ぼくが生きてる、ふたつの世界のレビュー・感想・評価
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安心して。揺れませんよ。
10月のファーストデイ1本目はシネスイッチ銀座から。
この劇場は、フラットな前方の席だと前の人の頭が画面にかぶって見えないので、段差のある後ろの方がおすすめかも知れない(初めて行きました)。
何ヶ所かボロ泣きポイントあるので号泣注意ハンカチ必須のこの作品、ストーリーは生まれた時から耳の聞こえない夫婦からコーダとして生まれた男の子の人生をずっと追っていくのだけど、年代の切り替えがとても上手で心の中で拍手してしまった。
大ヒットした同テーマの「コーダあいのうた」の底抜けに明るい感じでも無く、周りの人々の反応というか家族に対する感情もしっかり描かれてて、日本が作るとこれぐらいの湿度になるよねー、くらいの匙加減も嘘がない感じでとても良かったです。
あと全然作品のせいじゃないんだけど、この地域でこの時代だと、どうしても東日本大震災が頭をよぎるので、いつ揺れるのだろうと気になってしまうのは3.11以降の日本人のよくない癖かも知れない…。
主演の吉沢亮さんは綺麗な顔面でこなすアイリスオーヤマのコミカルな演技が印象的過ぎていろいろ飛んでしまうのだけれど、仮面ライダーメテオから見ているこちらとしてはとても良い役者さんになられたなあ、と親の目線で見てしまうところがあり、まさに親の目線で彼の人生を追いかけているこの映画は、彼自身の人生に対して斜に構えた演技も相まって「大!しっかりなさい!」って思わず言葉が出そうになる程。
その一方でろう女優の忍足(おしだり)亜希子さんのただひたすらに夫と息子を愛する純粋な演技にはめちゃくちゃ心打たれました。旦那さんがハマの番長三浦大輔監督の実弟で俳優の三浦剛さんであるだけでなく、年齢が54歳と聞いて2度驚くなど。いやいや可愛すぎるだろマジで。
うちの父親はガチの毒親でアル中で女好きで最低だったので母親は苦労した分とても過保護である意味こちらも毒親だったけど、とても大事にはしてもらったので色々思い出してしまって母親のありがたみが身に染みる映画になってますね。あと恋愛要素が皆無なのも良い気分で映画館を出れる要因なのかなと。とにかく本作は独りで見にいくのがオススメです。
あと大切な人に電話できるなら電話したりしてみて。
それではハバナイスムービー🎞️
母は強く暖かい。両親共に耳は聞こえないが、普通にある母子の物語(そ...
耳は聞こえなくとも、母の愛と父の眼差しは同じ
とてもよかった
普通に育った男の子の人生を追った記録映画のようにも見えるが、両親は2人とも耳が聞こえずそこだけが"普通"とは違う
成長するにつれ、他との違いに悩む息子の大くんだが、思春期になれば悩みは違えどどの男の子(女の子も父親に同じ様な感情が沸くのだろうか?)もイライラしてお母さんが疎ましくなるものだ
だが、成長がある地点を越えると、疎ましく思っていた母の愛が心に染みて来る
それこそ走馬灯のように母の表情を思い返したときの大くんの感情は、大人となった今の自分にもシンクロし、そこから劇場を出るまで涙が止まらなかった
鑑賞した映画館が宮城県で、公開から間もない時期だったこともあり周りには撮影地がご近所のお客さんもちらほらと居たようでした
田舎のあるあるもありながら、全国共通な誰もが知っている心の動きを描いた良作でした
号泣
久々の呉美保監督、いつもながらカメラがいい
まさか五十嵐大って実在の人(エッセイ原作)とは!
エッセイのタイトルをそのまま使わなかったのがイイ!
