ラストマイルのレビュー・感想・評価
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便利の犠牲を見せつけられた
ネット通販で注文された商品を配送するための物流管理センターで、センター長として就任したエレナ達が見えない敵の爆破犯に立ち向かっていく!
整然と並ぶ棚から商品がベルトコンベアに乗って振り分けられて、ドライバーの手で各家庭に届けられるシステム。こんな便利な事、やっぱり当たり前だと思っちゃいけません。
爆破犯の行方とともに管理センターの裏、配送ドライバーの嘆きも見えて、これは私達に一石を投じられる社会派な映画でした。
公開前からチェックしてたのにアンナチュラル、MIU404を再度見てから…ということで出遅れました。そんな好きなドラマのキャストがちょいちょい出演してて嬉しかったです。
とぎすまされた脚本と演技に没入
セリフひとつひとつが研ぎ澄まされていて、キャスティングや俳優さんの演技にも違和感なく、映画に没入できました。
見終わってからも、哀しさが残るのは、
勧善懲悪とはいかない、現代の物語を描いた映画なのだとおもいました。
凛とした、麻生久美子さんをスクリーンで観られて良かったです。
シェアードムービーの醍醐味
複数の作品の世界観が一致した作品を日本で作ったという話題性、しかもどちらもヒットしたドラマという事で注目度が高かった。
アンナチュラルは当時観ており、MIU404の方は観た事なかったが、映画公開後にどちらも一気見し鑑賞。
どちらも全く観てなくとも楽しめる作品であるが、観ておくと些細な点でワクワクしてより楽しめるのではないか。
肝心のストーリーは、物流倉庫でありそうでなかった舞台。
話の繋がりも素晴らしく見応えがあった。
見事な展開
実感します。
最初は、番組アラカルトかと思いました。
しかし、これは、現実にある話や。
外資系のネットショップの物流倉庫。働き手は、派遣社員 、管理管理で、配送も奴隷のごとく、下請け、孫請、人を変えるだけ。これからは、AIに支配されるんだろうな!
BGM壮大で最後の場面とエンドロールの繋ぎ方神
一言で言うと完璧
大手ショッピングサイトの物流センターから出荷された荷物が爆発。
その日センター長に着任したばかりの舟渡エレナは、先任マネージャーの梨本孔とともに事態の収拾に立ち向かう。
視聴者をミスリードする様々な情報、細部まで映像を見ないと、あるいはセリフをよく思い出さないと気づかない小さなものまで含めるとあまりにも膨大な伏線の数。
間違いなく面白い。
そして鑑賞を終え、解答が示された後になっても
「もしかしてやはりコイツは○○なんじゃないか?」と思わせるように謎が残る。
過去のTVドラマと世界線を共有するシェアード・ユニバース作品ということだが、
この映画単体でもストーリーが完結し、ドラマを見ていない人でも問題なく鑑賞を楽しめ、置いてけぼりにされない。
それでいてドラマファンならでは楽しめるようにも作られており、懐かしく、あるいは新しい喜びを感じられる。
エンターテイメントととしてのテンポの良さと
サスペンスとして謎に迫っていくスピード感が非常にマッチしている。
社会問題化している物流業界の問題点がテーマでもある。
残業代の未払い、再配達コストや低賃金、それに伴うドライバー不足、それに苦しむ運送会社。メンタルを壊す労働者の増加、自殺の増加。
「私たちひとりひとりの『欲しい』『もっと便利に』という欲望がそれを引き起こしているのではないですか?」
という問いかけがこの映画の根底にある。
それを描き切るにあたって出演者の演技も素晴らしい。
とりわけ満島ひかりさんの演技は圧巻の一言である。
舟渡エレナははじめから満島さんを意識したアテ書きだそうだが、
ともすればオーバーリアクションに感じるのは彼女が外資企業の責任者だからかな?と思わせるが、
後々考えたら、舟渡エレナの反応として全く過不足がない。
