「期待度△鑑賞後の満足度◎ エンタメの形を借りて私達の生活を支える物流業界とその問題、本当の犯人は少しでも早く安くという人間(勿論、私も含めて)の果てしない欲望であることを突き付けてくる。」ラストマイル もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
期待度△鑑賞後の満足度◎ エンタメの形を借りて私達の生活を支える物流業界とその問題、本当の犯人は少しでも早く安くという人間(勿論、私も含めて)の果てしない欲望であることを突き付けてくる。
※2024.09.01. 2回目の鑑賞(「TOHOシネマズ橿原」) 何故か気に入ってしまって連日で鑑賞。
①今回特に感心したのは脚本の巧みさ。冒頭十数分の間に殆どの伏線と手掛かりを散りばめている。
②あと、プロデューサーも女性でしたね。
③同じ仕事でメンタルになった経験のある女性を主人公にしたのも感心する。
女性ならではの視点ですかな。
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①少し日本映画界を見直した。
②二つのTVシリーズは観たことがないので、エライ豪華な出演陣と思ったらそういうことね。
③監督も女性、脚本も女性、主演も女性、犯人も女性、ラスボスも女性。
これからの日本はもっと女性のパワーを生かしていかないとね。
④バリバリ仕事する女性を描く一方、生活と子育てに苦闘するシンクルマザーを描いているのも女性ならではの視点とも言えるが、やや類型的なのとラストの一押しの為に付け加えた様な感じで少し惜しい。
⑤満島かおりは熱演はもとよりこの大作を一人でしょっている。頼もしい女優に成長したものだ。『愛のむきだし』や『悪人』の頃も好きだけど。(思い返してみたら、満島かおりと岡田将生は『悪人』で共演してるんだよね。今回は立ち位置が逆転していて何か面白い。)
出演陣の中では孫請の運送業者をやっている火野正平と宇野祥平のショウヘイコンビが良い味。
⑥『ラストマイル』の意味がわかったところは少し涙が出た。
いくら良くできた製品を作ったところでお客さん(消費者)のところに届かなければ意味がないのだ。
⑦ほぼ破綻なく大作を纏めあげた監督の胆力はなかなかのものだが、もともとTV出身の人だからか、演出やカメラワークに特にこの監督ならではという味がないのが残念。
芸術作品ではないから仕方ないか。