ラストマイルのレビュー・感想・評価
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物理活劇
あの世界的大企業を舞台にした物流活劇。事件をきっかけに、人々の生活を支えるさまざまなレイヤーの職業人の日々の苦悩が炙り出される。高度に発達した私たちの社会の緻密でありながらも、一方完全にとめることの出来ない暴力性を感じることができた。
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星4の一歩手前な感じ。
満島さんの演技が素敵。
この映画で何を見せたいかはよく分かるが、私にはちょっと弱く感じた。
「さすがに人が死ぬ可能性があれば止めるでしょ!?」と思ったのですが…。
実際そこまでブラックな業界なんですかね?
この問題は今なお続いている、現在進行形の課題に切り込む
今やネットショッピングは日常生活にすっかり浸透している必要不可欠な存在となった。どんどん世の中が便利になっていくということは、消費者目線では非常にありがたいことだ。私自身もその恩恵を受けている一人である。
他方、労働者目線で考えてみるとどうだろうか。少し違った見方ができるかもしれない。便利になればなるほど、当然のように、消費者は便利なサービスを当たり前のこととして求める。企業は利潤を追求するためにその声に耳を傾けざるを得ない。果たして、その裏側で働く人々のことをどれほど考えているのだろうか。下層から中間にいる人たちは、半ば使い捨てのような働き方を強いられる。
下請けともなると、尚のことである。すでに、運送業の人手不足は世間でもよく知られた社会問題となっている。消費者はどんどん便利になっていくことを求めるが、それが必ずしも人類全体の幸福をもたらさない。なぜならば、一部の働く人々を消耗品のように扱っている側面が否定できないからである。そうした人々が、現状に不満を表明し、仕事を受けてくれなくなったら、どうなるのか。今まで何とかなってきたから、これからも大丈夫ということはない。そういう危機意識を感じざるを得なかった。
今作における巨大物流センターでの出来事は、効率化を追求する現代社会が抱える問題を象徴している。舟渡エレナ(満島ひかり)は、一見して巨大資本の代弁者かのような振る舞いをしているようにも見えたが、結局はそうでなかったということがわかり、安堵した。また、梨本孔(岡田将生)は、時折「虎に翼」星航一の姿がオーバーラップしたが、ブレないキャラであった。きっと彼ならばこの先も大丈夫だろう。現在進行形の問題を巧みに描いた野木亜紀子氏にも大拍手!
現実離れしてる
プラットフォーマーが爆破魔に脅されるという設定はともかく、その対処の描写に現実離れした点が多々目につき、興醒めした。警察は捜査情報を大声で話さないし、被害企業の現場対応者があんな少数なわけないし。まともな報道機関は、複数の死傷者が出た爆発事案で、おもねって企業名を報じないなんて判断はしない。。。この映画どこが作ってるんだっけ。自分たちを貶めるようなものを作らないでくれ。
私たちが目を瞑っていること
ほしいものがあればワンクリックで買えて、当たり前のように翌日に届く。でも、その到着は夜中だったりする。初期設定が翌日だっただけで、別に無理に今日じゃなくてもよかったのに。この時間なら今日も明日も同じだよ、などと思う。なんで配達業者はこんな夜中になってまで日付を守ろうとするんだろう?とうっすら思うけれど、深く考えることはない。たまに別のサービスで到着が1週間後、と言われると遅いなぁと思ったりする。だからやっぱりアマ○ンを使おうとなる。
でもそれは、客がアマ○ンを選んで使っているようでいて、実は大きな利益の中に客が組み込まれている。注文が翌日に届くことは「customer-centric」の実現のためであるようで、実は、イニシアチブは客の側にはない。
それは、うっすらわかっているけれど、だって便利だし、と目を瞑っていること。でもその瞑った目は、いろんなものを見落としている。あるいは、見えないふりをしている。
配送業者、従業員の上司に部下に非正規雇用、そして客すらも、そのシステムを成り立たせるための歯車でしかなく、そのシステムは常に軋みながら回っている。それは果たして、なんのために?
