ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人のレビュー・感想・評価
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素直に楽しめた
監督自らが主人公に惚れ込み演じるケースはバービーを思い出させる。(マーゴット・ロビーは製作でしたが)
監督が思い入れる本作のデュ・バリーはとてもピュアで博識で力強い。いつかベルサイユのばらで読んだ物欲と権力欲にまみれた成上り、という描かれ方とは一線を画すのが新鮮だった。どこまでが史実に基づくのかは分からないが、女性監督ならではの、女性が引き込まれるストーリーだと思った。
もっと分かりやすい美人女優が良い、というレビューもあるけれどマイウェンにデュ・バリーが乗り移ったような艶と美しさで、逆にリアルさを感じた。
ジョニー・デップは誰を演じても流石。
ロココの世界を彩るシャネル監修の衣装も眼福。
人の妬みとは。
ジョニー・デップが世界的に興行される映画に復活したのはとても嬉しい。マイウェンに感謝!
演技も紆余曲折あって、さらに人間的厚みが出た感じだった。
話の筋はコンパクトに纏まっていて、少し駆け足で描かれているので軽めではあったけど、面白かった。
ジャンヌ役のマイウェンは、映画人として才能があると思うが、演者として愛人としての魅力は、個人的にやや好みではなかった。47歳としては美しいと思うけれど。
全体的に出演者が良く、ラ・ボルド役のバンジャマン・ラベルネが素晴らしい。
あの当時のフランスの階級重視、出自重視の世界観の滑稽なことといったら、最期の時に傍に居られないのに、断頭台に貴族として扱われてしまった。妬みをかえば正しさなどどうでもイイのだ。現代にも通じている恐ろしい教訓だろう。
18世紀フランスで59年間にわたり在位した国王ルイ15世の最後の公...
18世紀フランスで59年間にわたり在位した国王ルイ15世の最後の公妾ジャンヌ・デュ・バリーの波乱に満ちた生涯を映画化。
「パリ警視庁 未成年保護特別部隊」「モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由」の監督としても知られる俳優マイウェンが監督・脚本・主演を務め、ジョニー・デップがルイ15世を全編フランス語で演じた。シャネルによる衣装提供やベルサイユ宮殿での大規模撮影により、豪華絢爛なフランス宮廷を再現。
豪華絢爛フランス宮廷絵巻
豪華絢爛なフランス宮廷絵巻に目を奪われる。宮廷内の権力争いや、奇妙にも見える仕来りなども興味深い。
しかし、私生児から国王の公妾にまで昇りつめたジャンヌを、監督のマイウェン自らが演じているが、どう見てもゴツゴツしたオバサンで、決定的なミスキャスト。
壮大なロケーションで紐解き鑑賞できる感慨
あの時代、あの宮廷のしきたりの中で自分らしい天真爛漫さや優しさを通せるのは余程の芯がなければのことだろう。
権力のつながりなどは気持ち悪いが、優先されるものが違う背景。
貧しい環境に育ったジャンヌには潔さしか感じられず、生きていく厳しさを知る故の強さも別格だった。
個人的にはジャンヌのキャスティングにぴったり感はないものの、観ているうちに王を虜にする安らぎのようなものがなんだか伝わってくる。
王だけでなく、執事や王太子、息子をみていると、皆、ジャンヌの人柄に惹かれ、去っていった王の娘たちも少なからず影響された。
それも天性、魔性ゆえか。
ジャンヌの人望で理解者にたすけられた最期の時は2人に幸せな愛が存在したことを十分に示し切なさも増す。
ジョニー・デップが悠然とみせる王の威厳、風格、孤独はさすがで、信頼する人にだけみせる愛嬌ある人間らしさを解釈した姿はとても魅力的だ。
王やジャンヌ、2人を思いやり尽くす執事、とりまく人々があの煌びやかさと混沌とした歴史のなかに生きていた様子。こうして後世で紐解き鑑賞できることが感慨深い。
継ぎ足した物語を感じながらあの別世界を歩けば、また違う感動が湧きあがるのだろうな…
心は空を飛んでいくようだ✈️
追記済み
24-019
ゆるめのフランス大河ドラマ。
ヴェルサイユ宮殿やシャネルの衣装など、
見所はあったけれど肝心なお話が、、、
ジャンヌの娘時代は美人だったけれども、
大人時代に男どもを虜にするような魅力が
感じられなかったなぁ。
前編フランス語で、
ジョニデ良かったのに。
なんか残念でした😅
デュ・バリー夫人
脚本監督が彼女でも、ヒロインに自分の容姿が見合わない事が、自覚出来ないものか??? 他にいくらでも役にふさわしい美しい女優さんいるでしょうに。なんであなたの顔に我慢しながら、ストーリーを追わなければならないのか!? それだけが重荷の2時間余だった!!!
