「がらくた」ラストマイル ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
がらくた
「MIU404」は放送当時に見ていて、「アンナチュラル」は今作公開に合わせて見ました。
どちらも1話1話のクオリティが高く、普段ドラマを見ない自分でも飽きる事なく堪能できました。
映画単体でもしっかりと楽しめ、考えさせられる作りになっていたのも練られて作っているわ〜と感心の嵐でした。
配送された荷物が爆発するというBLACK FRIDAY大激震な事件の裏に隠された悲しい真実とは…といった作品で、物流という生活に欠かせないものにフォーカスを当てた映画ってあんまり観たことないなという点も含め興味深い作品でした。
少しでも油断したらどこかしらの爆弾が爆発してしまうという緊迫感を持たせていたからこそ物語にスリリングさが加味されており、日常に突如波乱が巻き起こるという恐ろしさも込みで観ているこちらもハラハラしていました。
ピッキング業務や配送業務をやった事があるので、あの作業ひとつひとつがトラブルで止まったりなんかしたら…顔が青ざめてしまいそうなものがたくさん作品内に盛り込まれていました。
上から下へと責任を押し付けていってる様子も生々しく、その中間にいる人たちは上からも下からも文句を言われるという板挟みにあってるもんですから辛いですし、それに似た体験をした事があるので胸がキューっとなりました。
売り出し方が抜群にうまかったせいか、「MIU404」と「アンナチュラル」は完全にゲストな扱いだったのかーと豪華でもあり、ちょっと物足りなくもあり。
ただドラマ未視聴でも全然いける作りになっていたのはとてもよかったと思いましたし、それでいてドラマを見たくなる作りになっていましたし、ドラマを見ている人からしたらナイスなファンサービスになっているというのもお見事だなと思いました。
物流をなんとかして止めるために一端の社員が自ら飛び降りて一瞬はベルトコンベアを止めたのに、無情にもすぐに動き出すベルトコンベアにはとんでもない絶望を味合わさせられました。
体を地面にポトっと置かれ、流血の処置もされないままという惨さもエグいとお口あんぐりでした。
終盤にかけての結束感は素晴らしく、それでいて高みの見物をしてる奴らへの見事なカウンターパンチを食らわせたところは少しとはいえ心のモヤが取れた気がしました。
中間にいる八木さんの心労は計り知れませんでしたし、無茶無謀なオーダーをなんとかしてこなした姿はプロフェッショナルそのものでした。
序盤になんて事なく発されたセリフが最後の最後に活きてくるのかという見事な伏線回収にはしてやられました。耐久性って本当大事。
ただラストの方は詰め込みすぎな気こそしましたし、ロッカーの中の0の意味とはと考えてもイマイチピンと来ずでした。
BLACK FRIDAYというお祭りの裏はこんなにも大変、多くの人の努力があるからこそ成り立つものなんだなと再認識させられました。
配送に携わる皆々様に感謝を。そして置き配システムに感謝を(日の明るい時間帯に中々いれなくて申し訳ないので)。
鑑賞日 9/3
鑑賞時間 10:30〜12:55
座席 N-18