ラストマイルのレビュー・感想・評価
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配達員さんありがとう!!
ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」どちらも鑑賞した上で臨む本作!
一時も退屈する事なく楽しめたし、ある意味では自分もこの物語の一部でもあるような気がして考えさせられるような作品でした!
本作と世界を共有しているドラマ2作品も見て損はないと思うので余裕があれば見て欲しいけど、本作見るに当たっては地上波ドラマとのシェアードユニバースなんだって事くらいでもストーリーを楽しむ上では問題ないかと思う。
ドラマ全く知らないとなんでちょい役にこの俳優?とかなんか意味ありげなセリフだったけどなんだったの?ってのはありそうだけど…
「配達員さんありがとう!!」
まずはなんと言ってもこの一言を先に言いたい!
いつも荷物受け取る時はありがとうございます。と言っているし思ってる、不在で受け取れないってことにはならないようにしているけど、暑い日も雨の日もホントありがたいよ!
どんなにシステムで効率化されても今の所まだまだ最後の受け渡しは人だもんなぁ。
いつかドローンで配達とかできるようになるのかなぁ?マシンで配達になったとしてもそれを管理する人は必要なんだろうけど…
これまでドラマでも末端の組織のようなものを描いていたので本作もブレずに末端を描いていますね。
「シェアードユニバース」
きっとドラマファンで見に行く人も多いであろうこの作品。
もちろんドラマの面々も出てきて活躍するけど、またあの人たちの活躍が見れるってあまり期待すると、期待ほどではないかもしれないので、まぁそれなりの期待で!
でもファンサービス的なことだったり、ドラマの顔ぶれが見られるのは嬉しい。
あくまで本作はラストマイルそこにちょこっとファンサービスあるよ。くらいで楽しみにするのが多分ちょうど良い。
「巨大ネットショッピングサイト」
本作で扱われる架空の大型ネットショッピングサイト、架空とは言うものAmazonって捉え方で問題ないでしょう。
川口にAmazonのでっかい倉庫あるし。
頻度の差はあれどきっとほとんどの人が使ったことがあるAmazon。
実際に身近なサービスだからこそ、爆弾事件の報道があったら自分ならしばらく買い物やめるかな?届いた箱は開けずにしばらく放置するかな?気にせず開けるかな?とか考えたりした。
「悪はなんだ?」
本作一見すると悪いのは皺寄せを末端組織に押し付けている大企業や企業の上層部にも見える。
だけど本当にそうだろうか?
企業はあくまでも“お客様のため”にサービス向上をし続けただけ、お客のニーズ、「安く早く良い物を手に入れたい」欲望に応えた結果だと思う。
お客が求めるものを提供する、商売としては当然のことだと思う、そしていろいろな物を欲するお客が悪なわけでもない。
でもどこか人それぞれ少し欲深くなりすぎているのが現代なのかも。
それは自分もそう。
便利でとてもありがたいけど、どこかいろんなところでサービス過多になっているのかもしれない。
本作爆弾を仕掛けた犯人、そういう意味では悪は存在するけど、この問題に対しての悪というものは存在しないのかもしれない。
強いて言えば物事スピードが求められ過ぎる時代そのものなのかも。
今後企業はお客よりもしくは同じくらい末端組織の声を聞くことをより一層求められるのかも。
「少し高くても品質の良いもの」
ラストはとあるセリフの伏線回収をしつつ、高品質(サービス)は低価格では提供出来ないって事を物理的に示すような出来事が起こる。
言わんとしていることはわかるが、ややそうはならないだろ…という気もするが、ちょっと笑える気もする。
まぁ爆発に耐えるほどの◯◯はさすがにメーカーも強度とか過剰設計し過ぎている気はする笑
ムダに高品質過ぎる必要はないけど、安い物には安いなりの理由(材質の質が悪い、末端の人材が安く使われているとか)があるし、
高価なものには、品質を保つための検査をしっかりしているとか、材質も良い物だとか大抵の場合ちゃんと理由があるもので、
その上でさぁ何を重視して買い物しますか?
