「情報過多なのか」ラストマイル N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
情報過多なのか
脚本家目当てで行くのは、君塚さん以来ではなかろうか。
アンナチュラルは未見。
以前、医療系の倉庫でピッキングのバイトをした経験あり。
そう、正月だろうと台風だろうと止められませんよ、絶対に。
大型倉庫が舞台という着想、観客を翻弄する展開と伏線回収の小気味よさは期待通り。
サスペンスではあるが、流通というインフラ業界で働く人々に迫る群像劇でもあった。
欲望と満たすまでの早さは昨今、確かにクレイジーだ。それでも淡々とモノが届き続けるだけに日常化しており、あいだがどうなっているのかなど興味もなければ、蛇口をひねると水が出て当然さながら知る人は少ないのではなかろうか。
状況へ警鐘を鳴らす側面もありで、なかなか成功しづらい「エンタメながらも社会へ問う」仕上がりにまとまった成功例と観た。
あくなき欲望にも安息日を、だ。
ただ自身には、全体にただようアニメっぽさが気になった。
テンポがいい分、ド直球の連続というか。
そこをヨシと取るか、物足りなく感じるかが評価の分かれ目のように感じている。
男女を意識させない満島さん演じる主人公の痛快さがパーフェクト。
さりげなくアイコン化していた衣装もいい。
そう思うといくつかのドラマとも絡んでいたりする本作、
詰め込まれた情報の見本市よろしく、
眺めて感心してフーンとブースを後にしてしまう
情報過多が惜しい作品だったのかもしれない。
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