劇場公開日 2024年9月20日

「忍足さんの演技で、主人公の気持ちに重なっていく」ぼくが生きてる、ふたつの世界 セイコウウドクさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5忍足さんの演技で、主人公の気持ちに重なっていく

2024年9月22日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

 お涙ちょうだいという映画は苦手だが違った。父と母はいつも息子を当たり前に、静かに深く愛し続ける。そこに健常者と聾者の世界に違いはない。思春期の苛立ちや、何者にもなれない無気力さを演じる吉沢と、息子を心配しながらも明るく見守り続ける忍足の演技が素晴らしい。主人公の気持ちに自分の気持ちが徐々に重なっていき、ラストでは自然に涙がこぼれた。
 セリフが少なく、言葉の一つ一つに深い意味がある。この映画の後に別の映画を観ようと思っていたが、余韻に浸りたくなりやめた。今年度ベスト級の映画。ぜひ多くの人に見てほしい。

セイコウウドク