ラストマイルのレビュー・感想・評価
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なんかスッキリしない
お話は良く出来てる。お金もかかってる。役者もいいメンバー。なのに何故かイマイチ。なんだろう。詰め込み過ぎ。時間が足りず端折ったみたいな、TVでじっくり描いた方が、せっかくの他のメンバーも描き切れたのかも
本を読んでみたい気がする。
いつになく客席が埋まっていた。
前人気が高いのかな。
出演者は豪華。
内容は配送業のブラックな部分を描く告発もの。
それに端を発した、爆弾テロ事件。犯人の動機も会社への復讐?
標的が違わないか。会社の信頼をなくして、経済的損害をあたえるため?
その為に一般市民への無差別テロをするのか。
どこまで真相を知っていたのかわからないが、新センター長の人命を無視した態度には嫌気がさした。
いいのか?それで、後から訴えられるぞ。顧客の安全無視で。
センター長の決裁っていくらまでOKなのかな。X線透視装置を10台ぽっちった?これは必要経費?
後から会社から権限の濫用といわれそう。ていうかクビか。
最後のシークエンスもそれで全体が丸く収まるわけでもあるまい。
150円は安いといえるかな。
犯人はどうやって倉庫内に爆発物を持ち込み、すり替えたのか、驚きの種明かしをぜひ劇場で目撃してください。
『ラストマイル』は、11月のブラックフライデー前夜を発端とする連続爆破事件に立ち向かう、物流センターのリーダーたちをはじめとする人々を描くサスペンス映画です。
テレビドラマ『アンナチュラル』及び『MIU404』の監督・塚原あゆ子と脚本家・野木亜紀子が再タッグを組み、同じスタッフによって製作され、両シリーズと同じ世界線で起きた連続爆破事件の行方が描かれます。
タイトルの「ラストマイル」(ラストワンマイルともいう)とは最終拠点からエンドユーザーへの物流サービスのことを指し、客へ荷物を届ける最後の区間を意味します。
●ストーリー
流通業界最大のイベントのひとつ11月の“ブラックフライデー”の前夜。世界規模のショッピングサイト・DAILYFASTの西武蔵野LC(ロジスティクスセンター)から配送された段ボール箱が爆発する事件が発生。やがて日本中を恐怖に陥れる連続爆破事件へと発展します。西武蔵野LCセンター長に着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)は、チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)とともに事態の収拾にあたります。
誰が、何のために爆弾を仕掛けたのか?残りの爆弾は幾つで、今どこにあるのか?舞台となるのは、ネット通販を支える巨大倉庫とそこから配達を行う宅配便です。それは、
決して止めることのできない現代社会の生命線といえます。世界に張り巡らされたこの血管を止めずに、いかにして、連続爆破を止めることができるのでしょうか?