知識量で評価が変わる作品だが、コスプレ映画と割り切る方が良いかもしれない
2024.2.6 字幕 京都シネマ
2023年のフランス映画(116分、G)
実在の人物であるデュ・バリ夫人を描いた伝記映画
監督はマイウェン
脚本はマイウェン&テディ・ルシ=モデステ&ニコラ・リベッチ
原題は『Jeanne du Barry』
物語の舞台は18世紀のフランス
田舎町の労働者階級に生まれたジャンヌ(マイウェン、幼少期:Emma Kaboré Dufour、10代:Loli Bahia)は、修道院時代に官能小説を読んだりと破天荒な青春期を送り、やがては数々の男と名を馳せることになった
母アンヌ(マリアンヌ・バスレール)の雇い主のムッシュ・デュムソー(ロバン・ヌルーチ)は、ジャンヌを地元の有力者バリー伯爵(メルビル・プポー)に紹介する
デュムソーはジャンヌを国王ルイ15世(ジョニー・デップ)に差し出せば政治的なパイプができると睨んでいた
そこで、バリー伯爵は彼女を宮廷に連れて行き、ルイ15世と会わせることにした
ルイ15世はジャンヌの目の前で止まり、彼女をじっと眺める
思惑は成功し、ジャンヌをルイ15世に引きわせることになったが、宮廷には貴族しか入ることを許されない
そこでジャンヌはバリー伯爵と結婚し、正式な愛人として、宮廷に入ることが許されることになった
だが、それをよく思わないルイ15世の娘アデレード(インディア・ヘアー)、ヴィクトワール(シュザンヌ・ドゥ・ベーク)は彼女をなんとか追い出そうと考える
一方で、彼女らの妹にあたるソフィー(ローラ・ル・ヴェリー)やルイ15世の孫・王太子(ディエゴ・ルファー)はジャンヌを慕い、彼女の宮廷での地位は揺るがないものになっていった
映画が史実ベースのジャンヌの一生を描き、愛人人生とその渦中にあった想いというものを綴っている
ルイ16世の妻となるマリー・アントワネット(ポリーン・ポールマン)の登場によって、その後どうなったかが予見されるのだが、彼女の顛末に関しては字幕で説明するのみになっていた
幼少期から青春期までを駆け足で紹介し、その後の愛人時代を監督自らが演じるという構成になっていて、この役をやりたかったんだろうなあ、というのがよく伝わってくる内容だった
悪く言えば「お金をかけたコスプレ」のようなもので、それでもそこまで自分ファーストにはしていないところが監督のバランス感覚というものになっているのだと思う
物語はあってないようなもので、史実ベースで淡々と物語が進んでいく印象が強い
歴史を知っていればほぼダイジェストだが、登場人物が死ぬほど多いので、ある程度の知識がないとついていけないほどに説明は省略されている
この時代を再現したセットや衣装などが見どころの作品となっているので、それ以外はそこまで強調すべきものがない
それゆえに、この世界観(ベルバラっぽさ)を体感したい人向けなので、この映画でデュ・バリ夫人を語れるほど知識がつくかは微妙と言えるだろうか
いずれにせよ、青春時代からいきなり年齢が一気に上がった印象があったが、16歳から29歳くらいまで一気に飛んでいるので止むなしかなと思う
むしろ、前半の幼少期を全部削っても問題のない作品で、愛人時代の軋轢を持って細かく噛み砕いても良かったように思えた
ルイ15世が惚れ込む理由であるとか、彼が愛人を作りまくる背景とか、娘たちの人物像などはテンプレっぽい感じの演出になっているので、それだけでは物足りない印象がある
あとは、ちゃんと最期のシーンまで描いた方が時代背景が読み取れて良かったかな、と思った
そこを字幕で説明するのなら、他に削れるところもあるだろうというのが率直な感想で、激動の半生の取り捨てが甘いのではないかな、と感じた
主人公が美しくない
昔の女性って、本当に男性にしがみついて生きていくしかなかったのかと可哀想に
