サイレントナイトのレビュー・感想・評価
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観る事に特化した作品
ラジオのニュース、歌の歌詞、奥さんとギャングの二言、三言を除くとほぼ台詞が存在しないという「観る事」に特化した「これぞ映画」と言っても過言ではない作品でした。
説明くさい台詞や煩わしい字幕が殆どない分、映像がものを語ります。
特に目を奪われたのが庭に転がったサッカーボール。
庭の片隅で朽ち果てたボールが喪失感と絶望を一瞬で観る側に伝えてきます。
圧巻の演出です。
ジョン・ウー作品ゆえにアクションばかりに目が向いてしまいがちですが、こうした細やかな演出にも監督の手腕が発揮されてました。
他にも車を停めて家に入る前に溜め息を吐く奥さんのカットは秀逸です。
夫の現状や夫婦の関係が一発で理解できる絵となっておりました。
後半になるに連れ、アクションの比重が増えてきますが、細やかな演出は影を潜めません。
敵に隙を見せたり、肩で息をしたり、しまいには履いてしまったりと素人らしさを残した主人公の立ち回りが非常に良かったです。
観る側にも不安を与える効果となっており、人間臭さを残した点は作品の質を大いに上げていたと思います。
アクションで目を奪われたのは階段を昇っていく主人公を捉えたガン・アクション。
ワンカットに加工されたシーンは見応えが充分にあり、緊張感を伴う見事なアクション・シーンとなっておりました。
まるで拳を銃に変えた「死亡遊戯」を観ている気分になっちゃいました。
鑑賞後、台詞が存在しない分、頭の中で映像を反芻できるという至福の時を過ごせる作品となっておりますので、興味のある方は劇場に足を運ぶ事をおすすめします。
復活の兆し
ご都合主義。だがソレがイイ!
放映終わるまでに見ておきたくて滑り込みで朝イチ鑑賞。
とにかく細かなストーリーだの、伏線だの、そんなことを考えない!
10〜20年前のアクション映画はこんなのだった!というのを、今の時代にしてくれたジョン・ウー。賛否分かれますね(笑)
子供をギャングの流れ弾で亡くした男の復讐劇。ご都合主義なんてクソくらえ。分かりやすい物語にジョン・ウィック流のガンアクション。難しいこと考えずに頭空っぽで楽しめる懐かしいアクション映画でした。
見始め開始一分の感想は、"ギャングの銃弾当たらなさすぎる(笑)"です。
すぐにサブスクになりそうですが、迫力的には映画館で観ないと物足りなくなりそうな作品かと思います。
ジョン・ウィック流のガンアクション好きには楽しめるかと!
なぜ鳩を出さない
バイクもロングコートも二丁拳銃も出て来るのに。
さて "バイオレンスの詩人" ジョン・ウー監督のリベンジアクション映画。ここんとこちょっぴりスベりがちだったジョン・ウー監督でしたが、(「マンハント」なんて無かった。いいね。)今作はストーリーをシンプルにしたのが良かったのか、なかなかの快作になっています。
とはいえ全編殆どセリフ無しの本作。自分の行ける範囲では立川のKino cinemaでレイトショー限定公開。ここ全席プレミアムシートだぞ。ウー監督のアクション映画と言えど寝ないか心配。
が、その心配は杞憂だった。
ストーリーは息子をギャングに殺された父親が復讐するという手垢ベットベトで有りながら、主人公は声も失ってしまうという味付けがされている。
これ阪本順治監督の「トカレフ」(傑作。俺の中では)と同じ設定なんだが、この設定がエモーショナルで、且つ主人公の "声に出せない怒り" を主演のジョエル・キナマンは見事な表情演技で表わしている。
何よりこのジョエルさん、顔がイイ。
主人公は声を失っているので必然的に表情演技とアップが多くなるのだが、そのアップに堪える実に "イイ顔" をしている。
これは単にハンサムというだけでなく、10代や20代では出せない、良い意味で油の乗った中年俳優だから出せる魅力的な漢の顔だ。
何処かで観た顔だと思ったらリブート版「ロボコップ」だったか。いや、アレも無かった事にしよう。
そんな魅力的な主人公だが、この作品はリベンジ物に有りがちな『ナメてた親父が殺人マシーン』映画ではなく、『ナメてた親父が一般市民』だったりするので、正直前半はちょっぴりダルい。
だがこれは一般市民が主人公だからこそ映画に必要な溜めだ。この溜めが有るからこそクライマックスでエモーションが爆発する。
ジョン・ウー監督、"バイオレンスの詩人" の面目躍如と言える久々の快作だった。
鑑賞のハードルが妙に高いが、配信になってからでもいいんで少しでも多くのアクション映画ファンに見て欲しい。
オススメ。
拘りか自己満か
ありふれた新境地
今月は忙しくて、なかなか映画に行けなかった。やっと観れた、どうしても観たかった3本の内の1本!
