「壮齢以上に刺さる良作!」侍タイムスリッパー Tonさんの映画レビュー(感想・評価)
壮齢以上に刺さる良作!
いやー、面白かった!
脚本や監督も良いのだけれど、更に良かったのが役者陣。
時代劇は勉強不足で、ほとんどの役者の方を知らなかったが、主役の山口馬木也さんの喜怒哀楽やユーモアに関する細かい表現力から、迫力のある立ち回りや心の慟哭。こんなに渋くて、上手い役者さんがいたのか!と魅入ってしまいました。そして、ライバル役の冨家ノリマサさんも上手い!言葉を発しない表情や佇まいで心情や思考を伝える事ができるのは、これまでにしっかりと研鑽を積み重ねてきた技術の証で、その役者さん達の努力と歴史を見ているよう。感心するだけでなく、尊敬するし、嬉しくなる。その他の役者さん達もしっかりした演技力で完全に安心して観ていられた。下手な人なんて誰もいなかったぐらい皆さんの完成度が高い。その演技を観ているだけで、笑顔になったし、涙も出た。
有名な役者やセットにロケ、そしてCGと、予算を掛けた大迫力の作品こそ映画の醍醐味!と思う観念を打ち崩してくれ、お金を掛けなくても個々の要素の品質が高ければ、立派に最高のものが作れると言う事を証明した作品だと思います。ああ、いかに我々はメディアに踊らされているのか。この作品に出るような役者さんやスタッフさんにしっかりとライトが当たってほしい。そして、そんな作品はなかなか作れないし、観れないけれど、たまにこう言った作品に出会えるから、映画って奥深いし、どんなに忙しくても時間を作って、自分は映画館に足を運ぶんだろうなあ、と改めて感銘を受けた作品でした!
こちらこそ有難うございます。はい、そう感じました。
そして、ちょうど幕末大河を観ていた事もあって、Uさんが書かれているように主人公のあの時代への思いも感じて、魅入ってしまいました。