「ディテイルの満足感MAX」侍タイムスリッパー またぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
ディテイルの満足感MAX
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当に真田広之のSHOGUNがエミー賞多部門受賞のニュースが世間を賑わせている中、減っていく時代劇の現場を舞台とした本作を鑑賞。
評判良く拡大公開されているものの、低予算の自主制作ということで多少の荒削りは覚悟していたのだが、いやいや、ディテイルにこだわった評判通りの傑作でした。大変失礼しました。美術、画角、フォーカス、セリフにタイミング、微妙な表情や間合いの作り出す笑いと涙。それら映像に定着された丁寧なディテイルはまさにプロフェッショナルの技の集積だった。
エンドロールに何度も登場する監督と主演女優の名前。役者陣も全く知らない人たちながら演技に不安なところは無く、スジも無理のない範囲で綺麗にまとまっている。トップガン・マーヴェリックにも通じるセリフとひねり、それに至る細かな伏線も心地よい。
唯一、気にならざるを得なかったのはクライマックスの決闘の重要なキーとして「本身」を持ち出した点だ。勝新太郎の座頭市撮影時の悲劇を知っている身からすると美談的に持ち出されるのは勘弁。あそこはぜひとも、「竹光で重みを表現できるようになった」二人の竹光ならではのスジの落とし方を考え出していただきたかった。そこが0.5点のマイナス点。
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またぞうさんのコメント
2024年9月23日
コメントありがとうございます。「真剣で」と言われた際のスタッフの場面の抵抗が軽くて、インティマシーシーンではないですが、現場でこうなった、本人達が合意した、ではアカンじゃろう、というのを感じましたね。