「安くて良い物、良いサービスを求めすぎているのかも」
現在円安の影響でますます出来るだけ出費は抑えたい、安く、でも良い物を…って考えが加速している気がする。
100円ショップ(最近は100円以上の商品も多いけど)のものにさえ、ある程度の耐久性や品質を求めるのが現代の消費者だと思う。
“安かろう悪かろう”の考え方はいつしかなくなってしまったのかもしれない。
もちろん良いものが安く買えるほうが良いのかもしれないけど、なんだか少し私たちはわがままになってしまっているのかも…
「それでも私は買い物をする」
本作別にネットショッピングを悪にしているわけではないが、サービス過多になりすぎているような現代に問いかけるものがあった気がする。
それはまさに最後の最後に機械音声のような英語で問いかけられる「あなたは何が欲しい?」という問いでもあると思う。
欲しいなぁと思ったらポチッとすれば翌日に届く便利さ、サービスが提供されている限りはそのサービス利用して買い物してしまうなぁ。
もちろん不在とかにはならないようにはするけど、一度知ってしまった便利さからはなかなか抜け出せない。
本作ドラマ2作品とのシェアードユニバース作品だけど、取り扱っている社会的な問題的にもフィクション作品とは言え、ある意味現実のこの世界ともシェアしている世界観だった気がする。
また「アンナチュラル」の第4話「誰かため働く」が本作に通じるものがあった気がする。
物流ではないけど、ある業界の末端的な場所で睡眠時間を削ってでも仕事していたこともあるし、今は何かにつけてコストダウン、値下げする事を気にする、末端とは真逆の大きな企業にいるので、なんだか心に引っ掛かるというか、考えさせられることが多かった気がする。
荷物がすぐ届くとか、メールやチャットですぐ連絡できるとか、技術の進歩なんかでいろいろ便利にはなって、仕事とかも円滑になったとは思うけど、何か効率良くなったからそのぶん労働時間が短くなるわけじゃなく、その分1日の仕事量が増えるのが現代なんだよなぁ…
1つ3時間かかってたことが、1時間でできるようになったらじゃあ3時間で3つできるね!じゃなく少し時間に余裕もって働けるね。ってなると良いのにと常々思うがそんなんじゃ企業として生き残れないんだろうなぁ…
世界がもっとゆっくり動けばいいのに…
世界でも睡眠時間が短い日本
自分も眠れなくなり、眠っても夢の中でも働いているような時期があったけど、ぐっすり眠れる人が増えると良いですね…
そしてなんと言っても配達員にも感謝!!!
中盤まではとても面白かった
早い展開でおもしろい
大好きなドラマの世界観も入ってい ると聞いて、どんな展開かワクワク して観ました。満島ひかりさんと岡田将生くんのコ ンビがとても良かった。掛け合いも テンポも好き。アンナチュラル、MIU404が好きな方 もそうでない方もぜひ。
ドキドキしたり、手に汗握るシーン もあったり・・・そして泣けちゃうシー ンも。
最後は、大好きなの女優さんが出て きてキャーってなりました。
「ブラック」を生み出すのは私たちカスタマー
予告から期待を高めていた本作。公開初日は都合で観に行けず、2日目に鑑賞してきました。期待どおりめっちゃおもしろかったです。
ストーリーは、ブラックフライデーを目前に控えたある日、世界規模の通販サイト「DAILY FAST」から届いた荷物が相次いで爆発する事件が発生し、同社が関東に置く巨大物流倉庫のセンター長に着任したばかりの舟渡エレナが、警察からの要請にもかかわらず、企業理念と売上を理由に出荷停止を拒む中、犯行の裏側にある物流業界の闇がしだいに明らかになっていくというもの。
予告で見知った内容での展開ではあるものの、爆弾犯の特定や動機、配送品へ混入させる方法等をめぐるサスペンス展開で、序盤からずっと目が離せません。特に冒頭から続けざまに描かれる爆発シーンがどれもリアルで、日常よく利用する宅配荷物に爆弾が仕掛けられ、持ち込まれた室内で爆発するだけに、生々しい恐怖を感じます。
そんな恐怖が罪もない人々の身近に迫っているというのに、通販会社、配送業者ともに責任を押し付け合う姿が、なんとも醜くあさましいです。さらにそれは、そこで働く者同士での責任の擦り合い、立場の弱い者へのしわ寄せと続きます。どこの業界にも存在する、力関係と慣例によって蔓延る闇と腐敗を感じます。とりわけ今回は物流業界を舞台としていることが興味深く、物流の重要性とそれを支える構造上の問題に鋭く切り込んでいるように思います。
ここへ、人気テレビドラマ「MIU404」「アンナチュラル」のメンバーたちを巧みに絡ませる、シリーズファンへのサービスが心憎いです。せっかくの豪華キャストなので、もっと活躍の場が欲しいところではありますが、こういったシェアード・ユニバース展開は、観ているだけでわくわくします。
また、配送ドライバー親子やシングルマザー親子を登場させ、苦しい生活状況の中、歯を食いしばって頑張る姿を描いている点も見逃せません。中でも、火野&宇野のショウヘイ親子が、昼食時間も削り、身を粉にして働きながら支え合う姿は、切なく沁みるものがあります。と同時に、本作に説得力を持たせていると感じます。
