「む、難しい・・・」ぼくが生きてる、ふたつの世界 プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
む、難しい・・・
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両親がろう者の亮。父の勧めで、一人東京に出る。
東京に出てから、やりたいことを探すつもりだった。
パチンコ店員・役者・編集者とそれなりに頑張るが、
特に向いてるわけでもなく、なかなか定まらない。
手話ができたので、手話サークルに参加したりしてた。
久々に宮城に帰省したら、祖母が弱ってた。
自宅に戻ろうかと母に提案するが、別にいいと言われる。
で東京に戻る時に急に色々思い出す。
子供時代は、両親がろう者と知られるのが嫌だった。
他人に両親を見られる機会が極力ないようにしてた。
でも今はいつの間にかそういう感覚はなくなってて、
人の多い電車内で母と手話で会話して爆笑したりしてた。
それを母が喜んでくれたのが心に響いて涙が出た。
で、突然終了。
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亮が経験したことだけ描写され、特にオチもなく急に終わる。
こういうパターンの映画は時々あって、難しいと感じる。
一体何を伝えたかったのだろう?、分からなくなる。
繊細で感受性が人一倍強いつもりで生きてるけど、
実はなんにも分かってないのかも?そう思わせられる瞬間。
おれが感じたのは、両親がろう者だったからといって、
(子供時代はそれが劣等感だったかもしれないが)
そのことが亮の人生に負の要素を与えたとは思えない。
これと言って夢もやる気もない青春時代を過ごし、
学校を出た後もそのまま行き当たりばったりな生活が続く。
こんなのよくあるパターンで、特に共感できるわけでもない。
まあおれ自身も20代は迷える子羊やったので、
似たような歯がゆい思いをすることは多々あった。
頑張れるタイプなのに、何に頑張ればいいかが分からない。
そんな状況と、両親がろう者なことに相関はないと思うし、
よくある平凡な青年の話にしか感じんかった。
その先に夢を見つけられれば人生が変わる、ただそれだけ。
だからむしろ、その先のことの方が興味あったな。
あとお母さん役の忍足亜希子さんって、本当のろう者らしい。
笑顔のかわいい人で、御年54歳。嘘でしょ?って思ったな。
30代くらいの頃も演じてたが、そういう年齢にしか見えない。
逆に亮自身が演じる中学時代は、さすがに無理があったw
改めて調べたら、亮ももう30歳なんやな、時が経つのは早い。