劇場公開日 2024年8月17日

「素直に面白い!」侍タイムスリッパー kame-pukupukuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5素直に面白い!

2024年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 映画館にて鑑賞しました。

 素直に面白かったです。
 主人公はタイムスリップしてきた会津藩の侍という設定を最後まで活かした作品でした。鑑賞中も「この侍が現代にタイムスリップしたら、確かにこんな感じかも」と常に納得させてくれる俳優さんの演技と、論語をそらんじることができるほどしっかりと教育を受けてきた、というようなキャラクターの背景が様々な部分で補完されており、そのことも納得度を自然と高めていたと思います。侍が現代にタイムスリップしたことによる生活習慣のギャップを変にギャグに走りすぎた描写とすることなく、ストーリーを進めてくれる感じが、より没入感と見やすさを担保してくれていた気がします。

 個人的には、やはり映画撮影の最後のシーン、殺陣、というか斬り合いのシーンが一番の見どころだと感じます。時代劇ではあるのですが、TVドラマの時代劇を超える緊張感が走るシーンでした。カメラワークにもこだわっているんだろうな、と自然と思わせてくれる感じ、自分は好きですね。
 なにより、真剣での斬り合いという、本当の命のやり取りを行っているんだ、という臨場感を感じました。言い過ぎかもしれませんが、このシーンを見るためだけに映画を見に行っても良い、と個人的には思います。

 作品の出来栄えとは全く別の話ですが、助監督が「リアリティっていうのは、全部を本物でやるということではなく…」(うろ覚え)と劇中で言っていますが、こんな時代になってもなんとなくCGが嫌いな自分にとっては、低予算な映画だからかもしれませんが、CGを使わずに全て実写でとっているであろうこの作品について、見ている最中の違和感がなく、とても見やすさを感じました。

 鑑賞した方はやはり「カメラを止めるな!」のあの空気感を思い出すはずです。自分もそうです笑。作品の出来に予算は関係ない、と思いつつも、やはり金がかかっていようがいまいが、やはり面白いものは面白いんだな、と改めて感じさせていただきました。

kame-pukupuku