「サイレントナイト」
久し振りのジョン・ウー監督作!様々な新しいアクションを生み出し、世界の最先端を走っていたどころか、常に自身の作品で更新して見せていた監督!
今回は香港時代の流れる様な美しいアクションではなく、泥臭く、痛みと血生臭さが満ちる。
普通っぽくなったとも思うが、新しいジョン・ウー作品とも思う。
クリスマスの日にギャングの抗争に巻き込まれ、子供と声を奪われた男が、訓練を積み重ね、1年後のクリスマスに復讐を挑む。内容は単純な復讐劇だか、目が離せないのは流石ウー監督!
また、声を失った為、ほぼ台詞が無いというのも、新しい挑戦⋯というか、アクションで物語を語れると信じる人の作品だ!
やっぱりウー監督は大作よりも、これくらいの規模の作品の方が合ってると思う。
そして、「アマチュア」よりも、よっぽど「アマチュア」と言える作品でした😁
#ジョンウー
#サイレントナイト
静かなる作品…ではない!?
ギャングの闘争に巻き込まれ息子と声を失った男が、1年後のクリスマス・イヴに復讐を果たすべく闘う物語。
主人公だけでなく他の登場人物も99%喋らなくセリフの粗無い作品。
序盤は幸せだった頃の回想シーンがやたらに長くテンポが悪い印象。
しかしイヴ・イヴからはこれでもかと言うほどのアクション連発!!
強くなった主人公がモブギャング達をバッタバッタと倒していく展開は痛快そのもの。
喋れないことを逆手にとった奇を衒った驚きのアクションとかオルゴールが伏線になったりとかの展開を期待していたが特にそんな事もなく…カーチェイスも銃撃戦もシンプルではあるが怒涛の展開で見飽きさせない。
巡査部長、二丁拳銃カッコよかったよ。
…でも、序盤署で会えなかったのは何なんだろう?単に忙しかったから?
セリフが無い分、表情や動きでその時々の感情を表現しているのは役者さんのなせる業ですね。
目を見張るものがあるわけじゃないけど、普通にアツくなれるアクション作品だった。
分かるけど回想シーンが多すぎるな。
取り敢えずさあ、もうそろそろ、
・愛する者が殺される
・復讐を心に誓う
・なんかやたら強い
・なかなか死なない
というパターンは飽きて来たな。
見どころは何気にエロっぽいママン🩷。特に胸がご立派で、復讐するマンになってしまった旦那と別れて、迎えのタクシーに乗るシーンの見事なπスラは転スラより必見かと😅
あと、殺された子供のシーンが多すぎて少し辟易した。まあ気持ちはわかるけど、もう少し控えめが宜しいかと。
あと敵の組織のポス(スキンヘッドの片側だけタトゥー)はなかなか良いキャラだったな。あのイカレ女とのダンスシーンなどはとても良きです。それにしても街のチンピラの親玉くらいかと思ったら、最後の方では結構大きめの組織のボスだったのでビックリ。
あの刑事さんがなんとも哀れというかなんというか。
PS 評価の印象で“寝られる”が付けられないんだけど…
準備描写フェチ
バイオレンスアクション系映画で目的実行のために体を鍛えたり、武器を用意したり、計画を練ったりと、色々下準備をする描写が大好きなんです、私。
で、今作サイレントナイト。
クリスマスにギャング抗争の巻き添えで、幼い息子を亡くしたおとっつぁんがギャング共に復讐すべく、次のクリスマスを決行日に決めて、それまでにひたすら鍛練と下準備を行い、クリスマスに殴り込みをかけるという大変シンプルなストーリー。
おとっつぁんは声帯を撃ち抜かれ声を発する事が出来なくなってしまっているので台詞がなく、ドラマパートも極限までシンプルに削ぎ落とされている。
それでも、息子を亡くした絶望で自暴自棄な生ける屍に堕ちる様子や、やがて復讐することに生きる目的を見いだす様子。復讐に取り憑かれて奥さんを省みなくなり、夫婦間の溝が深くなる様子がハッキリと見て取れるのは良い。
ドラマがシンプルな分、映画前半みっちり鍛練と準備パートに割いてくれているので、準備描写好きな私としては嬉ション物でした笑。
しかし、後半の復讐実行パートが…。
準備パートの段階で、「クリスマスに息子を亡くし自身も声帯を撃ち抜かれて生死をさ迷い入院~退院。失意の生きる屍期を経て、復讐を決意したのが4月で決行のクリスマスまで約9カ月。体を鍛える、格闘と射撃の訓練をする、ギャングアジトの警備を調べる、車を購入し改造しドライビングテクニックを磨く。出来るかぁ~?」と引っ掛かってはいたんですが、実行日には高レベルで全部出来てジョン・ウィックさながらに動けるのは「そりゃ、嘘だろ!」と突っ込んでしまいました。
ジョン・ウィックばりのスーパーマンになる説得力を持たすための、みっちり準備パートだったとしても、出来るレベルが高過ぎるって!それよりも、準備したけど出来なくてピンチに陥ったりする展開の方が渋くて好きなんだけどなぁ。
あと、ギャングのアジトにたどり着いてからのアクション…。
もう、敵が物陰から叫びながら飛び出してきたのを銃で撃つやつは止めません?アジトでのアクションが、あの古臭いやつの連続で眠たかったです、はい。
とは言え、ファンシーなトナカイのセーターを着たおとっつぁんがギャングの車を追いかけるオープニングや、まさに『復讐鬼』という言葉がふさわしい、鬼気迫る形相での鍛練準備パートはやっぱり良かったので、星3つはあげたい。
色々と近くないか?
