「豪華すぎる役者陣が難点」ラストマイル prishouさんの映画レビュー(感想・評価)
豪華すぎる役者陣が難点
現代的な課題である、過剰な物流競争による歪みをテーマに、パニックとサスペンスで表現した作品。今しか作れない映画ですね。
まず、冒頭、急遽着任したセンター長、満島ひかりの能天気な言動が、「明」の満島ひかりらしさ満開で、心地よい。
満島ひかりがチームマネージャー(岡田将生)から追及を受け、過去を語りながら、いつの間にか警察を呼ぶ事態に至る流れは、緊張感の連続で、最高の盛り上がりでした。
そして、爆弾事件の解決だけでなく、物流問題に一石を投じるラストとか、洗濯機の伏線回収のくだりには、しびれます。さすがの脚本です。
マイナスポイントとしては、元も子もないのですけど、シェアード・ユニバースとしての「アンナチュラル」「MIU404」しばりが、邪魔に感じてしまいました。本来、ストーリー上は目立つ必要がない、警察の捜索や死体解剖の場面に、濃い役柄の方々に次々に登場されると、緊迫したドラマの流れに水を差されるような気がしまして。
社会的なテーマ、張り巡らされた伏線と回収、二転三転するストーリー展開、パワフルでありながら人間味のある主人公など、魅力的な要素が満載な中、役者陣があまりにも豪華すぎるところが(贅沢な)難点でした。
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