「背景の演出は巧みだが、主軸が弱い印象」ラストマイル みる子さんの映画レビュー(感想・評価)
背景の演出は巧みだが、主軸が弱い印象
アンナチュラルもMIUも大好きなので、期待して観ました。
テンポのよい脚本と演出、社会問題を痛烈に描きながら、決して過度に暗くしない、暴力を前面に出さない。仕事仲間の友情をベースに爽やかなユーモアでまとめる手法に感服しています。今回もその長所はそのまま、満足できる仕上がりでした。
難を言えば主役の2人。2時間ちょっとの映画だから、テレビドラマ3話ぐらいにしかならない。ちょっとキャラがわかりにくい。ドラマだったら、ミスリードされたり、何週もかけて、じわじわとわかってくる楽しさがあるのですが。映画向きには作られていなかった気がします。
満島ひかりも岡田将生もメインキャラなら、2人を解読するサブキャラが要るのではないでしょうか。
満島ひかりは木村拓哉との共演作品もそうでしたが、初対面からはしゃいだり、妙に不思議ちゃんを演じるのが好きみたいですね。もう若くないし、普通のキャリア女性の演技のほうがいいな。
岡田将生、朝ドラでも内向的な役柄で少し飽きました。こちらは癖のある悪魔的な、美しい顔を活かした役柄がまだまだ似合うのになと思ってしまいました。
アンナチュラルとMIUはもう少し絡むかと思っていたら、顔見せ程度。
主役の二人と事件の鍵を握る人たちにもう少し重力と影が欲しかったです。
阿部サダヲと宅配親子が尺を取りすぎた感が。物流問題、深刻ですが。
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