救いのない救い
予告編でなんとなく想像していたが、想像以上に無声であり想像以上に饒舌だった。中々の生い立ちを経る中で映画やバレエ等に救われていった監督の感謝が見えるような、痛くて悲しくて救われる映画だった。
"無声"だけを切り取ると違和感バリバリなままに中盤位までいってしまうので評価も微妙になってしまうのだが、そんな事もバレエの様にくるくると舞うカメラワークになんとなく腑に落とさせて頂き、それ以降は「お前が2丁なんかい!笑」なんて笑いつつも熱く鑑賞出来ました。そしてエピローグ。手前の終盤演出もある種のリアルさでくるものがありましたが、そこからのエピローグは唐突に涙腺崩壊させられました。素人ならではの詰めの甘さや効果音としての怒声を楽しみつつ、哀しみに溢れたジョン・ウーワールドを堪能してみては如何でしょうか。
ジョン・ウーの欠片もないドンパチ作品。
ジョン・ウー最新作
いわゆる無声映画ですがジョエル・キナマンの演技は圧巻
サイレントナイトはクリスマスイブに息子を殺したギャングに復讐することと、復讐する父親もギャングに喉を撃たれて、声を失ったと云う設定からの題名かも。
主演のジョエル・キナマンは声を失った男と云う設定なので最後まで表情と演技、あと肉体で復讐を表現していますが、圧巻の演技でした。
キナマンだからこの作品が成り立つ
主人公ほぼセリフなし、という斬新な作品。
賛否あるようですが、私が思うにこれはジョエルキナマンだからこの作品が作れたのではないかと思う。
元々、キナマンの演技がすごく好きなのもあるけど、とにかくこの人は表情の演技が本当にうまい。
喋らなくても、悲しい顔、泣いた顔、悔しい顔が観てる人にすべて伝わる。
きっとジョン・ウー監督もそこを評価したからこの作品の主役に抜てきしたのではないか。
それくらい、彼の演技が光っていたと思う。
内容はギャングに息子を殺された男が復讐に走るというありきたりな話だけど、事実を知ってから復讐を誓い、鍛錬し、実行に移すまでも、会話がないのに見入ってしまう。
ただ、復讐に走るだけの男ではなく、奥さんとの関係に悩む姿やそんな彼を見てどんどん追い込まれる奥さんも見ていて辛かった。
セリフはなく、表情や仕草だけなのになんで観てる私もこんなに辛くなるのか。
逆に、普通にセリフありの映画だったらおそらくつまらないものになっていた気がする。
彼が、復讐を実行しながら自分の行いに後悔を滲ませる顔やでもやはり許せない、と相手と戦うキナマンの姿は見ていて胸が締め付けられるようだった。
復讐を行うまでの過程も、地道な努力を見せてくれていたから上手くやってのける所は見ていて嬉しくなった。笑
結末はネタバレなので伏せるけれど、キナマンや奥さんの気持ちを思うと悲しくてたまらなかった…
キナマン以外の役者さん達も無声のなかでの演技が本当に凄くて、出演者全員の演技力に脱帽した。
斬新だけれどもっと評価されても良い気がする。
それに…ジョエルキナマンももっと有名になれる実力のある役者さんなのになぁ、、、
この映画もあまり評価されてないようだし、なかなか恵まれないなぁ、、、
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