思った。宮廷の生活って息苦いけど経済的には満たされる。何故、イギリスに亡命したのに、わざわざ処刑されにフランスに戻ったのかまでが描かれていなかったので、謎が心残りです。ジョニ-は淡々と、目立ちすぎず国王を演じていましたが、主人公に華が無く魅了されるほどの人物には見えなかった。ポンパドゥール夫人のように才媛でも無かったようです。
ドロドロ控えめでスッキリ見れました
フランス革命前夜の愛憎劇かと思いきや、ほぼ宮廷内のみでストーリー進行し、革命の下地、市井の描写も無く陰湿さはうす味なので、豪華な衣装や綺羅びやかな宮廷所作を興味深く鑑賞出来る。
国王の最後の描写や忠実な執事にはうるうるもので、意地悪姉妹も良いアクセント。
他の人も書いていたが、主演だけは他にするべきだった。フランスの美的基準は分からんが、最後こそ年相応だが、どんな女も寄せ付けない国王が一目惚れするには無理がある。監督してるならなおさら。
でも宮廷絢爛も楽しめるので、価値アリとしました。
ベルサイユの暮らしがとても興味深い
ジャンヌなんて人は知らないので、あまり惹かれる題材ではなかったが、ベルサイユが舞台ということと、ジョニー・デップ出演というところに興味が湧いて観賞。
【物語】
ジャンヌ(マイウェン)私生子として生まれ、恵まれない境遇で育ったが、読書する機会には恵まれて教養を身に付ける。大人になってパリで生活のために娼婦に身を落すが、美貌と上流階級並みの知性で高級娼婦の地位を確立し、貴族の男たちをとりこにする。ついには国王に気にいる女性を差し出したい貴族の思惑により、ベルサイユ宮殿に足を踏み入れる。
国王ルイ15世(ジョニー・デップ)は宮殿内に並んだ王族やしもべの列に並ぶジャンヌをひと目見て釘付けになる。国王に招かれたジャンヌは公妾としてベルサイユに入る。
国王の寵愛は受けるものの、卑しい出自や、宮廷のマナーを無視した言動から彼女は国王の娘たち王族初め周囲の人間には疎まれる。
【感想】
俺は世界史オンチなので、10年前ならこの作品に引き込まれなかったと思う。しかし、新型コロナ騒動直前に旅行でベルサイユ宮殿を訪れ、宮殿の豪華さとあまりに広大な庭園に圧倒された体験が宮殿内の様々なシーンの興味を生んだ。
宮殿で最も有名な鏡の間、そして王の寝室等、当時の使われ方を想像しながら見学したものだが、本作では再現フィルムのごとく宮殿内の国王の生活が描かれているので
「ああ、こんな感じなんだ!」
と興奮さえ覚えた。
宮殿の庭園、運河も幾度となく映し出されるが、あの広大さは行ってみないと実感が湧かないと思う。 ちなみに作中にジャンヌに館が与えられたシーンがあるので、どこかなと観賞後にググってみると、どうやら現存するプチ・トリアノンのようだ。離宮であるそのプチ・トリアノンやグラン・トリアノンまで歩いたからこそ、俺はあの広大さを実感できたし、それを思い浮かべながら作品中の国王の暮らしぶりを観ていた。
映画そのものの内容以外ばかり書いているが、これも映画の価値だと思ったからだ。
つまり、世界史の教科書に全く興味が湧かなかった俺だが、実物を目にし、さらに物語にして見せてくれる映画によってフランスの歴史・文化に大いに興味を持てたこと。
ベルサイユ見学体験 + 本作 + 昨年末公開の“ナポレオン”により、今さらながらルイ14世~ナポレオンまでのフランス史の繋がりがイメージできるようになった。 フランス革命についてはまだ知識がスカスカなので、そこはまた別の映画で補いたい(笑)
俺的にとっては本作の価値は上述の部分が全てと言っても過言ではないが、少しだけ作品の中味について触れておきたい。
上述のとおり本作を鑑賞したことに大いに満足しているのだが、不満が1つある。 ジャンヌのキャスティングだ。
「国王が一瞬で魅入ってしまう」という展開にするには外見に無理があった。この初対面のシーンの説得力は本作でも一番重要なポイントだったはず。 少女時代の女優は設定に違わぬ美少女だったのに、大人になったら・・・
