ぼくが生きてる、ふたつの世界のレビュー・感想・評価
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ずっと自然体で優しく美しいお母さん
丁寧な作品
とても丁寧な作品でした。
両親が耳が聞こえず、健常者の息子(いわゆるコーダ)の育ち方、感じ方を順番に追う構成。
原作がエッセイなのか、実体験ベースの話らしい。
聞こえる自分(主人公)が、母に言葉を手話で「通訳」して伝えることが誇らしく嬉しい幼少時代はいいとして。
小学校の同級生からの「お前の母ちゃん変」から始まり、多動性気味で空気を読まないお調子者の同級生が手話をからかう。
近所のババアは「障害者の息子はストレスを発散するため、近所で起きたいたずらは主人公のせい」とやってないのに決めつけ「一緒に謝ってあげる」と無理矢理腕を引っ張る差別っぷり。
元ヤクザな暴力男で博徒の祖父の介護と新興宗教にハマった祖母、聾唖な両親のケアで、次第に家族の通訳や介護が「当たり前」になることが重く感じ、自分だけが不幸で搾取されている気になっていく。
忙しさに勉強が追いつかず高校受験に失敗し、大学進学はならず、パチンコカスとして生きる。
不景気による父のリストラで働かなければならなくなり、田舎でくすぶるよりいっそ東京に行けと背中を押した父の言葉に上京。
背景に描かれる流行が「あったあった」と思えるものが多く。
小学校低学年のときにファミコンってことは、私より下の世代(後でググったら、著者は1983年生まれ)だから、結構かぶっていました。
夜逃げしちゃう編集長がユースケ・サンタマリアで、うさん臭さが何人か知ってる人そっくりでよかったw
反抗期~思春期には「違う」って見られるだけでつらいのに、母の内職などからわかる「ヤングケア前提で貧乏な環境」はキツいよね、と頷きながら観る。
『コーダ あいのうた』より、メタメタに悪い環境にある子どももいることを念頭に、勝手に思い込んだ「普通」を基に差別しちゃいかん!と改めて思わせてくれました。
その環境だって、作中お父さん役の人のセリフ「どこの家にもそれぞれ悩みがあるよ、たぶんね」という一言に集約されていたように、特殊な事例ではなく、どこにでもあることのような気がします。
程度の差はありますが、たとえば「子どもは親を手伝って当たり前」みたいな、親ではなく祖父母や親戚、周辺住民の同調圧力による、子どもの心の圧迫とか、「娘は家族の料理を作って当然」みたいなクソ親だっているじゃないですか。
そんな勝手な「当たり前」「価値観」を押し付けることで子どもを傷つけ、もめて。
それは子どものせいではなく、主に周りの理解のなさの方が問題じゃないかとも。
それだけの説得力ある描写の積み重ねが、映画としてよかったです。
……ただ原作者がどんな人かは知らないし、同一視したら危険かも。
ラストは鼻の奥の方がツーンとした😢
聴覚障がいの両親の元に生まれた1人の男の半生を描いた感動作。 本年度ベスト!!
何か起こる訳ではないけど、日常の親子の会話や息子の行動や発言などに心を打たれる素晴らしい作品だった!
観賞後も本作の事を思い出すだけで理由が解らない涙が出る感じ(笑)
聴覚障がいの両親を持つ吉沢亮さん演じる大の半生を描いたストーリー。
吉沢亮さんが主役と思いきや前半は全然登場しない(笑)
と、思いきや小学生の大を演じた子役が吉沢亮さんにそっくり(笑)
ここでストーリーの流れが予測出来た感じ。
大の行動の全てが心に刺さる!
こんなに登場人物に共感出来る作品に出会った事がない!
大が成長する過程での反抗期や家を出たい気持ちとか、男性なら共感できる感じだった。
逆に女性陣の感想が聞きたくなる。
大が父親と道路を歩きながら会話する長回しのシーンも素敵だった。
手話で話しているのに、思い返せば普通に会話していた記憶になっている錯覚に陥る(笑)
圧巻だったのは吉沢亮さんの手話。
相当練習したんじゃないだろうか?
コーダと言う役を違和感無く演じる姿が素晴らしかった!
