトルの捻りも、引用された他の作品の連想も🐥

ポスターの文字を左から右に&アラビア数字は読めないと、レビューで突っ込みをよく見かけますが…
幕末の会津藩が京都の「会津藩洋学所」で、英学(英語)や蘭学を教えていたこと(NHK大河ドラマ『八重の桜』で紹介)を思い出しました🐤

>理想郷のような優しい現代世界の描写にウットリしました。

3月24日(月)NHKBS18:45-19:30
「アナザーストーリーズ『侍タイムスリッパー』超低予算時代劇はこうして誕生した」放送です。
現代世界の映画作りのリアルです🐣

ひな
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