すべての謎が解き明かされるとき、この世界の隠された姿が浮かび上がります。
●解説
わたしも派遣社員として、Amazonや楽天で働いた経験があります。その体験からいえば、本作の舞台となる西武蔵野LCが、かなりリアルに実際のオートマチックな最新鋭の倉庫の実態を再現できていることに驚きました。しかも細部にわたるまでDAILYFIRSTのコーポーレートカラーで徹底的にデザインされているのです。
しかもオペレーションまで実際に即しており、5階建ての巨大倉庫なのに社員わずか9人でオペレーションされていて、800人の派遣社員で運営されるという設定は、まさに最近の巨大倉庫の日常そのものでした。朝の派遣社員の出勤シーンから、作業しているところまで、わたしが日常を接する倉庫の実際を細かく再現していたのです。
よくまぁこんな作品に協力する倉庫があったもんだ感心しました。ロケ地はさすがにネット通販関係ではなく、機械工具卸売商社トラスコ中山の物流センター「プラネット埼玉(埼玉県幸手市)」と「プラネット北関東(群馬県伊勢崎市)」がロケ地として使用されているそうです。撮影期間は2022年12月から約2ヶ月間行われ、映画のイメージカラーには、物流センター内の棚や設備にも使われているトラスコ中山のブランドカラー「ブラック×オレンジ」が使用されています。2ヶ月もメーカーの物流拠点が全面撮影協力したことが画期的です。
ネット通販の物流倉庫では、すべての作業工程が数値化されています。ピッキングや梱包、入荷の商品格納などの作業も1時間に何個という目標数値が掲げられて、月間処理数の優秀者と作業効率の悪い者の順位が壁にデカデカと掲示されているのです。とあるアパレルの倉庫では、入職3回目以降で作業効率がノルマ以下の人間には肩たたきが行われてしまい、ヘタすると出入り禁止になってしまうのです。
本作でもデイリーファーストの目玉商品であるデイリーフォン1万台販売と、西武蔵野ロジスティクスセンターの稼働率70%以上の維持が至上命令でした。
ところが警察から、デイリーフォンを受け取った瞬間に箱が爆発し、受け取った顧客が焼死したというショッキングな連絡がエレナの元に舞い込みます。
会社の株価が下がることを防ぐため、やむなくエレナはすべてのデイリーフォンの出荷中止を実行します。出荷中止は現場に混乱を招き、そのしわ寄せは商品配送の60%をデイリーファーストに依存している羊急便が影響を受けることになるのです。
さらにそのしわ寄せのしわ寄せは羊急便と業務委託を結んでいる佐野親子(火野正平・宇野祥平)にも波及していった。特に業務委託されている佐野親子は一つ届けることで150円、受け取ってもらえなければ一銭にもならないという過酷な労働環境だったのです。
このように本作は、普段縁遠く感じる巨大物流倉庫のお話しを、身近な宅配請負業者の目線で描く、作品となっています。今やネット物流にお世話になることが一般的になっているので、とっつきやすい作品でしょう。
それにしても爆弾テロに使われた宅配商品が、いつの間にか爆弾とすり替わっているトリックは出色です。すり替えるタイミングは倉庫内でしか考えられません。けれども倉庫に入るためには厳重な持ち物チエックが待ち受けるのです。犯人はどうやって倉庫内に爆発物を持ち込み、すり替えたのか、驚きの種明かしをぜひ劇場で目撃してください。
●感想
本作で印象に残る点は、数字を元に完璧さを求めすぎるネット通販物流の問題点を描いた作品になったことです。
爆弾テロの警察が当初犯人だと睨んでいた山崎佑は、エレナより前の社員であり、西武蔵野ロジスティクスセンターで「ブラックフライデーが怖い」と言い残して飛び降りして5年間昏睡状態にありました。センター長になって3年目で心身ともに疲弊した上で3か月休職していたのです。
冒頭に登場する山崎佑がロッカーに書き残していた「2.7m/s→0」と「70kg」という文字にはおそらく観客の皆さんも倉庫のスタッフも誰も気に留めることはないでしょう。実は西武蔵野LCで使われているベルトコンベアの速度と耐久重量と同じ数値だったのです。しかし山崎がベルトコンベア目がけて飛び降りてもベルトコンベアは止まりませんでした。センター責任者の「死んでもベルトコンベアを止めるな」と厳命していることとの対比で、2.7m/sが0になることはなかったデイリーファーストの歪な社内常識が明確になる印象的なシーンだったのです。