スーファミのマリオが小学生なら同世代かと思ったら一回り下やった
宮城県石巻(塩釜市ロケ)
父親の存在感ってあれぐらいの感じよねぇっていう共感
お母さん(忍足亜希子)可愛い
日本アカデミー賞主演女優(助演女優)賞間違いなし
まだ2024年作品全部みてないけど。
烏丸せつこの娘っていう感じする(顔の系統合わせイイ)
編プロのキャスティングも絶妙
吉沢亮の子役達が全員吉沢亮になりそうでナイスキャスティング
『コーダ』と違う切り口で良かった
主人公の自伝
母からのたくさんの愛情に気付いたとき…
ろう者の青年の成長物語
五十嵐大の自伝「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」を映画化した作品。
宮城県の小さな港町で、耳のきこえない両親のもとでコーダとして育った五十嵐大にとって、母の通訳をすることは普通の事だった。しかし周囲から特別視されることにだんだんといら立ちを感じるようになり、20歳になった大は、罪悪感を持ちながらも親を捨てるように上京し、誰も自分の両親の事を知らない都会に来て、パチンコ屋でアルバイト生活を始め、その後編集者となり・・・という話。
赤ちゃんの時から、4人くらいの子役を経て中学生くらいの時から吉沢亮が大を演じているが、赤ちゃんの2人は演技してたか不明だけど、小学生の低学年くらいと、高学年くらいを演じた2人はなかなか上手かった。
もちろん、吉沢亮も良かったし、母親役の忍足亜希子や父親役の今井彰人など、ろう者の登場人物にはすべてろう者の俳優を起用したとのことで、真実味のある作品になってると思った。
コーダあいのうた、みたいな感動は無かったけど、ろう者に対する接し方について、彼ら彼女らの出来ることまで取って、やりすぎてはいけない、など勉強になった。
活き活きとそして温かみを感じ、沁みる作品
子どもの思いも、親の思いも
障がいのある両親を持つ子どもが大人になっていく過程が描かれているが、誰しもが通り抜けてきたであろう、子ども時代の親との衝突と、大人になってから知る親への悔悟の思いが熱く伝わる
映画を観た私が子どものときの親(特に一緒にいる時間の多かった母親)との衝突、思いきり傷つけたであろう自分が吐いた暴言を、この歳になってすっかり弱っている親を思うと、悔いても悔いきれない思いになる
「どうして私だけがこんな目にあうのか」、親ガチャじゃないけど、親や家族の病気や障がいと向き合っているヤングケアラーたちも、まさにそういった思いと闘っているのであろう
主人公が東京に出て、思うような人生を切り拓けなくても、見守っている母親
せめて声を聞きたい、話がしたい、寄り添いたい、という思いは自分が親になって共感できる気持ちである 呉監督前作の「きみはいい子」も、子どもの目線、母親の目線(先生の目線も)を暖かく描いていたが、人、特に親子の間のあたたかみは、時間距離が離れても損なわれる物ではないことを信じたくなる (9月28日 なんばパークスシネマにて鑑賞)
その世界を知ることで、見え方も違ってくる
聴こえない両親の世界と、自分を含めた周囲の人間の世界。少々身勝手な祖父母は手話を覚えてくれず、聴こえる大が、小さい頃は当たり前の事として両親の為に通訳をしていた。思春期になると、周囲の目が気になり、意思疎通の難しさにも直面して、自分だけが重荷を背負っていると感じ
てしまう。大は優しくて明るい母のポジティブさにも反発して、家を出て上京したいと願う…
聴こえない世界のことは知っているつもりだった。でも自分は母親の気持ちが分かっていなかった。
自分だけが特殊な環境にいると思っていた大が、世界が広がることで、気付きが増えていく話です。
吉沢亮さんの表情の一つ一つが良いです。特に泣き顔が。
他のキャスティングも素晴らしいです。子役が吉沢さんの子供の時の写真にそっくりでした。
それ、タモリな
こんなにも深い親の愛情。でも、リアルタイムでは気づかない
ラストシーンは、この映画を見事に象徴していて、泣ける。場面設定、カット割り、音の効果もうまいし、吉沢亮、忍足亜希子の演技も最高。
映画全体として吉沢亮の手話はネイティブのようで、違和感がなく、感心した。
ふたつの世界とは、「聞こえる世界」と「聞こえない世界」なのだが、「東京」と「石巻」というふたつの世界で成長していく主人公を描いたようにも思える。「思春期、親に反発した世界」と「愛情を感じている世界」のふたつ、と解釈することもできそう。
母親の無私の愛情がとても大きく、強い。主人公に愛情をそそぐ場面がたくさん出てくる。心から主人公のことを思って最善をつくしていた。
だからこそ、予告編にも出てくる「おまえのかあちゃん、しゃべり方、変じゃねえ?」という場面や「こんな家に生まれて来たくなかった!」という場面は、心が締めつけられて、悲しい。
そして後日、愛情をそそがれた場面を思い出して、その時の母親の気持ちを理解した時の、強い感謝の念と後悔の念に共感する。
父親の方も、主人公のことを信頼して「大は大丈夫」と応えたり、石巻に戻って来ないで東京へ行けと勧めたり、愛情が深い。映画「リトル・ダンサー」では、父親が息子の将来のためを思って自己犠牲の行動をとるのだが、その場面を思い出した。
主人公が挫折したり、つらいことが多く描かれる。主人公も観ている人も嬉しくなるような場面は少なく、映画の展開として盛り上がりに欠けるかもしれない。でも、実際には、この主人公は映画の原作になるくらいの本を書いて、成功しているライターである。ライターになる努力と成功をもう少しポジティブに描いても良かったかもしれない。
成長記録であってエンタメではない
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