…という、今の世の中のほとんどの人が無関係とは言えない、でも目を瞑っていることが、大きなテーマとして映画の背景にある。そしてその表に、配送業者の買い叩きや過重労働とか、母子家庭の母の苦悩とか、大手企業勤めの追い詰められたメンタルだとか、巨大な組織に立ち向かう個人の弱さとか…その立場にいないと理解しにくい問題が、すごくリアルに描かれている。
脚本家の野木さんの凄さを感じたのは、こういう話って、わかりやすく描くのであればたぶん、配送業者の問題の方が描きやすいと思う。でも、エレナやコウのような人達もまた、一見華やかで楽しく生きていそうに見えるけれど、実際はものすごいストレスをとんでもないバイタリティで抑え込んでいて、でも抑えきれずに心身を壊す人がたくさんいる。
エレナが追い詰められたシーンで、エレナが「私がどんな思いで…」と泣きそうになり、それを一瞬で笑顔に切り替えた演技が本当にリアルで、満島ひかりという女優の凄さを感じた。
逃げていいんだよ、本当に。仕事で人は死なない。死なせるのは、追い詰められた感情の連鎖だと思う。その連鎖を断ち切るのは勇気がいる、3階から飛び降りるのと同じくらい勇気がいる。でも、飛び降りるよりも絶対にいい。
MIUやアンナチュラルとのコラボの豪華さが目を引くけれど、それ自体はおまけでしかない、とすら思える。緻密で繊細な脚本と、それを表現しきった俳優陣が、本当に素晴らしいと思う映画だった。
ロッカーの数式・人命より利益を優先する人間の恐ろしさ
主演の満島ひかり、岡田将生をメインにMIUやアンナチュラルのキャストも加わり、めちゃくちゃ豪華な映画でした。
爆発(テロ)のシーンが多く、迫力がすごいので、箱を開けるシーンのたびにビクビクしてました笑
中の化学薬品が混ざる描写、もとても緊張感があって上手い演出でした。
中村倫也がロッカーに残した数式について、どういつ意味だったのか明言されないので、始めはピンと来なかったのですが、終わってからしばらくして意味がわかりました。
中村倫也は、あのスピードで自分の体重で落下することで、配送レーンが止まることが分かっていた。
思惑通り、中村倫也が飛び降りたことで、配送レーンは一度止まるのですが、あろうことか一緒に働いていたディーンフジオカがレーンを再稼働させてしまいます。
人が飛び降りて頭から血を流している横で、機械はまた動き始め、稼働率もすぐに戻ってしまうのです。
めちゃくちゃ怖いシーンですよね…
「人命よりも起業利益を優先する」、人としてなんだか気持ちが悪い、でもありそうな描写が、前半いくつも描かれます。
満島ひかりも、自社製品による爆発事件が起こっても、最初はなんとか配送を止めないために奔走しますし、犯人の爆破予告と取れるネットの書き込みが見つかっても隠蔽しようとします。
その姿勢が少しずつ変わっていき、クライマックスで大きな決断をするのがこの映画に通ずるテーマなのかな、と思いました。
「起業利益のために人が淘汰されていないか」「企業の利益のためにマジックワードで誤魔化されていないか」「血の通う人間が働くはずの会社が、利益のための会社になっていないか」「そのことによって社員を犠牲にしていないか」(現に中村倫也や前所長、満島ひかりは体調を崩している)
人が飛び降りても、爆弾事件が起きても、「工場の稼働率」を示すグラフが順調に元に戻って行くのが、サイコパス的で非常に怖いです。
最後の家庭で爆発物を処理しようとするシーンは、本当に手に汗を握りました…!
見事な伏線に本当に脱帽!!!!!
企業の「誠意」とは何か、考えられる作品でした。
評判通りの面白さ
「アンナチュラル」と「MIU 404」は未鑑賞。シェアードコンバースとのことですが特に問題なし。巧みな脚本で最後まで楽しめました。まず驚いたのが豪華な出演陣。そしてエンタメながら社会問題に切り込むストーリー。とてもバランスが良かったと思います。満島ひかりさんの演技を初めて観たのですが光ってましたね。
深夜に決めてきた、深夜って帰り道の駅とかの治安怖いね〜() 主人公...