素晴らしい演技だったと思う。
エンターテイメントとして楽しく
サスペンスとしてハラハラ
見終わった後も考察のしがいがあり、
ドラマのファンは嬉しく、
ドラマを見ていなくても楽しい。
社会問題を提示して考えさせられる。
よくこれだけの要素をひとつの映画作品に落とし込んだものだと、驚愕を禁じ得ない。
ポップコーンムービーではありません
結論から言うと、ラストマイルは、良い映画とは言えません。
良い映画の定義は人それぞれなので、私からするとと言うことになりますが、視覚的驚きも、新しい視点も、カタルシスも、生きとし生けるものの情動も、何もありませんでした。
たとえば、サッカーの強い国は、全国民がサッカーというものに理解があり、サッカーの観戦の仕方を心得ています。何回シュートしてどちらが勝っただけでなく、ナイスアシストだね、あそこのディフェンスが良かった、監督の采配が素晴らしい、フォーメーションが斬新だなどと言った見方をすると深く楽しめるものです。
ラストマイルを、面白い映画という風潮は、サッカーに明るくないサッカー観戦者であり、とても良くない傾向だと思いペンを取りました。
昨今の映画は、伏線回収に心血を注いでいるきらいがあり、この映画も類に違わず、そこに終始してしまっているのです。物語が進むにつれ人々の背景が明らかになり、受け手の感覚が変わっていくと言う脚本の面白みを出すために、当初はみんな怪しい人物として存在します。それ故に、中盤まで登場人物の誰にも感情移入することができません。これは致命的です。その現象に加担しているのが、テレビシリーズの二つの物語と同じ世界線の部分です。アンナチュラルもMIUも、その実はこんな人というストーリーは済んでいるので、誰も伏線を張ることはできないため、映画の新たな登場人物しかそれをすることができないからです。人気ドラマのおなじ世界線ということで集客はあったかもしれませんが、映画として、薄っぺらくなってしまったことは、残念でなりません。世界線の集結は、不要だったと思います。
映画序盤で出てきた母子ですが、この登場の仕方だと、後で事件に巻き込まれ、仲直りをするんだろうなとわかってしまいます。
配達員の親子も、最初は振るわないけれど、後で活躍するんだろうなとわかってしまいます。
そして、極め付けは、みんなそれぞれに抱えている心の病に至る出来事をきちんと描かれていないため、命の冒涜とすら感じます。
流通に対するアンチテーゼと、題材は意義のあることだと思うので、もう少し描きようがあったのではと勿体ない気持ちです。
シンパシーはないため、ドキドキハラハラするポップコーンムービーには程遠く、ハッキリ言って、企画プロデュースの失敗なのではないでしょうか。
泣いた
数多の派遣社員がどんな場所で働いてるか、物流の下請けがどんだけ買い叩かれ惨めなのか、Amazonの内情がどんななのか、カスタマーセントリックなんて綺麗事の真のメッセージは何を指すか、を描いたドラマを初めて観た。
野木亜紀子さんら脚本・監督・プロデューサーの女性3人は日本のエンタメを代表する存在だ。恥ずかしながら初めてそう思わされた。
世代交代と家父長制の終焉を象徴した映画だと思う。一部のおじさん達がいかに足掻こうが、社会はとっくに変化している。
エレナに関するミスリードには感情が揺さぶられた。満島ひかりと岡田将生、良い役者だ。中村倫也が信頼できるようになった。
にしてもリアルな内容が重すぎて、パンフを全部見られない。
かろうじて野木さんが「トリクルダウンなど起きるはずもなく、ブルーカラーは疲れ切っている。ホワイトカラーが奮起せねばこの地獄は変わらない」てなことをおっしゃってるのを見て、この人も社会を変えたいと願い行動する方の一人なのだなと心強く感じた。
作り手の真摯さに心打たれるので、おすすめ。
試みは素晴らしいし面白いが‥
友人から「アマゾンや物流の話」と聞かされ期待値も上がり観に行った。