ネット通販の倉庫には、働くスタッフの健康を喚起し、労働災害を予防するポスターやスローガンがくどいように掲示されています。でもそれは建前であって、先ずは目標数値の達成が大前提にあるのです。その結果本作のように心が折れてしまう人が出てしまうことはきっと現実社会でも起こり得ることでしょう。これについて各社はもっと考えるべきではないでせしょうか。人はモルモットではありません。数値だけで一面的に管理する労務管理は、持続可能な価値感を重視する今日にあって、もっと再考すべきことではないかと思います。
また本作では、ネット通販に経営の半分以上を依存する宅配業者との関係も問題提起しました。DAILYFASTが爆破事件後に一方的に責任を宅配業者に押しつけようとすることに堪忍袋が切れた羊急便は、業界連盟でDAILYFIRSTの集荷を拒否するストライキに入ります。これはドラマ上の虚構ではなく、実際にも配達員によるAmazonの集団訴訟がおこっていて、ネット通販会社が運送業者を安く買い叩いていることが本作でクローズアップしています。運送業者とはいまや国の血管ともいえる今日、末端の宅配請負業者の手間賃が、一個150円から事件後170円に値上げされてもたいした収入アップはつながりません。劇中佐野親子が嘆くのも当然です。トラックドライバーの時間外労働が規制強化されても、ドライバーの人材不足は変わらず、労働環境は簡単には変わらないでしょう。
本作のヒットで、流通・運送業界全体の意識改革のきっかけとなることを願います。
●最後にひと言
『MIU404』の熱心なファンだったわたしは、綾野剛と星野源の名コンビの活躍シーンを期待していました。けれども登場シーンは僅かで、アンナチュラルの不自然死究明研究所共々、カメオ出演に近いものでした。是非次回作では、コンビが大活躍するシーンを期待しています。
ハラハラドキドキする。TVドラマは見てない。
途中で梨本(岡田将生さん)が、山崎のデータを消したのが舟渡エレナ(満島ひかりさん)だと暴き、福岡には舟渡エレナなんてヤツはいないことが判明する。満島ひかり犯人説が出てきて、ああ、それなら爆弾も仕掛けられるし辻褄が合う、満島ひかりが山崎のことからDF社に恨みを抱いての犯行だったのか、そういう展開だったのか、満島ひかりが犯人だったなんてビックリー(違うんだけど)。とスッカリ騙されるが、真相が実は全然違う展開で、またまたビックリ。
爆弾が入った荷物を紛れ込ませる方法に、よく思い付くなと唸ってしまったが、その方法を見つけた舟渡エレナもまた切れ者だ。
爆発した現場の場面が生々しくて、現在のガザやウクライナを思い起こした。テロ爆弾や空爆を気にしなくていい日本の日常が続けばいいなと思った。
物流業界と運送業界の過酷な状況が描かれているところも見どころだと思う。
とにかくに荷物が膨大だ。24時間受付OKのネットショップで、みんな気楽にポチっとするからね。
雨が降ろうが ヤリが降ろうが 人が降ろうが、コンベアは止めるなというブラックな売上至上主義の場面が怖い。
八木(阿部サダヲさん)が社長だと知らずにドナリ声で文句を言ってしまい、実は社長だったと分かってうろたえてしまうところが、阿部サダヲっぽくて面白かった。
DF社からの指示に逆らえない阿部サダヲだったが、最後には頭に来てしまい、満島ひかりに「あんたが来て自分で探せ」と言って寝転んでしまうところが痛快。あとでホントに満島ひかりが来て慌てるところも笑える。
一件落着でボチボチ終わりかなと思っていたら、満島ひかりが12個目の荷物があることに気付いてからがハラハラドキドキだ。
さすがに子供は犠牲にならないと確信していたが、宇野祥平さんはビミョウである。例の洗濯機のお陰でセーフ。ラッキー。
ドラマファン向けのファンムービー?
アンナチュラルとMIU404は自分も好きで、良く出来たドラマシリーズという評価です。
ただ(その2ドラマを知らないと演出意図が理解できない部分もあるのに)その2ドラマの組織やキャストの存在は今回の物語には必須ではありません。
その中途半端というか無理やり詰め込みというかが仇になり、全体としてどうにも焦点のはっきりしない映画に仕上がってます。
物語は先の読めない展開で、舞台や視点も昨今の社会情勢を取り込んでいるためそれなりに楽しめるのですが、独立した映画として売るのはちょっと弱い感じも否めないので、マーケティング的に上記2ドラマ要素をブッ込まざるを得なかったとかでしょうか?