深夜に決めてきた、深夜って帰り道の駅とかの治安怖いね〜()
主人公(?)二人がどっちも善人ではないらしいという話に惹かれて
あんまり邦画見てなかったけど想像以上にクオリティ高くてびっくり、脚本が複雑というかキャラが独特で、コンセプトが難解な感じがあって、でも抑えて欲しい王道はしっかり抑えてたので(ドキドキハラハラとか犯人探しでミスリードありの推理ものとか)見応えは抜群の作品だった
エレナの掘り下げはちょい薄いけどだからこそ事件事態の解決に集中できるのなと思った
ベルトコンベアを止めたいっていうのをロッカーの落書きから推理するのはちょっと見慣れない感じがして、なんかこの感じ邦画っぽさなのかなと感じた
最終的にエレナが引き継いで流れを止めたのは胸熱
途中の脇役が(検死官?とか刑事とか)いちいち異常に豪華なので何事かと思いきやドラマ二つと世界線同じらしい、こういうの好き〜
元ネタ全く知らなかったけどキャストの豪華さ以外違和感はなかった。アンナチュラルとかも見てみようかな
エレナの対人関係に対する防御力というか怒ったり脅したり口調強めの男たちやアメリカン女上司に全く物おじしないシャアシャアとした感じがなんか好きだった
つえ〜こえ〜って感じで
ただ何を信念にしてるのか分かりづらかった、ここまでビッグな作品のエンタメや漫画とかではあまり見ないけどでも人間として違和感はなく。やっぱ独特なキャラだと思う
循環
2.7m/s 70kg → 0 (欲望の循環)
山崎佑は、ベルトコンベアを止めることで人の際限なく膨れ上がって循環する欲望が止まるんじゃないか、と仮説し検証するために飛び降りた可能性もあるように感じた。
(ブラックフライデーで膨れ上がり循環し続ける欲望が乗った物流センターの業務に心身ともに追い詰められていたことに起因はしているが)
ちゃんとラストマイルの2人が主役だった
アンナチュラルとMIU404というデカすぎる世界線が交差するのでこの2つが出しゃばって結果失敗しないかと不安だったのですが、良かったです。
ちゃんとミステリーしてて、野木さんらしいビターな世界線でした。
ちゃんと主役2人がミステリー発見して謎解きして、最後まで2人で解決するのが良かったです。
MIU404は事件が起きる前に。アンナチュラルは事件が起きた後に。ラストマイルが間をとっていて面白かったです
脚本より面白くなっていない。
テレビ局の制作というトラウマを踊るシリーズに植え付けられて以降期待しなくなって何年も立ちましたが、『ちゃんと楽しいじゃないか!』と嬉しくなる本作。
ドラマ全話観て、バキバキにパンプアップした状態で見に行きましたが、ドラマのキャラが出てくるっていうファンサービスよりも、ドラマのテーマとの共通項を感じさせる部分に脚本の上手さを覚えた。
特に、満島ひかりがスカした若者も羨む『バイタリティ』で労働環境改善に乗り出す一方で、自殺した人が誰か判明した石原さとみの『そんな根性いらない』からの、再び満島が負け確ディーンへ『何もしなかったからだよ』っと捨て台詞の流れ。
復讐を通して描く、1歩勇気をもって踏み出すこと、そのベクトルの重要性はアンナチュラルにも通づる所ですごい上手い。
君塚脚本と違い、メッセージや、社会問題意識についても外してなくて不快感もなかった。
絵的にもずっと豪華で観てられるし、ショウヘイ親子のシーンは全部良かった。
ただ、実際に撮影されたものが脚本を超えてるシーンがほとんどなかったように思うのはすごく残念。
数多ある凡作の『説明台詞』ではないけども台詞で説明していることが続きすぎて、映画的な魅力やエモーションがほしかった。
あと、ギャグパートは全部うまくいってなかった。(ロジスティックス、きゅるん、例え下手ですね、それまだ動きますか?等、、、)笑いの取り方はどうしてもテレビ的なものがスクリーンに入ると気になってしまう。
気になる点もあるが、気になる点どころか気に入る点を見つけるのが大変で、映画終わるころにはぶちギレてたこれまでのテレビ制作と比したら大成功。大拍手。
この成功を薄いレベルで理解したおじさんが『うちもユニバースだ』と安易な企画を乱立しないことを祈る。
期待しすぎた?