母親と子供の親子愛は障害の有無に関係無い絆で結ばれていると思わされた。
終盤の駅のホームのシーン。
いきなり無音になる演出がヤバい!
ヒクヒクと泣いてしまった自分が周囲にバレてしまった(笑)
個人的に吉沢亮さんに主演男優賞を差し上げたい作品でした( ´∀`)
コーダの苦悩
わかりあえるためには
吉沢亮君の演技が自然でよかった✨
ありがとう‼️ ←吉沢亮くんの舞台挨拶での母への言葉‼️
耳の聞こえない両親と、その息子の物語‼️コーダである息子は高校卒業後、逃げるように東京へ・・・‼️映画は息子が赤ん坊の頃から、優しい両親に見守られながら成長していく過程を、喜びも悲しみも苦しみも織り交ぜながら淡々と描いていきます‼️経年効果を出すためにフィルムの質感も微妙に変化が見られます‼️映画の後半は息子の東京での生活が描かれ、ここでも聾唖者の方々と交流する息子‼️たとえ遠く離れていても両親とのつながりが感じられます‼️母親役の忍足亜希子さんの笑顔と優しさ溢れる佇まいも印象的‼️ラスト、駅のホームで泣き崩れる吉沢亮くんの無音シーン、そしてタイトルが出るラストカットに、息子の決意のようなものが感じられ、目頭が熱くなりました‼️
「CODA あいのうた」の日本版? いやいやこれは実話なのでちょっと違います。
舞台が宮城県の小さな港町、主人公の年齢が・・・ファミコンのスーマリを小学校低学年で楽しんでいるシーンが有り、1970年代後半生まれくらいなので、ひょっとしたら辛いシーンが出てくるかな?と身構えていましたが、あの天災が起こったのが2011年なので、この映画のお話はそれ以前で終わっている・・・っていうのはネタバレ?(笑)なので、現在から20年くらい前でお話が終わっているので「近過去」のお話です。
主人公は両親がろう者のいわゆる「コーダ」で、「CODA あいのうた」の日本版という雰囲気もありますが、この作品は自身がコーダの五十嵐大氏のエッセイが原作の実話ベースなので「CODA あいのうた」のような劇的な展開はしません。しかし、その分リアルな作品だと思います。この映画の主人公もまんま五十嵐大という役名でした。
主人公を演じた吉沢亮は中2から20代半ばまで演じていますが、全然違和感がないところが彼のすごいところです。両親を演じた今井彰人と忍足亜希子は実際のろう者で、父親を演じた今井は吉沢と3歳しか違わないそうな・・・全く違和感がありませんでした。忍足亜希子は過去にもいろいろな作品に出ていますが、「黄泉がえり」で伊東美咲の母親役が印象的です。多くのろう者俳優が出演し、字幕のつくシーンもたくさんありますが、ろう者の生活を多少なりとも教えてくれます。
自分と母の物語だった
やっぱり手話にも方言があるよね。
イケメン俳優の吉沢亮が主役という事で、笑って泣ける作品を想像しながら着席。
えっ!?主人公の五十嵐大が産まれてすぐの時から始まった。父も母も障害者なんだ。すぐ大人になるんじゃないかなと思ってたら、小学生に。友達と手話の話しをしたりして、意外に思ってたら、中学生に。確かに聴こえなくて喋れない親と三者面談は嫌かもね。てか、吉沢君が中学生なんて驚き。何より驚くのは、あっという間に時間が経っちゃう所。高校受験に失敗したと思ったら、役者を諦めて東京に移住する事にした。あれ?何年経ったんだろう。東京でのバイト、爺さんの影響があったのかな。地元でやってるシーン無かったもんね。そして、就職の面接へ。あら、ユースケ・サンタマリアだ、コメディスタートかな?と思ったけど、それはなかったな。あら、主人公の五十嵐大と原作者の名前が同じなんだ!ストーリーもそれほどドタバタしないで主人公の日常を描いているだけ。て事はこの話、ドキュメンタリーなのかな。ずっと、ふたつの世界の意味が分からなかったが、最後のシーンで音が無くなって分かった。でも世界は1つだと思ったな。
吉沢君のおかげか、ずっとハラハラできて楽しかったです。
親の気持ちって……
何となく共感できるからこそ─
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