真相はどうあれ、ドラマファンに向けるのであれば上記2ドラマの組織やキャストがより密接に1つの事件に絡むような物語にすべきだと思いますし、今回の物語やキャストを推すのであれば、上記2ドラマの要素は一部キャストのカメオ出演程度にしておくべきだったのではと思いました。
ただ、隣の席の知らない人は上記2ドラマの熱烈なファンだったらしく、上記2ドラマのキャストが出るシーンでは身を乗り出して声を上げて喜んでいましたので、そもそもそういう人向けの映画だったのかも知れませんし、制作側の目論見どおりの内容なのかも知れませんが。
宣伝し過ぎた?
予想より奥行きある脚本でした❗️
サクッとみられる社会派エンタメ
犯人は誰なのか、爆発へのハラハラ、社会構造への警鐘。
端的にこの3つが楽しめる映画でした。
(犯人の部分にはやや肩透かし感があるかも…)
「アンナチュラル」や「MIU404」と比べるとヒューマンドラマは弱いですが、展開にスピード感があり、いちエンタメ映画としてよくまとまっていた印象です。
これまでの作品と大きく違う点といえば、上記2作はドラマなので、一つの視点(死体や犯人)を通して社会を垣間見せつつ、そこに主人公たちがどう関わっていくかを描く構成でした。
今回は映画ということもあり、主人公を含めた多視点を通して、社会の歪みに苦しめられる人々を描くような構成になっており、
媒体が違うので描き方が変わるのは当然なのですが、そこに違和感や物足りなさを抱く方は多いかもしれません。
また、ドラマ版では主要キャラだけでなく、死体や犯人などの一視点にも感情移入できる深いフックがあった分、今回は…………というのもあるのかなと思います。
ただ、映画のメッセージ性自体は高く
いきすぎた資本主義によって作り出される社会は、本当に我々が求めている理想の世界なのか。欲や競争本能に支配されて、自らの首を絞めていないか、
そういった作り手側の描きたいものがしっかりと感じ取れる映画でした。
ちなみに「アンナチュラル」「MIU404」の要素はオマケ程度です。
家族との感想会が終わらない
集中し過ぎて何も飲まずに固唾を飲んで見守るような気持ちで鑑賞してました。最後まで緊張感が抜けなかったです。そんな中でも毛利さんは相変わらずコミカルで面白い、なのに洞察力が鋭くてかっこいい。いいとこ取りで、ますます好きになったよ。
それにアンナチュラルやMIU404の面々が思ってた以上に出演していて嬉しかったです。一々テンション上がってしまった。
昨今の流通市場の過酷さを思うと物語の中だけじゃなくリアルに感じてとても苦しくなる。時間をかけてエレナと孔が徐々に相手のことを知っていく過程もよかった。
佐野親子や毛利さんなど脇役の魅力も存分に味わえた作品に嬉しさが万倍になった。推理ものってキャスティングやあらすじを見ただけで犯人が誰か分かってしまうことがあるけど、今作はそういうこともなく、やっぱりねっていう肩透かしを食らわずにすんでよかったし、さすがだなと思った。もしかしたらネット通販をしたことがない人や年齢層が上の人にとっては難しいかもしれない。英語にされると一瞬分からなかったりもした。考えさせられる物語なので、何も考えずに映画がみたい、という人には不向きかも。
とりあえずネタバレをくらいたくなかったので初日に鑑賞できてよかったです。また観に行きたい。
家族との感想会が終わらない。
満島さん演じるエレナのキャラ最高‼︎
見事な脚本の手柄
大手の輸送会社の配達物に爆弾が仕掛けられて配達されて、配達後に爆発するという事件がおきて、宅配業者 Daily Fast の新任の集配センターの所長が、同僚や下請けの配達業者を巻き込んで、犯人探しと爆発物の発見に頭脳戦を展開する話である。非常に良く出来たストーリーで、最後の最後まで息詰まる緊張感の連続だった。かつて脚本担当の乃木亜紀子が手がけたテレビドラマ「MIU404」と「アンナチュラル」とコラボした作りになっていて、それらを見ていればより楽しめる内容になっていた。
