「認めてもらおうとするエネルギーが、実際社会を変えたということ。」リトル・リチャード アイ・アム・エヴリシング しゅま子さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5認めてもらおうとするエネルギーが、実際社会を変えたということ。

2024年3月12日
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鑑賞方法:映画館

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音楽性や天才的な歌唱や演奏技術の凄さについては感心したのはもちろんのこと、
割とあっさり進めていたけれど、彼が社会的にきつかったであろうこととか、その社会に対しての彼の功績(黒人の音楽を白人が聞きに来るとかのあたり等の)について、この映画で認識した。
彼の時代にそうなったのか、と。今では当たり前だが。
奮闘時代については、重苦しくなりすぎないようにまとめた感じで、
それよりも、自分を認めさせようということに躍起になっていたところに凄く重点置いてると感じた。
なりふり構わずレベルに、自分を認めさせようとし、どうにもならないことからか、信仰の道に向かってみたりしても、救われ切れず、
そこまでして、社会に認めて欲しかったのだなと。
そこまでしないと認めてもらったと思えないほど、認めてもらうことに飢えていたのは、
父親から認められなかったことや、ふつうのひとたち以上が基本的に認めてもらえている以上に、認めてもらえてないからこそなんだろうか。
同じように存在を認めてもらえず苦労したひとは更に共感するのだろうし
そういう仲間のためにも、彼は社会に訴えるという使命に突き動かされていたのかなと思った。
ただの、音楽的偉人のドキュメンタリーではなく、同時にいまだに解決しきれていない人権の問題について訴えている作品と感じた。

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しゅま子