社会派ドラマだと思っていざ見てみると、爆弾もののサスペンス・ミステリーじゃないか!!人に説明するときに「爆弾<アマゾンや物流」と伝えるのはちょっと違う。
まぁそこは置いといて、アマゾン(映画内では別会社)と運送会社の関係性などを描かれていて中々面白いながらにも、リアリティがかなり薄いところも散見できた。
例えば爆発の強さの割に死者が少ないとか、満島ひかりが演じるエレナはなかなかぶっ飛んでいて、いちセンター長の立場ながらに上に相談なしに1台何百万円もしそうな爆弾の為の検知器を複数台買ったり、日本支社の代表と直接かつ何度も連絡を取れるなど、とんでもない権限を持っている事とか。
運送会社についてはリアルな闇も映していたらもっと良かったかも。場所や時期などにもよるけど集荷センターで荷物はもっと投げているから、今回みたいな爆弾ならそこで爆発してるし、あんなにまともな配達員(火野正平)みたいなのもそうそういない。
ストーリーの違和感としては、正社員は非正規社員と違って手荷物検査などなく工場内に入れるので犯人はその中にいるのでは!?と真っ先に思わなきゃいけない事なのに、しばらくはエレナを犯人かもと思わせたいが為、あべこべ現象が起きてしまう。
あるところでエレナが犯人では?という予想が立ってくるわけだが、真犯人が分かったときのガッカリ感。外国人のような顔の女性で「誰?(キャストとして)」という感じになり、エレナが犯人のほうが盛り上がったなぁと。
他のドラマのキャストを登場させるやり方はとても面白いと同時に、異物を混入させてしまう事にもなりそうで難しいところ。個人的には星野源だけ変だな、と。始めの車のシーンで素人が演技してるのかと思った。
気になってしまうところを多く書いてしまったが、なかなか見応えはあって星4つにしました。
難しかったけど、面白かった
配送サービスには適切な費用がかかるんです
豪華すぎる!物流、闇すぎる!
ユニバースはノイズ
期待しすぎない方が良い
大ヒットしていたのでアンナチュラルとMIU404を制覇して鑑賞しました。
公開されて日が経つのに映画館はほぼ満席でした。
○mazonのようなネット商品販売会社と○マト運輸のような物流会社、そして顧客(荷物を待つ人)を取り巻く様子を描いた作品。想像よりも風刺的でした。
犯人や動機というのはあまり重要ではなく荷物が届くまでに携わっている者たちの苦悩、プライド、そして上層部からの圧力…全く分からない世界ではありますが見ているだけで息苦しかったです。
(ちなみに、物流会社で働いていたことのある友人は「結構リアル」と言ってました。)
アンナチュラルとMIU404両作品の出演は思ったより多くなく、作品を観ていなくても楽しめると思います。でもMIUのサントラが流れてきて機捜の2人が出てきたところはテンション上がりました。あと、満島ひかりさんの演技は相変わらず素晴らしかったです。
全体を通して緩急が大きい作品ではないのでハラハラドキドキには欠けますが、鑑賞した後じわじわと効いてくるような作品です。
サブスクで公開されたらまた観たいと思います。
今までのシリーズ見てなくても楽しめます
前2作を観ていなくても話が進む度に出てくる人物全員を疑疑いたくなったりと、ハラハラドキドキ感が増していって次が気になって最後まで映像に釘付けにされるので140分を長いと感じません。
キャストが全員役柄にハマっていたのも楽しめた要因の一つだと思います。
私はシリーズものは最初から全部観たい派で、今回は前2作は観ていなかったので本作品を観るのに初めは乗り気ではありませんでした。
本当に楽しめるのかな?と疑心暗鬼なところがありましたが、家族の薦めもあり鑑賞した今は、もっと早く観に来れば良かったなと。
世界観とか気にせずこの作品だけで十分楽しめます。
今は前作に興味が沸いてきたので、逆順ですが前作を観たいと思わせる作品でもあります。
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