既存のドラマとコラボさせるということは、それらのドラマの出演者は今作の本編に出演させられないということになり、両ドラマと被りのない役者だけで本編を作らなければならないという縛りを自らに課したも同然であるので、役者陣は相当豪華にならざるを得ない。結果的に、被ったドラマの比重としては「MIU404」の方が多く、「アンナチュラル」はかなり薄くて、顔見せ程度に過ぎなかった。
犯人の復讐先は宅配業者なのであるが、被害者は罪もない見知らぬ一般人であるというところが許しがたい話で、この犯人は同情の余地のない外道である。「目には目を」という同害報復の原点から言って、犯人は復讐先の誰かを一人だけターゲットにすべきであるのに、無関係な人を 10 人以上も害しようとした訳で、これでは貞子の呪いと同じで完全にやり過ぎである。
犯人の特定に至るプロセスが特に見応えがあり、疑いを向けられる人物の怪しげな行動とその理由などが巧妙に組み上げられて話を牽引していた。無駄な登場人物が一人もおらず、誰もが物語の中で重要な役割を演じていた。これだけの登場人物にそれぞれ役割を与えるというのも物凄い構成力で、この映画の魅力は脚本の優秀さに尽きると思われる。
特に、新任の集配センター長役の満島ひかりの演技の素晴らしさが光っていた。その部下を演じた岡田将生も有能さを十分に感じさせていた。阿部サダヲは下請けの宅配業者の中間管理職を好演していたが、やや役不足に感じられたのが勿体なかった。少ない出番ながら鮮やかな印象を残した竜星涼は見事だった。電器メーカーのエンジニアから転職した宅配ドライバー役の宇野翔平は伏線回収しながら見事な機転を見せるところが魅力的だった。
音楽も無駄がなく、必要なところで十分に雰囲気を盛り上げていたし、エンディングの米津の歌も良かった。爆破シーンが特に見事で、中でも爆破の中でもがく人物の描写を見せたのは、映画に生々しさを与えていた。道具立てを全て使い切って最後までドキドキさせる演出も見事だった。
(映像5+脚本5+役者5+音楽5+演出5)×4= 100 点。
自分も物語の中にいる気分だった
ネットショッピングで頼んだ荷物が爆発した、なんて映画みたいな話だなと思うけど、この映画を見ていたら現実でも充分起こり得ることだと感じて人事には思えなくなった。
主人公が事件を解決するのかと思いきや、途端に怪しく見え出したりする展開もそうだけど、何より満島ひかりさんだから出来たであろうそのバランス感覚に見ている方も振り回されて最後まで目が離せませんでした。
物流センターの人以外にも、配送業者の人、荷物を頼んだ人、とかなり登場人物が多いけれど、どれもこの物語には必要な人だと思います。配送業者の親子が個人的にすごく好きでした。細切れな描写でも親子関係が見えてきたり、見せ場もあって良かったです。
野木さん脚本の映画やドラマはいくつか見てきましたが、どれも現実的で見る人の中のどこかしらにリンクさせたようなお話を書かれる方だなと思いましたが、今回はそれが一番強く感じました。見終わった後、あなたはどうする?と問いかけられたような気分になりました。
映画の中のセリフにもあったかと思うのですが、よく「会社のために働け」のようなことを言う人がいますけど、この映画を見ていると「会社のため、と言う人は働いてる人のことは考えていないんじゃないか」と思うようになりました。
物凄い勢いで話が展開していくので、あれってどういうことだっけ?あそこもう一度見直したい、と何度も見たくなってしまいます。
タイトルなし(ネタバレ)
ドラマ作品アンナチュラル、MIU404と繋がる世界線の新作シェアード・ユニバース・ムービーが遂に公開!!!
