「とても楽しい」侍タイムスリッパー 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
とても楽しい
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ストーリーが面白くて、幕末の武士が現代に驚くリアクションがすごく面白い。時代のギャップに驚く場面がもっとあってもよさそうだけど、控えめだ。助監督のゆう子が健気でかわいい。
新潟では公開が遅れて狭いシアターで、一日2回の上映だったため、ほぼ満席で高齢者ばかりで、みんな遠慮なく声を出して笑っており、とても楽しい空間だった。
自分は実は剣道2段で抜刀術の初段も持っており、実際のところ時代劇の殺陣は間合いが近すぎるであろうという疑念をつねに抱いている。現実に真剣を手にしたらそうそう近づくことなどできないし、またつばぜり合いという刀と刀の刃を触れ合わせて押し合うことも極力避けるはずだ。真剣はするどく研がれており、つばぜり合いをしたら刃がボロボロになる。切り合いの描写で最も腑に落ちる表現は漫画の『あずみ』だ。実際の武士が殺陣を見たら違和感を覚えるのではないだろうか。しかしそんなことを気にしていたら殺陣の先生を師事することなどできない。
クライマックスの真剣による斬りあいがすごい迫力だったが、それに比べると冒頭の斬りあいの方が本当の殺し合いのはずなのに、通常の殺陣に見える。順撮りしたせいで冒頭は迫力がないまま撮影を終えて、後からのクライマックスに気合が入りすぎているのかもしれない。
特に面白いのは一緒にタイムスリップしたのに、時代が30年ずれているところだ。そのため、年齢差も生じているし、経験の差もあり変に先輩後輩みたいな関係になっていて面白い。
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