「最高!」侍タイムスリッパー チンアナゴさんの映画レビュー(感想・評価)
最高!
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SNSの高評価を読んでいるうちにもう内容もほとんどわかってしまっていたけど、だからこそシネマロサに足を運ぶ。
その後、「デラックス版」も見たくなってチネチッタにも行く。
脚本も役者のお芝居も衣装、メイク(床山)もどれも手を抜いてない、低予算を言い訳にしていない丁寧な作り。
時代劇設定の映像を昔作ったことがあるのでその時太秦にもお世話になったし役者に合わせてかつらを作るのですらいかに大変か知っている。
コミカルな部分とシリアスな部分が程よく調和していて上映時間の長さは全く気にならない。
前半は侍が現代に馴染む過程そのものがエンタメになっていて、後半は侍というより「人として筋を通すことの大切さ」を教えられて涙が止まらない。
時代劇自体に違和感がある若年層、映画館にまで足を運ぶ煩わしさを厭うシニア層まで届くかはわからないけれど、自分にとっては間違いなく本年度No.1の面白さだった。
ただ一つ残念だったのが、この映画の大きな見せ場である殺陣のシーン。
冒頭のシーンではほんのわずかではあるけど早回し、最後の決闘では微妙なコマ抜きの編集が施されていて自分的にはもったいなくて「?」が頭に浮かんでしまった。
恐らく拘りの鬼の監督が何度も試行錯誤した上での編集だと思うが自分には若干チープに見えて残念だった。
どのレビュー見ても誰もそこに触れていないので自分の勘違いか、あえて触れられていないのかもしれないけれど。
とはいえ、この時代に自主制作の現場からこんな名作が出てきたのは快挙以外のなにものでもない。
なんとか地上波まで広がってかつて時代劇を楽しんだお年寄りにまた幸せな時間を与えてあげて欲しい。
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