「前作のような心に残る感動は…」インサイド・ヘッド2 只野京さんの映画レビュー(感想・評価)
前作のような心に残る感動は…
日本語吹替版を観ました。
声優さんの演技はどれもハマってて大変良かったと思います。
強いて言えば、シンパイの多部ちゃんとイイナーの花澤さんの
声色がちょっと似てたかな?中村さんがまた良い役をもらったなと笑っちゃいました。
本編の内容ですが、前作が感動路線だった(と言っても記憶が若干…)のに対して
今作は割とギャグ路線の志向なのかな?という印象を受けつつ観てました。
脳内のニューロンみたいな糸を引っ張ってちぎれたらどうなんのよ?とか
お前らがボタンを押さなきゃええやんけ!みたいな心のツッコミが絶えない中
サ○ス・アランを彷彿とさせるランスの珍技には思わずフフッとなってしまいました。
ただ、思春期とは言えライリーの情緒不安定ぶりを過剰に演出しすぎかな~と。
終盤にかけての評価ノートの盗み見はライリーらしからぬ行動だったので
もっと深掘りというか別の意味を与えても良かったと思う。
例えば有島武郎の「一房の葡萄」みたいな感じで…(いや重すぎっか…?)
前作のような心に残る感動ははっきり言ってなかった。
全体的にはちょっと予定調和な展開だったと言わざるを得ない。
ライリーが独り休憩席で過呼吸気味になってしまう場面では
どうせ旧友が助けてくれるんでしょう?と冷ややかな目線の自分がいました。
それとヨロコビ達が司令塔に帰ってきた場面が、結局どうやって助かったの?
と思う不自然なつなぎ方だったように見えました(見落としていたら申し訳ない)。
内の世界の展開が複雑になってくるにつれ、何も考えずに頭空っぽで観るのが
正解なんじゃないかと思い始め、気づいたら本編が終わっていた(笑)。
各感情がさも意思を持っているかのように振る舞うので、ボタンを押さなきゃ
いいだけじゃーんと初めは思っていたのですが、あくまでライリーが感情の主体で
感情はそれに伴って発現している(全自動芝居みたいな?)だけなんでしょうかね。
ライリーがどんどん情緒不安定になってくるもんだからメンタルカウンセラーみたいな
重苦しい展開もよぎったのですが、良くも悪くも軽快な作りに仕上がっていて
やはり物足りなさも多く感じてしまった残念な続編でした。
日本語版主題歌は作品のイメージに合致していて個人的に好印象でしたよ。