劇場公開日 2024年8月23日

「宇野祥平が主人公なら100点だ」ラストマイル ipxqiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 宇野祥平が主人公なら100点だ

2025年10月12日
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Amazonプライムビデオで一足遅く拝見。
↑これ自体すごい批評性あるようで、Amazonらしい感情ゼロの仕草でもある。。

途中まではふんふんまあよく出来てるけどそこまでかネェ、とか高みの見物決めてたら、まんまと祥平ちゃんの見せ場で涙腺が破裂…
申し遅れました、わたくし、ああいうのにたいへん弱い者です。
火野&宇野のWしょうへい親子、会話のテンポが早いのがまず尊い。

あとは、あの「アンナチュラル」中堂系にガッツを褒められるとある行為、それに二村紗和がちゃんと演技で応えてるってこと。前から好きなのでコレハジマンデス。
ザ・女優的な水際立った雰囲気を持っていて、かつああいう生々しい感情を出せるのって将来有望すぎるでしょ。

全体として面白いし、テンポもいいし、呎の割には飽きなかったし、とにかくセリフがうまいし、現代の日本の状況を使ってきっちり世の中に問題提起してくるなど、隙のない作り……のはず。
だがしかし、長編映画としてはなーんか掘りが弱いというか、問題を問題として提示した上でフィクションならではの飛躍、みたいのがなんか物足りない感じだった。
たぶんTVスペシャルなら120点でおつりが来たと思うんだけど、その規模の予算じゃこの仕上がりにはなってないだろうし…

この座組で絶対に一定の成功を収めねばならぬミッションを課せられ、あれこれ詰め込みすぎた結果、逆に断片化してしまったのだろうか?
こういう群像劇のエンタメ作品って一定のジャンルものとしてよくあるし、実際TVの野木亜紀子ドラマではそのへん頭ひとつ抜ける鮮やかさ見せつけてきたはず。
でも、なぜか映画とTVドラマではなぜか同じ手が通用しなくなる。似てるけど別物。これが本当に不思議。
なお両方をうまいことやった「パトレイバー」というアニメ作品がありまして(ただしTVは30分枠)、その劇場版1作目っぽさも感じたりした。そしてあっちは見事に映画らしさを成立させることに成功していたのですが…

でも意味ありげに爆発物(?)をチラつかせる→結局何もないーー
などというセコい手を使わず、毎回爽快に爆発させてたのは非常に好感が持てた。
いちいちそんなことで観客にストレスを与えるのは本当に良くない。期待を煽ったら即応える。湿度0%のこの清々しさ。映像界隈のみんなたち、今後はこれベースで頼む!

ipxqi
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