「舞台はデカいが内容は?」ラストマイル うまぶちさんの映画レビュー(感想・評価)
舞台はデカいが内容は?
エンタメとしてよくできているとは思うのだが、残念ながら自分にはハマらなかった。
満島ひかりのノリの軽さは、そのままこの作品のサスペンスとしてのノリの軽さと直結していて、世界観を共有しているらしいテレビドラマのファンは堪らないんだろう。
岡田将生は好きな俳優さんだけど「年上女性に翻弄される年下男子」はもういいかな。
所々差し込まれる、恐らくドラマファンに向けたサービスカットや豪華なゲストもサスペンスとしてはマイナスで。
Amazon倉庫で働いた経験があるので、どう再現されているか期待していたのだが、思ったよりは解像度が低い。
結局のところ、ほとんどのシーンは巨大倉庫の所長とマネージャーというたった二人で成り立っており、ディーンや中村倫也も含めて全て上級社員。
1000人はいるはずの他の従業員は本当にただの駒でエキストラでしかない。
それはある意味、現実的でもあるのだが、もうちょっと末端からの視点が欲しかった。
その役割は配送ドライバーが担ってはいるが。
まあ、これはフィクションなので一般的には舞台装置としての演出は十分なのだろう。
運送会社が一致団結する流れもいかにも『日曜劇場』って感じで、やっぱりテレビドラマの延長線上の作品だなと感じる。
サスペンス映画として纏めるなら巨大倉庫を広く使った密室サスペンスの方が観たかったな。
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