「140年前、どちらも国に良かれと思って戦ってたのだなあと思った。」侍タイムスリッパー マサヒロさんの映画レビュー(感想・評価)
140年前、どちらも国に良かれと思って戦ってたのだなあと思った。
高坂新左衛門は、苺ショートケーキの余りの美味しさに、これは滅多に口に出来ない高価な物だと思った。だけど、誰もが普通に食べられると知って涙を流す。
命を懸けて守ろうとした幕府はなくなってしまったが、誰もがこんなものを食せる良い時代になったことに驚き感極まったからだ。
今これを書いてても もらい泣きしそうぐらい感動的だったが、やはり今を生きる身としたら、「いやいや、刀振り回して切り合う時代よりはイイかもしれないが、いろいろワルいことも有るんだぜ」などとは思った。
一方、風見恭一郎、なっかなか出てこないから、もう出ないで終わっちゃうのかな? なんて思ってたら大御所俳優として登場してきた。何と30年前に落っこちて時代劇で活躍してた設定。過去に切った敵方の武士のことがトラウマで時代劇は卒業したが、俳優として名をなしていた。
風見恭一郎は、切られ役で出ていた高坂新左衛門を見かけ、久々の時代劇での共演を持ちかける。
共演を持ちかけられた高坂新左衛門、突然降ってわいた大役に、ふつうなら「こんな大役もらってラッキー」てなもんだが、相手が風見恭一郎と知って出演を断る。当然である。
風見恭一郎は現代に来てから30年も経ってるから、幕府打倒を目指してた頃の出来事は過去の事として自分の中で決着がついている。幕府倒しちゃってるしネ。風見「イェーイ」♪ヽ(´▽`)/
ところが、こっちに来てから日が浅い高坂新左衛門はそうはいかない。タイムスリップする直前まで切り殺そうと思って刃を交えていた憎っくき倒幕長州ヤローである。
「なんなら この場であん時の決着つてやんぞコノヤロー表に出ろい」の思いで憤懣やるかたないハズだ。倒幕されちゃってるからネ、高坂「キィー、ムカつき~」 (`Д´)ノ
かつては敵と味方に分かれ争うてはいたが、この国を良くしたいという想いは同じであったというくだりは感動的だった。
まあ、何をもって良い国、良い社会と見なすかで意見が分かれるのは幕末も現代も変わりがないとは思うがの。
そういうワケで真剣による切り合いである。とにかく命を懸けて白黒決着つけなきゃ気が収まらない高坂新左衛門の意を汲んで、真剣による挑戦を受けて立つ風見恭一郎。幕末の志士であった風見恭一郎には、敵味方を超えて高坂新左衛門の気持ちが痛いほど分かるのだらふ。
ちなみに僕にはサーッパリ分からない。佐幕だの倒幕だの尊皇攘夷だの言われてもねえ。すまん (^^)
とにかくコノ真剣による殺陣が圧巻である。いま書いてて気が付いたのだが、真剣ではなく竹光である。当たり前だ。
だけど鑑賞してるときは真剣でやりあってると思い込んで見てたからハラハラしてた。も絶対どちらかが切られて死ぬと思ってた。切られたほうは再びタイムスリップして幕末のあの場所に戻って絶命するんじゃないかと予想してた。
そうか竹光だったのか。いやあ、映画史に残る1対1の真剣勝負の立ち合いであった。僕はちょっと感動するとスグに映画史に残る○○だと思ってしまうので全く参考にならない。大体そんなに時代劇見てないし (^^)