両作履修済&大ファン勢の私としては待ちに待った公開でした。
監督の塚原あゆ子さん、脚本の野木亜紀子さんの最強タッグ、この方達の日常に突如差し込まれる非日常の落とし込み方には改めて脱帽しました。観ていていずれ本当に起こり得る事象っぽさがゾッとした。爆発の瞬間のカメラワークとかも臨場感あった。そして上記のドラマ両作でも思いましたが”現在”に刺さるテーマの扱いが本当に上手い。今作は物流会社とその業務の闇を取り上げていましたがこの手の問題はどの職種にも当てはまるなと。色々な物が進化し進む現在の利便性の裏に潜む暗い部分が観ていて怖くそして切なかった。下請けの下請け…の会社のシステムもリアルすぎる 笑
伏線も凄かった〜特に洗濯機…天才かよ…笑
そして何よりも豪華なキャスト陣!!!今作からのキャストはもちろんドラマ両作の方達も結構ガッツリ出てくれていて凄く楽しかった。履修してない方でも勿論楽しめると思うけど個人的には履修済の方が楽しみも倍増だと思います。大分ニヤニヤポイントが多かった 笑
にしても満島ひかりさんの怪演というか関係者っぽい怪しさ演技の凄さ。まんまと引っかかりました 笑
とはいえやはりキャラクターとしては弱かったかな〜と。まあドラマキャスト達が強すぎるのですが 笑、正直ドラマ軸、の一つの事件という感じが強かった。ドラマキャスト達の強さに助けられてる感も若干した 笑
ただこれは履修済側だから感じる気もしたし今作から初めて入る人はまた違う感じ方なのかもとも思った。
ともあれ今作も胸に刺さるとても良い作品でした。ロッカーの暗号はぶっちゃけ答え合わせして欲しかったけど 笑、みんなハッピーで終わらない感じも良かった。この感じでまたシェアユニ作品期待しちゃいます 笑
物流システムへの問題提起
もちろんそれぞれのドラマシリーズのファンで期待値爆上がりで観に行きました。裏切られなかったです!
核となる話の部分は実はほんとに精鋭たちで担っており、豪華な俳優陣を贅沢に使っているが話が散らからずよく練られた脚本だと思った。
我々の生活に欠かせない物流の仕組みを嘘のないものにした野木さんの取材力、それだけリアルなものが下敷きになっているから伏線を張り巡らした犯人探しも感情移入ができ、とても胸に迫るものがあった。
エンドロールの米津玄師のがらくたも良い。映画館を出るといつもなら自然と現実に引き戻されるんだけど、今日は物語の人物たちと同じ世界線に生きてるのではという地続き感があった。
全てわかった上でもう一度観に行けたらと思う。
流れを「止めない」世界への労働讃歌。
「止められない」のではなく「止めない」。
アンナチュラルやMIUの時からそうだけど、
「日本って結構見えない問題抱えてるよね」に強くスポットを当て、
時に皮肉り、時に哀れみ、そして時に愛おしいと抱き締める。
この作品は今も色々と騒がれている「物流」が関わる。
自分もかつて物流に関わっていたので
あの業界で働く詫びさが少しわかる。
今作はまるで「現代の物流」という流れ続ける川で
果てない日々を泳ぎ続ける彼らを称える労働讃歌のよう。
内容はミスリードに次ぐミスリード。
視聴者の予想を斜め上をいく。
「これは作品のミスリードだ」と気付くが
さらにもうひとつかぶせてくるのでとても見ごたえがある。
アンナチュラルやMIUのメンバーが出てくるのは最高だが、
彼らはあくまでゲストであり、味付け。
核はあくまで満島ひかりを始めとした
「この物語の中心」たち。
公開をずっと楽しみにしていた作品。 とにかく最高でした。最初の方に...
