「良い映画は何かが残る」ラストマイル あさんの映画レビュー(感想・評価)
良い映画は何かが残る
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塚原監督×野木先生脚本ということで面白いのは確実だけど、アンナチュラルとMIU404も絡んでくるとなるとちょっと商業的すぎる気がしてなかなか手が伸びなかった今作。
結果、エンタメだけで終わらせず、観た人にしっかりと問いを残す素晴らしい作品だった!
ドラマキャストの絡み方も自然で、さすがとしか言いようがない。
ただ、やっぱり絡んでくる組織が多い分、物語の核となる部分の理解が追いつかなかった。
(山崎佑はまだ生きているのに、まりかはどうして事件から5年も経ったタイミングで捨て身の復讐に挑んだのか?等)
あとは短尺で印象的なシーンを入れなくてはいけなかったのか、子どもが危険に晒されるシーンが多すぎた。(赤ちゃんのそばで荷物を開けようとするお父さん、爆発で吹っ飛ぶベビーカー、ベランダから今にも落ちそうな女の子などなど)
死者はまりかのみでどの子も無事というフォローはあったものの、繰り返される匂わせに心が疲弊。もっと色んな属性の人々も描けるのにと思ってしまった。
とはいえ、エンタメとしても素晴らしいクオリティーで、これだけ作り手の怒りや魂が感じられる作品は稀有。
物の"価値"が軽くなっている現代に、物を欲すること、有することについて、今一度向き合いたいと思った。
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