これだけの内容に加え、冒頭のアパートでの爆破や洗濯機などの伏線を回収しながら、最後はエレナの変容と業界にさす希望の光を感じさせる見事な締めくくり。いささか盛り込みすぎにも感じますが、それを破綻なくまとめ上げている脚本が秀逸です。
鑑賞後にスマホを見ると、偶然にも宅配便業者からの不在通知。申し訳ない気持ちでいっぱいになり、すぐに帰宅しました。私たちの暮らしの利便性は、誰かの頑張りで支えられていることにただただ感謝です。しかし、互いの首を絞め合うことのないように、過剰なサービスを求めすぎないことも持続可能社会のために大切なことではないかと感じます。もう少し寛容な世の中になるといいのにと感じる今日この頃です。
主演は満島ひかりさんで、エレナの心情の変化が伝わる好演が光ります。脇を固めるのは、岡田将生さん、阿部サダヲさん、ディーン・フジオカさん、大倉孝二さん、酒向芳さん、石原さとみさん、井浦新さん、市川実日子さん、窪田正孝さん、松重豊さん、薬師丸ひろ子さん、竜星涼さん、綾野剛さん、星野源さん、麻生久美子さん、橋下じゅんさんらで、豪華キャストが顔を並べます。ちなみにシークレットキャストが、かつて宅配便を扱ったドラマの主演だったのも何かの縁を感じます。
手堅いが物足りなさも
「深夜バイト」
良くも悪くもスケールがテレビ的
正直テレビドラマはまったく見ないので野木亜紀子という人をそれほど認識して観てることはない。しかしキャストがやたら豪華だ。派手な予告編の割には意外に地味な印象。
たまたま上映前にAmazonプライムのドラマなのか恋愛バラエティなのかよくわからない予告が入っているのは何かのサービスか知らないけれど、Amazon的会社からの配送物が爆発するところからはじまって12個の無差別爆弾の爆発阻止と犯人探しがはじまる。
物流、というのはいいところに目をつけたと思うのだけど、予想より地味だと思ったのは、あのスケールある空間と人とマシンがあんまり活かされてなかったな、と。センター長とその部下と運送会社のトップと、ドライバー、そしてお客様、上から下へ荷物の流れと共にドラマはカットバックされてゆくが、肝心の倉庫内と従業員や捜査員のモブシーンとかやりとりが少ないからか、あまり盛り上がらない。意味不明で更に下手くそな雨のシーンがあるが何か大幅にカットしたのだろうか。
盛り上がらないといえばその豪華さの一端である捜査関係者が豪華関係者であることが顧客第一主義には則ってるけど物語を加速させることはなかった。本来派手さを出すのなら、やはり捜査側(警察とマスコミ)を群れで突っ込めばいいのに、そしてテレビ局映画なのにそうはしないのも不思議だった。
結構カットしてるのか?といま思う。
ドローンをケレン味程度にバンバン使ってテンポ良く見せるが、やはり爆発と爆発物サスペンス的な見せ方、特に中盤とクライマックスが弱いのか(未遂のシーン)
それと、犯人が、その巨大物流組織への復讐だったにせよ、無差別殺人はさすがにやり過ぎな気がする。さすがに犯人の自爆は納得だけど、市民の命を巻き込む犯罪な割には、主人公たちも警察もちょっと軽い気がした。
テレビドラマとしてテレビや飛行機の中で観てたら面白いような気もするが、どつしても映画館で観るものとすると、同じ脚本家の「カラオケ行こう」のほうが映画的で良かったが、やっぱり「罪の声」はダメだったのを思い出した。
わけわからんくらい引き込まれた濃密な2時間
「まだ頭の中が混乱してる…色んなことが起こりすぎて…」一緒に観に行った人の第一声。同感。とてつもない情報量と濃密なストーリーに圧倒されてしまったのです。
はじめに、「アンナチュラル」も「MIU404」も未鑑賞でしたが全く問題ありませんでした。それもあって、ただただ豪華キャスト陣に震えます。え?あの人をちょい役で終わらせるの?やべぇな、これwww両作のファンの方の反応も気になりますが、レビューを見る限り概ね好評のようです。
私も物流関係に従事しているので、この作品に込められた問題提起は凄く刺さりました。特に末端の配送業者の抱える過労、人員不足、タイムスケジュール、単価の安さ等の課題を描いていたのは嬉しくもあり、胸が苦しくなりました。それと、大手運送会社の局長(阿部サダヲ)のセリフは思わず笑ってしまいそうになるほどリアルでした。
この作品、とにかく脚本、演出が凄い!観客を飽きさせないとかそういう次元ではなく、本当にわけわからんくらい引き込まれました。疾走するストーリー、圧倒的テンポの良さ、矢継ぎ早に起こる事件、追われる対応、途切れない緊張感……もう、とにかく濃密な2時間。さらに、主人公の考察や事件の概要など丁寧に描かれているので、置いてけぼりを食らうこともありませんでした。
ポチれば翌日には物が届く。その裏でいかに多くの人達が動いているか。「俺達は奇跡を起こしているんだ」。作中、ドライバーが放ったさりげないセリフ。あぁ、いかん、レビュー書きながら泣けてきた。ドライバーの皆さん含め物流関係のお仕事をされてる方々、本当にありがとうございます。(自分に言ってるみたいでキモいなw)
圧倒的スケールで描かれたサスペンス映画。「アンナチュラル」も「MIU404」も知らなくてもOK!物流という身近なテーマはきっと万人に刺さるはず。是非映画館で観てほしい超おすすめの傑作です!