公開をずっと楽しみにしていた作品。
とにかく最高でした。最初の方にMIU404の音楽流れた瞬間感動しました。悪さをした子達がちゃんと更生してた。出演してない九ちゃんは絶対警察庁で頑張ってるし、成川も更生してるって想像だけど野木さんが作ってる作品だからそう思えた。
アンナチュラルもずん飯尾さんが出てきて面白いし、クソがって言えなくなった中堂さんが面白すぎました(笑)
絶対ドラマは見てからの方が映画楽しめます!
ラストマイルのストーリーは今の時代の話でもあってそれを上手く採り入れていて凄かったです。野木さんの脚本って展開読めないんですよね。映画ってどうなるか大体展開読めちゃうんですけど犯人が中々分からないのが本当に面白い。ネタバレしない方がいいのでこの辺にしときます!とにかくアンナチュラル、MIU404のドラマを見てから映画観に行って下さい!面白いです!
⭐︎3.4 / 5.0
見えない人に対して敬意を
最大手の通販サイトからの荷物が開封されたと同時に爆発し、何者かに爆弾が仕掛けられていることが分かり、物流がピンチを迎える話。
手にしているものが、どこからどのようにして来たのか。
どれほどの人が関わって、ここまで配達されたのか。
そんな見えない人たちに対して敬意を払いたくなる映画。
製品がどのように管理され、どのように配達されていくのかの流れを見れるのが勉強になりました。
電気や水道といったライフラインと同等に、物流に信頼がないと今の生活が一気に滞ってしまう。いわば依存しきっている現代。
「お客様第一に」というスローガンの真意のままにされていることにゾッとした。
なにごとも一点集中で依存するのは良くないなと思わされた。とくに病院に向けた薬の件。
映画としては、現代社会の課題を取り上げているけど超絶エンタメ。
野木さんチームの作品は、コミカルだったり軽快な会話でポップであるけど、その中に現代社会の問題点を挟み込むのがとても上手い。
それも説教じみてないし、くどくもない。
アンナュラルとMIU404を観ていたら100倍楽しめます。
あと個人的な話。
工場で生産管理をした経験のある先輩がいた。
2年ほどまではバリバリ働いたけど、ある日スピード感についていけなくなり休職した。それからしばらく喋ることもままならなかったそう。
エレナの言葉を聞いて先輩のその話を思い出した。
製品をお客のもとにまで送り届けるスピード。納期。
最優先事項なのは分かっているけど、エレナや先輩といったラインを管理する人たちや、スピードを追い求められる割に低賃金の宅配業者が疲弊していくのを見聞きすると、本当に優先すべきサービスなのか?と疑問視してしまう。
時間感覚がとにかく速くなっている昨今、そんなに急かせか生きたくねぇよと言うのが本音。
そんなこと書く私は社会人一年目。
いろいろと考えさせられる映画でした。
他2作品との絡みが薄く必要性もなく、作中の嘘や矛盾が目立つ
あぶデカで日本の警察が町中でバンバンピストルを打つとか
デスノートで警察が追う犯人が殺人手段に使っているのが
ノートと死神と言うファンタジーであるとか、
そういったフィクションの『嘘』は個人的には大歓迎である。
如何に事実の中に織り込んで矛盾を減らして綺麗に繋ぎ合わせるかが
作り手の腕の見せ所のひとつであると思う。
落とし込む過程で多少の嘘や矛盾が出ても無視できる、
それがエンターテイメントの力だと思う。
この許容ラインは人によって全く異なるだろうし、
作品の全体的なバランスに大いに左右されると思っている。
これまで野木さんが絡んだ作品はほぼ全て見てきていて、
単純な話の面白さはもちろんそういったバランスの取り方も含めて
手腕には絶大な信頼を抱いていたので、
当然今回もそうだと期待していたのだが
この映画についてはバランス合っておらず、エンタメと許せるほど
振り切れもしない嘘や矛盾が引っかかってしまい、
そうなるとご都合主義に感じてしまって自分は楽しめなかった。
