「ハマる人はハマると思いますが……。」ラストマイル ほぷさんの映画レビュー(感想・評価)
ハマる人はハマると思いますが……。
MIU404は全話視聴済み、アンナチュラルは5話くらいまで視聴済みです。MIU404は無駄の無いシナリオ構成に感動し特に好きな作品。
そのうえであの二人が出てくるということで期待に胸を膨らませて観に行きました。
勿論世界線が同じなだけであるとは知っていたし二作品を履修されておられない方も楽しめるという評判から、本作品単体としても楽しみにしてました。
それがあっての感想なのですが、最初の事件なんかはこれから起こることが色々想像膨らんでワクワクしました。ですが、話が進むに連れてそのワクワクがどんどん萎んでいきました。つまらなかった訳ではないし起承転結の転も何回か仕掛けてあるのは分かりました。しかし、物語としての盛り上がりにこちらの心が付いていけなかった。あまり場所が変わらず、大部分が倉庫を映しての展開だからかな、とも後から考えたのですが、まず主人公に対する違和感。
この主人公がどういうスタンスなのか全く分からず感情移入出来なかった。最初はお客様の安全のために止めなきゃ!と説得したと思ったら、荷物は止めちゃ駄目、会社の利益的に駄目とか言い出し会社至上主義なのかと思えば、やっぱり止めよう!ってスタンスにいつの間にか変わっていて、彼女が何をどう思いそういう考えに変わっていったのかが私には分かりづらく感じました。
彼女が怪しいという展開になった時は「おっ」となりましたが、結局それも別に犯人だったという訳ではなく。でも私は彼女のスタンスが全く分からず、感情移入出来ないまま彼女が動き回るので最後らへんまでずっと彼女を怪しんでました。
また、犯人側や犯人の動機。犯人に関しては終盤まで疑惑に至るような登場シーンも無いので、ひょいっと突然出てきて「こいつが犯人です」と言い渡された感じで、犯人は誰だ誰だ?と色々考えながら見ていた私は肩透かしを食らってしまいました。
後から「こいつです」ってそれまで全然出てない人物が犯人として出される展開が私と同じく苦手とかモヤモヤするって人にはあまりハマらないかもしれません。
犯人と動機となる人物のやり取りなどの掘り下げも無いため、悲劇のうえに起きた事件として認識は出来るものの、感情はそういう風に動かなかったです。
そして、個人的に一番この作品観て感じて、レビューに書きたかったことなのですが、MIU404などはテーマなど分かりやすく心情に訴えかけてもくれたのと比べ、本作品は分かりづらく感じました。
言葉で説明してくれるシーンはあるし、ぼんやりと「これが伝えたいのだろうな」というのは分かりますが、肝心の暗号のようなものが意味する答えが観ている側に開示されずに、登場人物達だけが「そういうことだったのか」という反応をし、そして泣いている。ここが一番登場人物と観ている私とで見ているものを共有できなくなった場面でした。この暗号については推測は出来るものの、明確な答えを出してくれないので最後までモヤモヤがつきまといます。
私はMIU404も一話一話観終わった後更に内容の深みを実感し浸る為に解説や感想を漁ってました。そしてその作り込みに感動しました。
今作もテーマに向き合って描かれたのだとは思いますし、随所随所に伝えたいことを織り混ぜられていた印象は受けます。しかし今回は「浸る為に解説や感想を見る」ではなく、「分からなかったから解説や感想を見る」形になったのが個人的に、ハマる人はハマるとは思うけど……という感想に繋がった感じです。分かりやすい映画を好む方がハマるかは微妙なラインかもしれません。物語は全てを開示しなくともある程度きっちり答えを提示してから終わってほしいというスタンスで観ている私はそのへんが今作と噛み合わなかったためにあまりハマれませんでした。
しかし、考察が好きな方、物語を何度も観たりしてスルメみたいにじっくり味わいたい方はハマると思います。
その点で、向き不向きは少しあるかもしれないなと感じました。
作り自体は雑ではないし丁寧にされてはいると思う。ただ、感情移入したいとか、スッキリ物語の中であらかたの答えは知りたいといった部分は満たされなかった。映画や物語などに触れる時にその部分を重視される方がハマるかは分からないと思いました。
MIU404やアンナチュラルの皆、ちょっとだけの登場ではありましたが、特に完走済みということもあり、伊吹と志摩が今もちゃんと小突き合いながらもバディ組んで活動してる姿は安堵と共に嬉しさがありました。彼らはこれからも活躍してくんだろうなあ、彼らの物語はまだ終わらないんだなと思えました。陣馬さんー!って心の中で呼んで喜んだりもしてたので、MIU404やアンナチュラルの登場人物ファンには嬉しい。
コメントありがとうございます。
やっぱり期待値上げ過ぎてしまうとギャップでモヤつきがちですよね…。
解説や考察の動画など色々漁りましたが、見れば見るほど隠し要素が沢山あったことが判明し、ドラマもそうでしたが演出に意味を潜り込ませている部分は相当凝ってるなーって思いました。
しかし今回は、映画だからこそ何度も観に行く人が出るようにって隠し要素をあまりにも多く潜り込ませ過ぎたのかなとも感じました……それゆえに、こちらは不可解な部分が多いなーという印象のまま終わってしまった。
戦略としては素晴らしいと思うのですが、考察しがいがある作品というのは「考察する余地は沢山あるが、それは同時に、公式から答えが出されない限り推測の域を出ない要素が沢山あるということ」になるので、どれだけ考えても「それが正解なのかもしれない」と「かもしれない」が積み上がることになり答え合わせが出来ないので、作中で答え合わせまでしっかりしたい人にはモヤつきが残るので、本当にそのへんは好き嫌いが分かれるなあと思いました。
はじめまして!
僕も期待し過ぎたのか?ハマらなかった人です🥹(と言うかモヤモヤしてスッキリ出来なかった感じですかね?)
ほぷさんの感想がそのまま僕の感想に当てはまり(唯一違うのはコラボってるドラマは観てませんw)激しく同意してしまったのでコメント残させていただきました🙇♂️
岡田くん満島さんの演技が抜群でしたので、何かもったいなくもあり惜しいなーって思ってしまいました。