頑張るおじさま達に癒された
優生思想的な人が多い世の中でピラミッド構造となっているショッピングサイトと物流業界。顧客満足なんてものは後付で売上重視の社会をまざまざと見せ付ける1本。
重厚なシリアスとコミカルな会話劇が塩梅よくエンタメとして落とし込まれており久々心躍る傑作でした。
自分が壊れていくことに気付かない社訓12箇条のマジックは身近に感じる要素もあり、満島エレナの強烈なキャラクターに疑心暗鬼になりつつも、最後は彼等を応援していました。
岡田将生さんは珍しく温度感のない役なのでそれもまた新鮮で目で感情を魅せる演技力は流石。
アンナチュラルとMIU404、そしてラストマイルの三作で出演の大倉さんが演じる毛利さんは力の抜け方と観察力のある優秀さのギャップにヤラれます。今回天然が炸裂した刈谷刑事(酒向さん)と抜群の相性でした。
そして末端の委託ドライバー佐野親子のワチャワチャも最上級に可愛すぎる。
鑑賞後に米津さんの主題歌「がらくた」を聴くと暖かさと切なさが倍増し感涙に浸りました。
映像が洋画に劣る邦画はショボさを補う何かが必要。さて、本作は・・
製作費が圧倒的に洋画より少ない邦画は映像面のショボさを補う何かがないと観客動員は望めないと思っています(脚本の良さとか動員力の有る出演者とか)
まず、映像は洋画に比べると悲しくなるほどショボいです。
あと、本作は、ちょうど実社会で問題になっている物流業界の影を扱っています。
(社会に不可欠・縁の下の力持ちと言葉では持ち上げられることがあっても、実際に待遇を改善されることはほとんどなくやりがい搾取でコキ使われるキツイ業界だそうです)
話としては面白かったですし見て損にはならない作品だと思いました。
ただ、テレビドラマとちょっとコラボしていて出演陣は豪華でしたが、話の進行の点では特段の必要性は感じなかった。
まあ、客入りに繋がるので否定することではないのでしょうけど・・
社会問題と、言葉遊びと、きゅるんと。
何がほしい?全部ほしい
マジックワード「全てはお客様のために」
本作でも野木亜紀子節は炸裂!ということはもちろんエンタメ性だけでなく、社会を映し出すメッセージ性も兼ね備えている。構成含め伏線も張っているけど、演出がやはりTVでクドいから、良し悪しはさておき分かりやすさはある。
大好きな満島さん、迷いながら演じたということだったが舟渡エレナ役でもその演技力・存在感(引き)そしてノリノリな魅力が弾け走り回っていた!結論ファーストで思ったことはハキハキズバズバ言うような行動力のある=仕事のできるザ・アメリカ帰りな感じをモノにしていた。人気出てからも様々な作品・役柄で確かに叩き上げてきては、日本映画界において確固たる地位を築いている感すらある岡田将生も安定。
『アンナチュラル』&『MIU404』組は、正直本当にカメオくらいかと思っていたから、実際に見てみて当初思ったよりはまだ出てくるなと感じた。当たり前だけど映画やドラマ、フィクションの登場人物たちの人生は、その前から始まっていてその後も続いてく。だから、変わりもする。そこの間は本来ないはずなのに、「いや〜みんな変わってないなぁ」なんて思ったりも。某M○Uの影響で、「何でもかんでも"ユニバース"しすぎ!もういいから!!」って食傷気味お腹いっぱいな気持ちになっていたけど、本作のシェアードユニバースは良しとしよう。やっぱり嬉しいしね!
