「確かに面白かったけど、犯人それで良いの?」ラストマイル Aoさんの映画レビュー(感想・評価)
確かに面白かったけど、犯人それで良いの?
観てる最中も観終わったあともずっと面白かったよ。アンナチュラルもMIUも好きだからそのメンバーが出てきてくれたのもよかったし。満島ひかりと岡田将生と阿部サダヲと火野正平と宇野祥平みんなよかったよ。今の時代に観るべき作品だとは思う。だけどなんかモヤモヤが残る。
この映画の犯人のことである。
要はこの無差別テロ事件を起こした黒幕だ。
はっきり言ってここの描き方は名探偵コナンか?ってくらいベタベタ。恋人が過労で自殺未遂(実際は死にたかったというより物流を止めたかっただけみたいだけど)して植物人間になり、その復讐…はあまりにもさ。
単純な復讐ではなくて大きなシステムを止める為のことだったらしいけど。元々聡明な雰囲気がある女性に見えるのに、やっていることは結局無差別に人を傷つけている、あまりにも惨たらしい無差別テロだ。関係ない人たちを巻き込まないでくれ。
それとも、消費者側にも罪があると考えたのか。
あのシングルマザーとその子供たちになんの罪があると?
あれはショウヘイ親子が阻止したから良かったことになってるけどさ…一歩間違えたら大惨事だった。その「大惨事」まではいかないのが商業映画ぽい。
そもそも、恋人にそこまでするのかというのが正直な感想だ。親子とかならまだわかる。しかも植物人間でまだ仮にも生きている彼を置いて自死するのもなんか腑に落ちない。
犯人はもっと普通のサイコパスにすることはできなかったのかな。それはそれでありきたりだが。なんかよくあるサスペンスとか推理ものの犯人像で残念…
あと労働環境に関する訴えは勿論、テロはテロでもっと糾弾してほしかった。アンナチュラルのミコトなら、ばっさり「犯人の動機なんてどうでもいい」って言ってくれそうだったけど。