マイウェンの演技に不満は無いが、この役に相応しいとは言えない。
例えば(フランス女優はほとんど知らないのだけど、知っている中から無理矢理挙げれば)レア・セドゥならもう少し良かったと思う。彼女も絶世の美女とは言えないが、妖艶な魅力を持っているから。 高級娼婦にのし上がったまでは、 身に付けた教養によって「話をすると惹きこまれる」という部分もあるからあの外見でもあり得るのだけど、「話をする以前に国王が虜になった」無理だな、と俺は思った。
その他、悲哀に満ちた彼女の人生は人間ドラマとしても興味深かった。ラストのテロップ(彼女のその後の人生に言及)には衝撃を受けた。
ジョニー・デップは“個性派俳優”のイメージが強いが、本作では普通でした(笑)
本作では助演の立ち位置でもあるので、悪目立ちしないように意識したのかも知れない。
恐らく、本作を楽しめる度合いはベルサイユ宮殿に行ったことがあるか否かで大きな差があると思う。ベルサイユ宮殿に行ったことのある人、あるいはこれから行く予定のある人に特におすすめしたい。
【トリビア】
ベルサイユ宮殿の広大さについてもう少し。
現在の広さは約10km2、これは東京で言えば清瀬市と同等。皇居の3倍。
当時はその10倍!だったとのこと。こうなると山の手線の内側の面積(約60km2)を超えて、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区、豊島区を足してちょうど同じくらい。
映画の中で国王が狩りを楽しむシーンがあるのだが、我々の常識だと「城から出て近くの山へ」だが、“庭”の中だったに違いない。
なんか見やすい
2024年劇場鑑賞29本目。
こういうフランス王朝の話って何本か観ましたが当時の雰囲気を再現しました!みたいなのが鼻について退屈だなぁと思って観るのですが、なんか今作は観やすかったですね。主人公のジャンヌが若い頃はかわいかったのに成長した途端地味な人になるんですが、これはこれでいいんですかね。
結局ジョニー・デップ演じる王様が仕事何やってるのかよく分かりませんでしたが二時間あっという間でした。
ヒロインのキャスティング以外はよかった
バリバリルッキズムと言われそうですが…
やはりヒロインの美人設定は厳しいと思いました。
娘役さんから娼館へのシーンに移ったときに本役であり監督であり脚本も書いたヒロインが登場しますが、一挙におばちゃんが出た感がありましたしやはり出っ歯というか歯ぐきが気になって「美しい」と褒められていることに無理がありました…
きれいだなと思ったのはポスターにも使われている、長いトレーンを引いて現れた時です。
あとから知りましたが衣装はシャネルが監修だったんですね。納得の豪華さがありました。
ジョニデはジョニデらしくなくて、ちゃんとフランス国王として立派でした。
マリー・アントワネットのかわいいこと。
肖像画のまんまでした。
ルイ16世はすべての意味でかっこよすぎです。
15世とジャンヌを結びつける家臣(名前忘れた)もとてもよく描かれていたと思います。
飽きることなく見入ることはできました。
ベルサイユ宮殿も衣装もヒロイン除く出演者も違和感なく嘘を感じず映画の世界に入り込めました。
ヒロインがなあ…
監督も脚本もしてるとわかってるからなおさら、職権乱用って思ってしまうんだよなあ
そこだけが残念です。
どなたか言われてましたが、ベルサイユの薔薇を好きな方はおすすめします。
背景、マナーの下地知識なく鑑賞してしまい残念
歴史、礼儀、上下関係など全く知らずに観たのであまり理解できなかった。
魅力的な(美)の基準も共感できなかったのでちょっとなぁ。
鑑賞中は、王太子の意味がわからず、
偉そうだし王より上位かなぁとか、他国の王かなぁとか考えてた。
王の面前で雑談や嫌がらせする婦人たちの行動も理解できず?????の羅列。
あの時代は、あんな風なカツラが正装なのね。おもしろ。