No Limit
Customer-centric
Various View Points
2.7m/s → ◎
70kg
物流業界の苦悩と闇
日本映画素晴らしい!
視聴者への風刺の投げかけと自省の強制が辛い
「過去2作と繋がるノンストップサスペンスエンターテインメント」
この宣伝文句からお出しされたものが社会、ひいては物流を利用する我々視聴者への問題提起なのである。はっきり言って暴力的だ。
シェアードユニバースを謳い、世界観の広がりを謳い、エンタメ性を謳っていながら、不意打ちで「この社会の問題の当事者はあなたです」と投げつけられる。
そもそもこちらはシェアードユニバースの世界観に浸りたいのである。社会問題を訴えたいならそういう映画をそういう広告で作るべきだ。
いきなりコレを投げつけられて、私はしんどく感じてしまったし、しんどいと思うこと自体が「問題に向き合っていない」ということになるんじゃないかと感じてしまっている。
社会問題を訴えるのはいい。作品に活かされているならいい。或いは連ドラの一エピソードであれば、考えさせられる話があった、ということで視聴者も当事者意識を持ちつつしんどい感情にならずに済むかもしれない。でもこの社会風刺は、作品の前に出てきてしまった。これをエンタメとして広告を打つのは、視聴者への不意打ちの暴力だと、私は感じてしまった。風刺や批判に当事者意識を持たせることが目的だとしても、不意打ちでそれを行うのは、卑怯だと思った。
また、予告編で過去作との繋がりを強調した割に要素は薄い。メイン2人に感情移入する時間が無い。これならUDIラボと機捜とデリファスでチーム組んだ方が良かったんじゃないかなと感じた。
過去2作のキャラとコラボして爆弾魔を追う、という触れ込みだったのに対して、過去2作のメインキャラは要所で登場する程度で縦軸の2人とは絡まなかったのが肩透かしに感じる人もいるだろう(ラストマイルのメイン2人の存在感を邪魔しないための采配だと理解してはいるが、毛利さんと刈谷さんとしか絡まないのは寂しい)。
そもそもメイン2人に感情移入できない。
特にエレナはこの非常時に何言ってんだお前、という感じだし、前半の羊運送への当たりがキツイのが見ていてしんどくなる。とはいえこれが物流の闇である、という風刺なのだろうが。この後に彼女自身の話や筧との会話についての告白があるわけだが、これまでの情報開示の上でそれがあったとしてスっと感情移入できるのか、と言う話でもある。少なくとも気持ちよく好感を持てるキャラでは無い。
予告にある五十嵐の「何ができたっていうんだ」という言葉はエレナや五十嵐等の、作中の「強い者」を象徴するセリフであるが、それに説得力を持たせる掘り下げが無かったので、キャラに惹かれないのだ。
孔についてはシンプルな描写不足。孔の人となりはわかるが、バックボーンを「考察したい」と思わせる魅力や描写がない。前職がブラックですり減ってしまったことは説明されるが、それ以上のことは分からないし、興味を抱けない。
逆に佐野親子や八木は共感性の高い役でポジションも分かりやすいので、少ないシーンでも共感が湧く。彼らの何気ないシーンが伏線として活きるところもいい。彼らは実際に「私たち」だからこそ、少ないシーンで共感出来る。
物語のメイン舞台が終始配送センターの倉庫なのもスケールが小さいと感じた。空輸なども含め全国規模でてんやわんやなのかと思ったのでココは明確な肩透かしポイント。とはいえミクロな部分をフィーチャーする選択をしたと考えれば納得のしようもあるが。実際上記のように下請けの羊運送の悲喜こもごもには強く感情移入できた。
UDIラボと機捜のシーンは文句無し。最高だ。これが見たかった。UDIラボと機捜とデリファスでチーム組んで素直に作った方が良かったんじゃないかなと思う。
総じて、あのアンナチュラルやMIU404のような感情をダイレクトに揺さぶられる鑑賞体験や、彼らとのコラボレーションを期待すると肩透かしを食らう。
エンドも良くも悪くも視聴者に委ねる形な上、明確なボスキャラが居ないので2時間のエンタメ作品の鑑賞後の余韻としてはパッとしない。
総じて、映画単体としてはメインキャラに感情移入や共感がしづらく、シェアードユニバースとしても広がりを感じない、微妙な作品だという評価をせざるを得ない。
伏線回収の巧みさや、過去2作のキャラのアフターを楽しむことはできる。
良い出来
ヒツジさんはヤギさんで、クマさんもいた。
タイムリーな話
コラボ映画か〜
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