「日の本と時代劇を想う武士の熱き心に感涙しました。」侍タイムスリッパー Buttonさんの映画レビュー(感想・評価)
日の本と時代劇を想う武士の熱き心に感涙しました。
幕末の会津藩の剣豪である高坂新左衛門が切り合いの最中に徳川幕府滅亡の140年後(平成19年)、京都の時代劇撮影所にタイムスリップするというお話です。タイムスリップした新左衛門は撮影所の人達に支えられながら、廃れゆく時代劇の殺陣の斬られ役として生き抜く事を決意します。そして、ひょんなことから準主役に抜擢され……。
主役は時代劇でお馴染みの山口馬木也さんですが、その他は顔は知っているけど名前を知らない俳優さんが2 、3名ほどで、あとは本当に無名の俳優さんばかりでした。これをB級映画と言うのでしょうか?でも俳優さん達は無名でもそれぞれに味があって良かったです。新左衛門を優しく迎えてくれる人達だったし、観ていてほのぼのとした気持ちになりました。
新左衛門が自分の運命を嘆くことなく前向きに現代の日本に順応していこうとする姿勢が良かったです。苺のショートケーキを食べながら、「日の本はこのような美味しい菓子が皆に行き渡る国になったのだなあ」、と新左衛門が感涙するシーンで私もホロリ…。
「最後の武士」という映画の準主役に抜擢されクライマックスの殺陣のシーン、本物の侍二人の「シンケン」な闘いになるのですが、山口馬木也さんと冨家ノリマサさんの殺陣はとても迫力がありました。お互いに号泣しながらの殺陣って初めて観ました。あの涙は、幕末に果たせなかった愛する日本への二人の想いと愛する時代劇への二人の想いだったのだと思いました。私も最後の殺陣のシーンは泣きながら観ていました。
無名な俳優さんばかりでもこのような良い映画が作れますし、もっと拡大上映されると良いなと思いました。口コミ信じて観て良かったです。
最後のオチもクスっとしました。お前何しに来たんだ?笑