もちろん素晴らしい所は沢山あるんだけど、
私個人の正直な意見としてはドラマの延長だなと感じた
スペシャルドラマで良かったと思う。
だけど現代社会へのメッセージは感じれて良かった!
2本のドラマと同じ世界線というだけで興奮材料ではあるし、俳優さんも豪華で演技も上手いんだけど、
内容がついてってないかな…
ちなみに、あの計算式は私がベルトコンベアを止めるという意思?意志?の表記。と解釈
大倉孝二演じる毛利刑事を見続けてきて良かった!
『アンナチュラル』『MIU404』だけでなく近年の野木亜紀子作品はほぼ鑑賞済みなだけに期待大だった。
実際に観てみれば、製作陣がアベンジャーズと呼ぶ豪華出演陣にはたしかに興奮したし終盤の二転三転する展開には唸った。
ドラマ履修済みでなくても面白い、且つ身近なショッピングサイトのサービス周辺情報が痛いほど伝わってくる社会派作品だった。
ドラマファンとしては毛利刑事(大倉孝二)と刈谷刑事(酒匂芳)の高身長バディがメインの捜査チームだったことが安心して観られて良かった(いや、どのチーム・シーンも安心して観ていたけど(笑))
そういえばご両人とも『検察側の罪人』でヒドイ奴&ヒドイ目に遭うお2人だったな(笑)
火野正平と宇野祥平の親子コンビで幕を開けるのが渋くて良かった。
主演2人も含めいくつもの魅力的なコンビ・バディが物語を推進する映画だった。大満足。
ちなみに個人的な「シェアードユニバース的・大倉孝二演じる毛利刑事のハイライト」は……
・アンナチュラル第6話『友達じゃない』でミコトと東海林を見逃してあげる毛利。
・MIU404第3話『分岐点』で前田旺志郎演じる勝俣に刑事の矜持をみせる毛利。
・MIU404第9話『或る一人の死』で相棒の向島刑事とともに4機捜に「武蔵野うどん」をふるまう毛利。
……などがあるのでぜひ注目して観てほしい(笑)
模倣犯出そうで怖い
普段あまり刑事モノとか謎解きモノを観ないので、
まんまと騙されるまま、最後までドキドキでした。
ここまで凄い犯罪でなくとも、
現場はギリギリ、何かをしでかす人が出てもおかしくない。そう思える。
劇中で、宅配便ドライバーに、客とトラブル無かったかと警察に聞かれて、そんなの山程あると答えてた。
物流の上流から下流まで、人々の忍耐と誠意で、何とかなってる状態。
流れを止めてやろうと考える人が出ないか心配です。
しかし、物流は大変だと片付ける気にならないのは、知人の宅配便ドライバーの言葉です。
彼は勤め先の証券会社が潰れて転職したのだけど、こんなに良い仕事は無いと言ってました。
どんなにキツくても、配達終了でスッキリ爽やか帰宅できると。
証券マン時代は、お客様に損をさせたりすると眠れないし引きずるし、ストレスエンドレスだった。宅配便ドライバーはキツいのは肉体だけだと。彼はそう言ってた。よほど証券業界嫌だったから比較してそう言うのでしょうけど。
だから、どの業界もブラックの種はある。ご用心ご用心。
ウォーカー威力
働くことは一人一人が支え敢えてこそで成り立つとが知れた一人が頑張っても無理さらに誰がが一人では無く家族も苦しむ利益よりも働く命が大切原動力を合わせることでラストマイルだとアンナチュラルも大好きなドラマシリーズだったのでまた見れた嬉しかったです!!2回目でも充分面白かった3回目もいっちゃいますかです!オレンジカーペット試写会行きたかった!!
近年稀に見る名作
予告は全く面白味が無く、見るつもりもなかったのですが時間が空いたので見て来ました。
いやー驚きました!!所詮は、テレビドラマのレベルだろうと予想していましたが、充実した内容&演者陣のクオリティーで大変満足しました!!
なんというか完璧ですね。見終わった後、スッキリした気持ちになります。
映画好きな方、邦画が苦手という方も是非ご観賞ください。
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