「おしゃべりなスナイパーの性癖に付き合う映画だが、睡眠不足だと眠気に負けてしまいそう」ハンテッド 狩られる夜 Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
おしゃべりなスナイパーの性癖に付き合う映画だが、睡眠不足だと眠気に負けてしまいそう
2024.3.14 字幕 アップリンク京都
2023年のアメリカ&フランス合作の映画(95分、PG12)
2015年のスペイン映画『シャドウ・スナイパー(原題:La Noche del Ratónm、監督:ダビ・R・ロサダ)』のリメイク映画
あるガソスタを訪れた女性が自分を知る謎の男から銃撃を受ける様子を描いたスリラー映画
監督はフランク・カルフン
脚本はグレン・フライヤー&フランク・カルフン
原題は『Night of the Hunted』
物語の舞台は、アメリカ・カリフォルニア州ソルダッド
同僚のジョン(ジェレミー・シッピオ)との秘密の会合を終えたアリス(カミーユ・ロウ)は、夫エリック(アレクサンドル・ポポヴィック)からの電話を無難にやり過ごして、ジョンの車に乗り込んだ
しばらくして給油ランプがついたため、ジョンは最寄りのガソリンスタンドへと車を運び入れる
給油の間に併設ショップに足を運んだアリスだったが、店員の気配がなく、ショップの外に出ても誰もいない
給油を終えたジョンは車内の音楽にノリノリで、アリスはやむを得ずに代金をカウンターに置いて去ろうとした
だが、カウンターの奥には謎の血飛沫が飛んでいて、異常を察知したアリスは車へと戻ろうとする
そして、彼女が入口ドアに差し掛かった時、どこからともなく飛んできた銃弾によって、アリスは撃たれてしまった
意味もわからず隠れるアリスは、スタンドの向かいにある立て看板が怪しいと睨む
なんとか傷を保護し、落としたスマホを撮りに行こうとするものの、敵はスマホを撃ち抜く正確性を持ち、アリスはただ隠れて時を待つしかなかったのである
物語は、アリスがカウンターの上に置かれている無線機に気づくところから動き出す
店内とコンタクトを取ろうをする従業員らしき男からのコールで、アリスがそれを取ろうとしても、敵は正確な射撃をしてくる
なんとかそれを確保するものの、その電話の主はやがて、スナイパー本人からであることがわかってくる
さらに、男(スタサ・スタニック)はアリスの個人情報を所得しており、アリスは奇妙なハンティングのターゲットとなってしまうのである
と言う感じの内容で、スナイパーの容赦ないハンティングはジョンのみならず、店員アメリア(ブレンダ・ヌネス)を心配しにきたダグ(J・ジョン・ビーラー)も撃ち抜くし、たまたま給油に訪れた老夫婦エレノール(アッベ・アンダーソン)、ボブ(ブライアン・ブレイター)をも殺してしまう
そんな折、老夫婦の車に少女シンディ(モナイア・アドベルラヒム)を見つけたアリスは、彼女だけはなんとしても守ろうと決意を固めるのである
映画はひたすら射撃の的になるアリスを描いてはいるものの尺稼ぎのような会話劇が延々と続いていく
ここまで喋り通していても絵的にはほとんど動かないので退屈に思えてくる
後半には裏の倉庫での激闘があるのだが、シャッターで頭を潰すシーンをシンディが怖いもの見たさでガン見するという斬新な内容になっていた
おそらくアリスも力尽きたのだと思うが、なかなか強烈なエンディングになっているなあと思った
とにかく中盤の会話劇がしょうもなくて、そこで30分ぐらい寝ても問題ない内容だったりする
人間関係がすごくわかりづらいのだが、どうやら店員のアメリアと付き合っている犯人がダグとの不倫を見つけて恋人を殺した、みたいな流れで、同じような構図として不倫中のアリスが狙われているようだった
おそらくはジョンの車に細工をして、給油所に来させるところも織り込み隅で、不倫許さないマンだったのだろう
犯人の正体は最後までわからなかったが、アリスの表情から察するには知っている男だったのだろう
可能性が高いのは夫の友人もしくは夫本人だが、夫本人だと声とか喋り方でわかるので、そのラインは無しだと思う
モヤモヤ感が募るものの、巻き込まれた老夫婦が可哀想だなあと言うことと、走って逃げるシンディがどうなったのか心配になってしまう映画なので、せめて警察に通報ができて、終わってから到着するぐらいのいつものノリで締めくくってもよかったのではないだろうか
いずれにせよ、95分しかないのだが、70分ぐらい延々と喋っているので、そういった暴露系会話劇が好きな人ならOKかと思う
ラストは斬新なものの、そこまでが非常に退屈なシナリオで、しかもガソスタからほぼ出ないのでシーンの切り替えもほとんどない
ここまで徹底した感じだと、むしろFSP視点にするとか、ワンカットに見えるぐらいの演出が必要だったように思える
「神はいない」看板が何度も何度も映るのは滑稽なので、かなり綿密に作って滑っているのではないか、と感じた