劇場公開日 2024年8月23日

「エッセンシャルワーカー急募!」ラストマイル かなり悪いオヤジさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 エッセンシャルワーカー急募!

2025年7月28日
Androidアプリから投稿

国民の生活インフラを支えるお仕事が、少子化のおりいまや大変な人手不足に陥っているらしい。キシバ内閣売国奴政府の動きを見ていると、これらエッセンシャルワーカーの待遇を抜本的に見直すというよりは、グローバリストたちが買いやすくするために、慢性的人手不足状態にしてわざと弱体化させているような気さえするのだ。

これってAmazonのことじゃねと思わせる“デリファス”なる外資系通販会社の物流センターが舞台。完全オートメーション化された職場では、まるでベルトコンベヤーで運ばれていく荷物のように、リプレーサブル(代替可能)な“物”として、大量のアルバイトが各部署にオートマチックに仕分けされていく。そんな外資企業の非人間的な扱いに異を唱えたお話なのである。

法人税もろくに払わないアメリカ発デジタルサービス業の甘い汁をたっぷりと吸い込んだ自堕落な日本人を人質に、法人税踏み倒しはもちろん、下請け運送会社運賃の買い叩き、過剰なノルマ目標達成を押し付けられたデリジェントな日本人はもはや窒息寸前。この上、親の介護に子供の教育費、トランプ関税にインフレとくれば、本作で描かれているエッセンシャルワーカーの皆さんの不満がいつ“爆発”してもおかしくないのである。

連続爆発事件を捜査する警察、ならびにご遺体の解剖医チームを、TBS系列ドラマからそっくりそのままもってきた演出が話題になった本作だが、もしかしたら、人手不足に悩む業界事情をおもんばかった演出だったのかもしれない。しかしグローバリストの目には、まだまだ日本には他人のことを思いやれる余裕があるようにうつるだろう。そして最終的には、アメリカ国内と同じく大量移民をこういった業界にぶちこんで人件費を極限まで下げてくるに違いない。それがグローバリズムのやり方なのだ。

なぜこういった国家のインフラを支える仕事を外国人労働者の手に渡してはならないのだろうか。本作のようなテロ事件が起きた時、故火野正平演じる宅配おじいさんが劇中語った「俺たちがこの国の物流を支えているんだ」という現場で働く人たちの自負が最終的に物を言うからである。商品が最終的な配送拠点から顧客の元へ届けられるまでの最後の区間を“ラストマイル”と呼ぶらしいが、文字通り国家の生死をわける最終防衛線ともいえるのだろう。

コメントする
かなり悪いオヤジ
PR U-NEXTで本編を観る