「久しぶりの満足感」侍タイムスリッパー くますけさんの映画レビュー(感想・評価)
久しぶりの満足感
個人的に満点の映画。
タイトルやテーマからB級、下手するとZ級の
バカ映画かと身構えてかかったが
コミカルではありながらも思ったより
真っ当な映画だった印象だ。
…まあ所々で隠しきれないB級感はあったが
個人的には映画に対しそこまでの精度は求めてない。
監督の考えるテーマがブレずに伝わるか、
それに共感できるか、それが個人的に重要な所だ。
それからすると本作のテーマは
変に思想が強くも説教臭くもなくストンと沁みるメッセージで
かつそれらを最後に綺麗にまとめて見せた手腕は
見事としか言いようがない。
映画にこの言葉は合っていないだろうが
とても読了感の爽やかな作品だった。
殺陣もチープさは感じられず魅せてくれるし
終盤の迫力は凄まじく手に汗を握らせてくれた。
一応、悪い点がないわけでは無い。
個人的には必然性の薄い長回しのシーンが散見されて
少しテンポが悪くなっている印象があった。
映画の尺としても内容に対しては時間が長く感じ
そこをテンポ良くすれば丁度いい上映時間に
なったように思う。
ただ、良い点がそれを相殺して余りあり
見終わった後に満足感が全てを上回った。だから満点。
令和の時代によくこんな作品を作ろうと思ったなと
思いながらも、今だからこそというのもわかる
笑いあり涙ありアクション有りの
稀有な良作だった。
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