劇場公開日 2024年8月17日

「この規模でよく頑張った!!」侍タイムスリッパー 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0この規模でよく頑張った!!

2024年9月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

興奮

月に8回ほど映画館で映画を観る中途半端な映画好き。
なので専門的過ぎないライトな紹介を書いてます。
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幕末、会津藩の地味な侍が城主から敵の長州藩士を討つよう命を受け
標的の男と刃を交えた瞬間、落雷によって気を失ってしまい
目を覚ますとそこは現代の時代劇撮影所だった。

そこまではありがちだし、時代劇撮影所と言うのも
ご都合主義に感じるが、そこは置いときましょう(笑)

この映画そこではなく、そこから発生する時代劇愛や
チャンバラリスペクト、更に侍魂の継承みたいなことが
テーマと感じました。

主演の山口馬木也さんが紛れもない本物の時代劇役者さんだから
殺陣は全く危なげが無いので安心して観はじめましたが
面白かったのは現代パートの撮影所や、リアルな現代の街で
右往左往する様。
田舎侍らしい素朴な喋り方や佇まいが上手くハマってる!!

撮影所でいきなり「江戸の町で〜〜」の他の役者のセリフで
おそらく、本物の江戸はほとんど見たことが無さそうな
会津の田舎侍にとっては、江戸とはこんなものか〜と
無条件に信じてしまう素朴さ。

現代で様々な人に助けてもらうたびに冴えない会津訛りで
(会津の皆さん、悪気はないです。すいません。)
自信なさそうに、でも律儀に礼を言う姿がもう観ていて、
可愛いいな〜〜憎めないな〜〜と感じさせる山口さんの演技。

普段は割と時代劇の中でも偉い人や、
逆に強くて悪い人を演じる事もある山口さんの抑えた、
周りが心配してしまう演技が、
この映画をみんなが好きになった大きな要因なんだろうな〜
と感じました。

面白かった!!

で、奇しくも、アメリカのエミー賞で日本の時代劇の
『SHOGUN 将軍』が18部門の賞を受賞すると言う快挙が報道され
その授賞式で主演男優がわざわざ日本語で
時代劇を守ってきた人々への感謝と、時代劇を守りたい思いを
語った姿は、全く予算規模が違うけれど
本作「侍タイムスリッパー」も同じ思いが根底にあることに
私は改めて感動しました。

切られ役として有名だった福本清三さんが初主演を飾った映画
「太秦ライムライト」を劇場で鑑賞した身としては
映画で時代劇が封切られる度にできる限り観に行くようにしていますが
改めて、日本にとって大事なコンテンツだな〜〜と実感しました。

本物の殺陣のできる役者さんによる勝負!
ぜひ劇場でご覧ください。

余談ですが「太秦ライムライト」についてもレビューを書いてます。
映画.com内ではリンクを貼れないので興味のある方は
「太秦ライムライト」で検索してみてくださいませ。

星のナターシャnova