劇場公開日 2024年8月17日

「最高にエネルギッシュ! 時代劇愛に満ち満ちたハートウォーミングな名作!!」侍タイムスリッパー Jettさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0最高にエネルギッシュ! 時代劇愛に満ち満ちたハートウォーミングな名作!!

2024年10月6日
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鑑賞方法:映画館

東京・池袋の単館上映から全国ネットにまで拡大され高評価を得ている素晴らしい作品、近くに来てくれてやっと観れました

声をあげて笑ったり、心にグッときてホロッとさせられる、観て良かったとしみじみ思うとても良い作品でした

主人公の田舎侍 高坂を真摯でピュアに演じる山口馬木也さんがメチャクチャ味があっていい
そして風見恭一郎を演じる冨家ノリマサさんのずっしりとして厚みのある演技も見応えがあります

本作はキャスティングもさることながら、大化けしただけあって話が面白い、アイデア勝負の低予算作品に脱帽です
ビッグバジェットだろうが自主制作のインディーズ作品だろうが脚本が作品の良し悪しを決定づけるというお手本的な作品だと思いました

劇中劇という入れ子構造はよくあるが、これまで観てきたのは演者を生業にする人々が舞台や映画で演じるもの、本作は武士が時空を超えて現代の時代劇に出るというもので次元が全く違う、そこが最高に面白い

泣いて笑っての名シーン数あれど、クライマックスの真剣による切り合いが圧巻で一番印象的
特に体感10秒ぐらい続く睨み合いは正に“息を呑む”緊張感、自分の中では邦画史に残る素晴らしい名シーンと記憶に刻みました

「(風見)時代劇はこのまま廃れていき、悲しいかな いずれ無くなってしまうだろう」
「(高坂)でもそれは今日じゃない」
という熱いやりとりにグッときました
マイ生涯ベストの内の1本『トップガン/マーヴェリック(2022)』でもトム・クルーズが高坂と同じ様な名セリフを放つシーンがありました、その熱量に匹敵するほどの熱く燃えたぎる深い時代劇愛に満ちあふれた素晴らしい作品、ここに来てまだこういう名作が生まれてくる映画という世界、やっぱりやめられません

Jett