背景やレビューを読んでから鑑賞したら感想がずいぶん変わったかも。
ジャンヌ
綺麗ですかねえ、他にも女優さんいなかったかなあ?と思ってしまいました。この頃は、人の奥さんが妾になると言う変な決まりがあったと言う事でしょうか?ただ、逆に当時のフランス宮廷における生活がよくわかる作品だったと思います。ジョニ-・デップは良い役者ですね。これからが楽しみです。
【貧しき家庭の私生児ながら、美貌と知恵と機知で国王ルイ15世の公妾まで上り詰めた実在のど根性女性の生涯を描く。今作は、当時の仏蘭西王宮文化を再現した、意匠、衣装も豪華絢爛たる仏蘭西映画でもある。】
■物語は、ジャンヌ(マイ・ウェン:ナント、監督・脚本まで手掛けている。)が、美しい女性に成長し、数々の貴族の愛人になりながら着々とその地位を上げていくところから始まる。
そして、彼女は、その経験の中で文字を学び、知恵を付けて行くのである。
◆感想
・ジャンヌがルイ15世(ジョニー・デップ:ナント台詞は少ないが、仏蘭西語で喋っている!)に初めてベルサイユ宮殿の広い廊下で謁見したシーン。それまでポンパドール夫人を亡くした事で気鬱だったルイ15世が彼女の姿を見て足を止め、少し頬笑み立ち去るシーン。
ー ”ジョニー・デップ、仏蘭西映画に出て大丈夫か!”と危惧していたが、全く問題ない。流石である。オーラが違うのである。-
・で、ササット、執事ラ・ボルト(バンジャマン・ラヴェルネ:若き仏蘭西の名優である。)は彼女を誘い、性器を診察させ性病でない事を確認させるのである。
ー 堂々と、医師の前で足を広げるジャンヌの根性が凄い。又、慇懃なラ・ボルトが徐々に自由奔放なジャンヌに惹かれて行く最初のシーンでもある。-
・ジャンヌは、デュ・バリー伯爵と結婚し、正式にルイ15世の公妾となる。
ー 当時の王宮文化では、フツーの事である。何故ならばデュ・バリー伯爵の地位も上がるからである。彼は、決して寝取られ男ではない。-
・ジャンヌは、王の寵愛を受けベルサイユ宮殿の中で、自由に振舞う。それまでの旧弊的な文化を蹴散らすかのように、男装したり、黒人の少年ザモルを招聘したり・・。
ー それを快く思わない、ルイ15世の娘達。演じた女優さんには申し訳ないが、”良くここまで不細工(ホント、スイマセン・・。)な女優を集めたなあ。”と感服する。
序でに言うと、王の前から退出する際の背中を見せずに、小さいステップで下がる面白い仕草が個人的に、非常に気に入る。クスクス。
今度、社長の前でやってみようかな・・。-
・オーストリアから、王太子妃のマリーアントワネットが嫁いでくる。ジャンヌの立場は微妙になるかと思われたが、ルイ15世の計らいで彼女の地位は揺るがない。
ー デュ・バリー伯爵との間の息子、アドルフを決闘で失っても彼女はめげない。強い女性である。そして、ルイ15世のジャンヌへの基本的な想いは変わらない。それは、彼がジャンヌの前から退出する時に、おふざけで取った小さいステップで下がる面白い仕草からも分かる。-
・だが、時は無情でルイ15世は天然痘に掛かる。一度は彼の前から去ったジャンヌは周囲の制止を振り切り、罹患する可能性があるのに、彼の看病をするのである。だが・・。
そして、執事ラ・ボルトは王が臥している間の窓を開け、蝋燭の炎を吹き消すのである。
<ラスト、テロップで流れた事実は哀しい。且つては彼女に優しかったルイ16世により修道院へ幽閉されるジャンヌ。
その後、ベルサイユ宮殿に近づかない事を条件に幽閉を解かれるが、時代の流れは加速度的に王宮廃止路線を突っ走り、仏蘭西革命が起こりルイ16世、マリーアントワネットは断頭台の露と消え、ジャンヌも同じ道を辿るのである。
今作は、仏蘭西革命前の、華やかなる仏蘭西王宮文化の中で、貧しき家庭の私生児ながら異例の地位を気付いたど根性女性の物語なのである。>
デュ・バリー夫人の波乱の生涯をわかりやすく描く
