「早く来い夜明」ハンテッド 狩られる夜 なつ F列さんの映画レビュー(感想・評価)
早く来い夜明
浮気しながら妊活中のアリス。
そんな彼女を朝2時に電話をかけてくる迷惑な旦那。
ガソリンを入れたのにというジョンの言葉も無視。
男に言われがちなことも知っているみたいなのでそれなりに男に思うところはあるのだろう。
しかし、本当にガソリンは入れていた。
何故ならガソスタでガソリンを入れてる最中に下からポトリポトリ。
真っ暗な道を車のライト。
浮かび上がるガソリンスタンド。
見上げる先には神はいない。
出だしは上々である。
早い段階で銃撃され、あっという間に籠城。
入ってきたジョンも1発死。
アリスの行動にチラチラと神はいないの光る看板。
神の前では皆平等。では神がいなかったら?
がんばれアリスと見守る。
小さなコンビニ内でどこから狙ってるのかわからない状態なので迂闊に動けない。ハラハラ。
なんとか助けを呼ぼうが唯一はトランシーバー。
しかしそれは救助ではなく犯人との対話ツールになる。
この、救助だと思いながら話している途中に俺が頭を撃ったからなって切り替わったセリフはゾッとする。
撃たれた傷に手当をしたり、犯人の気を引いたり電気を切ったりとサクサク行動してくれるので観やすい。
そんな攻防戦を観ながら考えるのは犯人について。
事前に殺された女性店員。車に仕込みをしたり、ひょっとしたら道路封鎖は誤報でガソスタに誘導したのではないかと。それは完全にアリスが標的。
いかにも逆恨みなどがありそう…うーん、浮気相手とか旦那とか?うーん。しかし大掛かり。
途中から流れが変わってきてアリスの背景が語られる。
製薬会社の広報担当で同僚と浮気、妊活してるが子供ができない身体であること、堕胎もあった?
それがほとんど犯人の口から語られる。
犯人はアリスのことをどこまで知っていて何が目的なのか。ジョンや女性店員、駆けつけた男性店員、給油してきた老夫婦は一発だがアリスにはなぶる様に攻める。
そこからが長い…
犯人がしゃべるしゃべる。
思想や愚痴めいた事やヘイトやサイコな言動。しかしそれらは確かにある人々の考えの一つ。
全世界幸せな地球ではないので、ちょっとした事が本人にとって大変な出来事ばかり。
製薬会社一つにとってもアリスには薬で助かる人もいるが犯人にとっては薬をばら撒く悪。
そしてアリスもしゃべるしゃべる。
ずっと男に気を遣って生きてきた事、父親から始まり夫や浮気相手まで…いや、それは本人の生き方だしなんかちがうんだなぁ。
とりあえず、犯人とアリスの会話が噛み合わずダラダラ話すのですっかり場がしらける。
老夫婦の孫を守るために奮闘し始め、犯人と取り引きめいた事をしてみたり、武器をさらに作る。
人は守るべきものができると強くなる。
どこにも行けないアリスの母性が子供に向かったのかも。
女性サバイバーが髪を結ぶ時って場がキュッとなるので好き。
最後まで顔を見せてくれず死亡した犯人なので、結局どこの誰で何故アリスを調べ上げ執拗になぶったのかが分からなくてモヤっとしたけど、神はいないの看板から姿を現すのはかっこよかった。
朝日の中、走って行った少女もSNSで取り上げられて人生変わるのだろうなぁ。凄惨な殺人事件の生存者だし。助かって良かったね!とも思うけどこういうの考えたら嫌だな〜