「企業に都合よく解釈された「顧客第一」は社会を歪ませる(追記あり)」ラストマイル すみれ7878さんの映画レビュー(感想・評価)
企業に都合よく解釈された「顧客第一」は社会を歪ませる(追記あり)
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期待に違わず面白かったです。
野木亜希子版アベンジャーズみたいなこの映画、大きくは社会悪を扱っているんでしょう。「顧客第一」の名のもと、利潤を上げ、株価を上げることに血道を上げる企業。人を低賃金で働かせ駒のように扱う。労働者は搾取され、管理職は精神を病み、経営層は権力闘争に明け暮れる。そういう中で起きた悲劇と、それに対する復讐。
最初から最後まで緊張して見ることができました。野木さん脚本の新作ドラマもいつかまた見たい。期待しております。・・・と思っていたら次の日曜劇場は野木さん脚本のドラマだそうな。とても楽しみです。
★裏テーマ--社会に爆弾は埋め込まれてしまっている--追記
この映画では犯人の女性は最悪の選択、自死を含む無差別テロをやってしまいました。多分それは復讐としてはあまりに不条理であり合理的ではありません。爆弾を提供した従犯の男も「死刑になっても構わない」とうそぶきます。これも無茶苦茶だ。
このような心の底に暗い絶望?を抱えた、自分や他人の人生がどうなろうと構わない、何を考えているか理解できない無茶苦茶なことをやる人間。そういう人間を生み出してしまっているのも我々の社会。いわば取り除けない爆弾が存在しているという気持ちの悪さ。これもまたこの映画のテーマだったのかなと思いました。
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トミーさんのコメント
2024年8月25日
共感ありがとうございます。
意外とスカッとしなかったのは良いのか、悪いのか? 序盤のブラックフライデーの準備の様子とか爆発現場とか不穏さたっぷりだったので、良かったんでしょうね。