劇場公開日 2024年8月23日

「お客様の欲望のために私たちは商品を届け続ける」ラストマイル 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0お客様の欲望のために私たちは商品を届け続ける

2024年9月12日
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鑑賞方法:映画館

お客様ファーストですべての商売が進む、現代日本。夜中に頼んだ本や日用品が、半日も経たずに送料無料で届く。便利だよなあ。安いよなあ。こんな行き届いたサービスが成立するのは日本くらいだよ。だけど、裏を返せばその便利さの代りに犠牲になっている、人、もの、時間、金、がある。僕は、この映画のハラハラドキドキ展開にワクワクする気分よりも、そっちの、犠牲になっている方へついつい感情が引っ張られてしまう。満島ひかりや岡田将生の危難をかいくぐる爽快感もいいんだけど、阿部サダヲや火野正平や宇野祥平たちの抜け出せない徒労感の方に、シンパシーを感じて止まない。
だから、あれで終わった、よかったね、って僕の中ではならない。このままずっとこんな社会でいいのか日本、って気分のまま。それじゃ映画見てもつまんないでしょ?って言われたとしても。だって日本は、”人が飛び降りてもベルトコンベアが数秒間止まっただけの現実”はこの先もかわらないんだろうな、って思うから。

栗太郎
トミーさんのコメント
2024年9月13日

エンタメなのでテーマはそんなに大きくないんですよ、と言われても普通の人々に刺さる部分はソコですよねー。

トミー