劇場公開日 2024年8月17日

「〔60代男です〕 幕末の京都で、雷に打たれた侍がタイムスリップした...」侍タイムスリッパー 60代の男ですさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5〔60代男です〕 幕末の京都で、雷に打たれた侍がタイムスリップした...

2024年10月9日
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鑑賞方法:映画館

〔60代男です〕
幕末の京都で、雷に打たれた侍がタイムスリップした先は現代の太秦映画村で、周囲の人たちからはエキストラの一人だと思われて、時代劇の斬られ役として生き始める、という話。

主人公の挙動が本物の侍に見えるのがいい。
ハッキリ言って、現代の物を見ての主人公の言動とか、展開すべて、そしてド素人が映画撮影エキストラとして馴染んでいく描写とか、どれも過去にあった作品とそっくりな場面ばかりのため、既視感が強くてあまり面白くない。
なので本作は基本的に、あまり多くの作品に触れていない若い人向け。
それでも僕も本作が楽しめたのは、主人公の幕末の侍ならではの心情がリアルで、良く伝わってくるからだ。
主人公が始めて見るショートケーキを食べるとき、恐る恐る口に入れて驚き、これは高い菓子じゃないかと訊ね、それがごく普通の誰でも食べている菓子だと聞くというくだりでは、僕は見え透いた描写でうんざりしたが、そのあとの主人公が、さもビックリしたという顔を見せるだけと思いきや、急に涙ぐむと、このような菓子を誰もが食べられるとは日ノ本は良い国になったのですね、と泣き出すのだ。
こういった描写が、心に響くのだ。
日本の未来のために命を投げ出す覚悟だった男にふさわしい感情が印象的だった。

しかし本作の俳優たち、ぼくは一人も知らなかったのだが、特に侍の2人、良かったねえ。

60代の男です
たんさんのコメント
2024年10月23日

ケーキのシーン同感です

たん