「日の本の國、その良さ存分に。」侍タイムスリッパー Noriさんの映画レビュー(感想・評価)
日の本の國、その良さ存分に。
最高!本当に面白かった!劇場で拍手が起こる作品ってそうそうないから。多くの観客が満足していたってことだろう。
江戸の末期からタイムスリップしてきた高坂新左衛門。勝手の分からぬ現代において、住職夫妻や助監督・優子ら温かい人々に助けられ、地に足付けて生活をしていく。美味い飯や洋菓子に感動し、勧善懲悪、お約束の時代劇に涙して。ホント、我々が当たり前のモノとして享受している日常が、どれほど豊かなモノなのか、ということを感じさせてくれる。日が当たらなくても、地道にそれぞれのなすべきことをなす映像世界のスタッフ達。そんな一人一人が生き生きと活写されていて、幸せな気持ちになる。我々の多くも、日の当たらない所で日々地道に仕事に取り組む社会の一員だから。
クライマックスの殺陣もヨシ。思いを馳せる優子との距離感もヨシ。平手打ちも、その後の切り替えも見事。シナリオ読んでみたいと久々に思った。
「今日がその日ではない」廃れたと言われた往年の時代劇とその裏方達の技術。エミー賞受賞のSHOGUNと双璧をなす、日本の文化へのエレジーでもあった。
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