「1回目と2回目の印象がこんなに違う映画はあまりないです。」ラストマイル ななふしぎさんの映画レビュー(感想・評価)
1回目と2回目の印象がこんなに違う映画はあまりないです。
1回目の鑑賞の時にはストーリーを追いかけることと、主題歌に号泣することしかできませんでした。
私は塚原あゆ子監督の「MIU404」と「私の幸せな結婚」がとても好きです。スピード感のあるアクションと私の好きな俳優さんを私の好きな画像で撮って下さっているところがとても好きです。
1回目と2回目を観る間に少し時間があって、なぜ私は伊吹が好きなのか考える時間がありました。
少し前の私の周りには自分の感覚、能力を信じて動く事が出来る人がいて、それをOKと言える社会が有りました。それを伊吹の中に見るからでした。
ラストマイルの話に戻ります。
しかし、そもそもエレナと孔は大手ショッピングサイトの社員で、事件を解決出来るような刑事でも専門家でも無いのに、犯人特定事件解決の方にストーリーは流れていく。1回目見てる途中から「何で?」が頭をもたげてくる。それは観進めていくとわかるのですが…
なにはともあれ、もう一回観なくては!
2回目見たら、端々に監督の想いや言葉が溢れていて、ずっと泣きっぱなしで見てました。
みんな辛すぎるよ。大変じゃない人ひとりもいない。
やる気と、責任感を搾取させながら小さな報酬を手にする。そこにはやりがいは無いけれど、確実に正確に誰かがやらなければならない仕事が有る。
今は、社会自体が大きな船の様になって、コース変更するのも、大きな舵とたくさんの時間とたくさんの労力が必要で、自分ひとりが気づいたところでどうすることもできない無力感に押しつぶされてしまう。
でもね。一番大切な言葉はミコトさんが言ってくれた。
監督、ラストでエレナが孔に言った言葉は私に言ってる気がしました。
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