「東(あずま)の性格が始めから終わりまでガチクズ。胸糞。」トラペジウム kkrさんの映画レビュー(感想・評価)
東(あずま)の性格が始めから終わりまでガチクズ。胸糞。
ここまでひどい映画を久しぶりに見た。ただ面白くないのではなく、反吐が出る。はっきり言って駄作である。
この映画の唯一良かったのはOPのツカミだけ。OPで程よく上げられたボルテージが乱高下するまで、それほど時間は要さなかった。中盤にもなれば、いつこの映画が終わるのかずっと不愉快になりながら観ていた。
簡単に言うと、東(あずま)という主人公の女が、自分がアイドルをやりたいという独りよがりかつ身勝手な理由で、周りの人を散々ぱら巻き込んで不幸にしていく。びっくりするぐらいに、ただただそれだけの話である。
東西南北というアイドルグループを結成したい東は、西と南と北にあたる女の子を探して回る。女の子たちと友だちになって、一緒に遊んだりして親睦を深めるわけだが、それはあくまで自分がアイドルになるというただそれだけの為。それが満たされないならお前らに用はないというタイプのガチクズ東。
女の子たちと一緒にボランティア活動に参加するが、4人が一緒に行動できない事を当日に知り、だったら意味がないじゃんと不機嫌になりキレる。東は本当はボランティアなんかやりたいわけではなく、4人で親睦を深めてアイドルデビューに近づけるためと、ボランティア中にテレビに映ることで、活動開始後ファンにサーチされた際に、実は過去にボランティア経験有りということで好感度を上げるためという邪な理由。くっだらねぇ。そして、用が済んだらボランティア活動もポイ。ボランティアで知り合ったおじいちゃんたちを平気でポイ。取材を受けたときも、東は4人の関係を思わず「ボランティア仲間」と言ってしまうレベルで、友達ではなくただの踏み台にしか思っていない。
西ちゃんを探してるときに偶然知り合ったシンジというカメラ好き君も、あくまで自分達の写真を撮ってもらい、アイドル活動開始に繋げるための関係。アイドル活動に漕ぎ着けたら、つまりもう君に用はないと告げポイ。
東のイケイケドンドンでみんな無理やりアイドル活動に連れ込まれるわけだが、これに纏わるぶっ飛んだストーリーもよくわからん。ボランティア活動が取材される→東西南北という関係なことがAD?にウケる→テレビのコーナーのレギュラーになる→なぜかアイドルデビューさせ、その軌跡を追うというコーナーに転換する→なんかよくわからんけど東の望んだ流れになってる。なんだこの都合の良すぎるストーリー。下手くそか。
東の育ちの悪さ・性格の悪さは、前述の通り嫌と言うほど抜きん出ていてる。不機嫌になると平気で大きい舌打ちをする、食べ物を躊躇なく捨てる。
アイドル活動中も、北ちゃんが実は彼氏がいたということでプチ炎上しちゃうと、東は豹変。「彼氏がいるとわかってたら友達になんかならなかった。」徹底的に利己的かつガチクズっぷり。
また、西ちゃんはアイドル活動に嫌気がさしていたが、とうとう爆発してしまう。それでも東は引き戻そうとして、さすがに2人に止められるとブチギレる。そもそも、西ちゃんはもともと人にチヤホヤされることが苦手で、そのことは東もわかって連れ込んでいていた。
そんなことだから結局3人とも脱退することになり、東もアイドル活動を辞めることになる。
終盤、ストーリー的には東西南北で再開し和解したことでハッピーエンド風に終わってるが、全然丸め込めてないし、全然ハッピーエンドじゃない。流れが無理やり型にはめたような感じで、終始不自然すぎる。
そして東は、この期に及んでアイドルを諦めていない事を打ち明け、ここで終始自分勝手でわがままガチクズクソ女は完成する。東がどこかでマトモになって、みんながデカくなるだとかその類ではなく、東は最初から最後までガチクズのままだ。ガチクズのままでも別に良いけど、その設定に評論子が納得できる展開は全く無かった。
このストーリーから何が得られるというのだろうか。どの視点に立ったら面白いと感じられるのだろうか。説明していただきたいところである。