「ぜひ観てほしい」ラストマイル ぱんださんの映画レビュー(感想・評価)
ぜひ観てほしい
脚本、監督ともに絶対ハズレないと思ってましたが、案の定面白かったです。
情報量がそれなりに多いので、少し油断するとスピード感に置いていかれる感じがありました。
エレナの、1番知りたかったことはロッカーの中に書いてあった、というセリフの意味がわからず、上映後もつらつらと考えていたのですが
あの1番知りたかったことというのは犯人の動機かな、と思いました。
犯人は誰かということは割と中盤にはわかってきますが、結末が結末なので彼女の口から動機や信念が直接語られることはなく。
彼女はアメリカでエレナに会った時、「彼が自殺を測ったのが私のせいではなく会社のせいだったら?」と言っていたことから、単純に会社への復讐かな、と思ったのですが
もし彼女が4年ほど働いていたというあの場所であのロッカーを見つけていたとしたら(なにか手掛かりがないかと、こっそり正社員スペース?に立ち入ることくらいするだろうなと)
彼のやりたかったことが、ベルトコンベアを止めることで、彼が命を賭しても出来なかったことを、自分がかわりにやろうと決意したのではないかと思いました。
テロではなく、ベルトコンベアを止めることが目的だったから、SNSに投稿を残したり、犯行予告のメールを送ったりしたのかな、と。
警察の会議の場面で、死者1名とも言っていたと思うんです(記憶がちょっと曖昧ですが)
テロが目的ではないので、自分が受け取る以外の爆弾の威力は調整してあったのではないでしょうか(それでも普通に危ないですが)
逆に羊運送で配達員の息子さんの直近で爆弾が爆ぜたのに、怪我があの程度で済んだのはすごく違和感があったんですよね。ずいぶん威力弱くないか?と思って
人を害したいわけじゃなかった、でも死者が出なければきっとベルトコンベアが止まることはない、それなら自分が命をかけるしかない、と考えて犯行に及んだなら、あの爆弾の威力にも納得できます。
その彼女の意志を理解した上で、八木の元に話をつけに行ったからこそ、あれだけ止めないことに心血を注いでいたエレナに「やめよう」という発想が生まれたのではないかと。
2人が命を賭けてやっと止まったベルトコンベアですが、またすぐに動いてましたね。
最後までなにか警鐘を鳴らされているような気がしました。