本作は、フランス国王ルイ15世の最後の公妾ジャンヌ・デュ・バリーの波乱に満ちた生涯を描いており、なんとなく歴史の勉強になるかなと思って鑑賞してきました。敷居の高さを感じたものの、実際にはそんなことなく、とてもわかりやすく描かれていて楽しめました。
ストーリーは、貧しい家の私生児として生まれたジャンヌが、親の再婚や修道院での暮らしを経て身につけた教養と持ち前の美貌で、貴族相手に娼婦同然の生活をしていたところ、デュ・バリー子爵に囲われたことをきっかけにヴェルサイユ宮殿にあがることとなり、そこで国王ルイ15世の目に止まって公妾となり、二人の甘い生活が始まるものの、これまでのしきたりやマナーを無視する自由奔放なジャンヌはしだいに多くの敵を作っていくというもの。国王とジャンヌの愛の物語としても、女たちの嫉妬と羨望と憎悪が渦巻く宮廷内のパワーゲームとしても、なかなか見応えがあります。実際にはもっと複雑な思いが交錯していたとは思いますが、ジャンヌに焦点化してわかりやすく描いていたのは好印象です。
冒頭でナレーションを絡めながらジャンヌの生い立ちを簡潔にまとめ、それが以降の人生の伏線として繋がるような立ち上がりがお見事です。年頃となったところから深く描かれていきますが、この時点ですでに世界観に浸っていました。その後も、まるで鮮やかな絵巻物語を見るようで、ロケかセットかCGかわかりませんが、広大で豪華絢爛なヴェルサイユ宮殿や華麗な貴族の衣装や暮らしぶりなどが目を楽しませてくれます。
先日観た「哀れなるものたち」のベラと対照的で、すでに確立した社会の中で、女性であることを武器として最大限に生かして、頂点まで上り詰めていくジャンヌの姿が圧巻です。これも、男性中心社会での女性の強かな処世術と言えるでしょう。しかし、その美貌で国王を手玉に取ることもできたであろうジャンヌがそうしなかったのは、国王を本当に愛していたからでしょうか。逆に国王が最後までジャンヌを妃とせず公妾のままにしておいたのは、当時のしきたりや慣習の縛りがあったからでしょうか。
フランスの歴史にも文化にも疎いので、十分に理解できないところがありましたが、逆にいろいろな場面で新鮮な発見や驚きがあり、とても勉強になりました。謁見の際に陛下と目を合わせない、女性は髪を下ろさない、国王の死期が迫るとロウソクを灯す等、当時のフランス宮廷内のマナーや慣習が垣間見えたのはおもしろかったです。中でも、陛下の前では小刻みに下がるというのがとても滑稽に見えたのですが、あれが当時の正式マナーだったのでしょうか。自由奔放だったジャンヌが最後にその仕草を見せるのが、切なく印象的です。
ただ、本作において最も重要なジャンヌの魅力が、今ひとつ伝わってこないのが残念です。主演のマイウェンが脚本・監督も務めたようですが、主演だけは他の若い女優に任せたほうがよかったのではないかと思います。一方、共演のジョニー・デップは、全編フランス語で見事にルイ15世を演じきっています。脇を固めるのは、知らない俳優さんばかりでしたが、国王とジャンヌを献身的に支えるラ・ボルド役のバンジャマン・ラベルネの存在感が光っています。
きらびやかではあったが。
ルイ15世の公妾ジャンヌ・デュ・バリーの生涯の話。J.デップもフランス語。
「ナポレオン」でも触れたが、ベルばらのデュ・バリー夫人が自分の予備知識なため、想像と若干違った。
解釈は沢山あるでしょうが、この映画のジャンヌは優しい感じがした。
元は身分が低い女が、のしあがってきた…というよりは、女性は物扱いで翻弄された人生に見えた。
毒々しさとか高慢さ、エロスなどは感じられなかった。本来はどんな人だったのか。
ルイ16世はイケメンすぎだなあ。
ヴェルサイユ宮殿、絢爛豪華な貴族たちの衣装などは素晴らしかった。堪能できました。
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