「エンタメだから」と思える人は十分楽しめる内容だと思う。
実際面白いことは面白いのだろうと思うし、お勧めできると思う。
ただ、自分には向かない映画だった。期待しすぎた。
シェアード・ユニバースを謳っていたが、
そもそもシェアード・ユニバースとは別々の作家が同一の世界観を共有して
個々に作品を作り上げるものである。
これは監督脚本が3作品とも同じなので、シェアード・ユニバースではない。
ひとりの作家が自分の複数の作品で世界観を共有させ、同じ地名だったり
他作品の登場人物が出てきたりといったことは珍しくないことなのに、
事前の特番などで「ありえないことが起きている」「すごい」と
煽り過ぎだった嫌いもあると思う。
『アンナチュラル』と『MIU404』の出演陣も登場し、
俳優が豪華であることはそのとおりだ。
それぞれのテーマソングがかかったり、キーアイテムが出てくると
ワクワクもした。
ただ、必要性はなかった。
別に彼らでなくとも話が成り立ってしまう程度の関わりであり、
シェアード・ユニバースを謳った割にはただ同じ時間軸に暮らしている
というだけだった。
『アンナチュラル』は物語上まだしも必要性があったが、
『MIU404』に関しては必要性は全くなかったし大した出番もなく
非常にがっかりした。
何より、本作品の主人公であるエレナに全く感情移入できなかったことが
個人的には大きい。
孔はそれなりに共感できないこともなかったが、彼のスタンスとして
熱血的に関わる訳でもなかった。
予告を見ていて、仕事を止めない為つまり自分たちの為に
素人が探偵まがいのことをせざるを得ないところに追い込まれるという
真保裕一作品にあるような展開なのかなと思っていたのだが、
メインの2人は仕事に情熱があるとかデリファス社員であることに誇りがあるとか
そういったことは全くなかった。
デリファス社員は全員利己的で立場にしがみつくだけで、
仕事に誇りを持っている人間はいなかった。
羊急便の八木さんが一番共感もできたし、好きなキャラだった。
物流関係で働いている人と、外資系企業で働いて病んだ自分で観に行ったので
ふたりともそれぞれにキツい映画ではあったし、キツい部分描写はリアルだった。
最近の流行りだから仕方ないのかもしれないが、VFXを多用し過ぎていて
映像的に引っかかるところも多かった。
多摩モノレールが外の景色と車内アナウンスが合っていなくて集中できなかった。笑
(撮影秘話の特番でやっていたが、車両はセットで窓などの映像ははめこみ合成である)
冒頭のよくわからない秒速云々の落書きがそう繋がるのか、というのは
じわりときたし、そういう伏線というほどではないが小さい散りばめられたものは
やはり作り的には上手かった。
それから、主題歌はやはり良かった。
米津玄師さんは本当に繊細な天才だと思う。
しかしながら良い歌なだけに、『アンナチュラル』や『MIU404』のような
あの曲を聞くとドラマの色々な場面が走馬灯のように駆け巡る気持ちを
この映画のエンドロールを見ながら味わいたかった。
監督によるとポップコーンとビールを片手に楽しめる映画が作りたかったそうで、
だったらエンタメにもっと振り切っても良かったし
社会風刺のような重たい話題をいくつも詰め込まないほうが良かった気がする。
前2作品のような見終えた時のカタルシスのようなものが感じられなかったのが
非常に残念である。
エンタメに振り切るなら、最後の爆弾は伊吹たちが駆けつけて
それを羊急便の委託の人たちがサポートするとか
シングルマザーでお涙頂戴にしたいなら委託の息子が会社が倒産して
家で腐っていたから離婚して、娘たちがお父さんに会いたくてポチって
配達に来たお父さんがやり直そうとお母さんに言うとかの方が
よほど『ラストマイル』というタイトルの意味があったと思う。
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