「バンガバンガ」同感 時が交差する初恋 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
バンガバンガ
世紀末核爆発、緑の公衆電話、1999年はそういう年でしたね。大学の構内てのは青春そのもの。本来は文系であり作家になりたかったのに機械工学科に入学したキム・ヨンはやりたいことをやるために退学しようとも考えていた。そんな時、新入学生のソ・ハンソルと出会い、一目惚れ。恋に勉学にと夢中になり、やがて無線機を使い、不思議な体験をすることに。
『リメンバー・ミー』のリメイクということだが、時代も男女も変えている。もちろんオリジナルは知らなくても楽しめるし、23年という時代の差を超えても友情が熱く語られている。構内の電話ボックスもちょっとしたアイテムとして登場するけど、1999年の主人公が携帯電話を持ってるのに必要があったのだろうか。2021年に撤去されていないというのも・・・
ちょっとした味付けですが、20年以上勤めていた守衛さんの非正規雇用の解雇問題が社会学科の授業で発表されていた。この守衛さんのナイスプレイでヨンとムニが時を越えて交信していたことが明らかになる。そして終盤でもハートマークの枯葉掃除というグッドジョブ。その他にもカメのモンマンやプリクラ写真、映画『シュリ』とか『アタック・ザ・ガスステーション!』とか。しかも、この『アタック・・・』に出演しているユ・ジテが『リメンバー・ミー』(2000)の主演なのですね。ちょっとしたリスペクト。
恋愛も順調に進展するかと思いきや、ムニから父親と母親の名前を聞いて愕然とするヨン。自分がこのままハンソルと結婚すればタイムパラドックスが生じてしまう。ムニとの交信すら無かったことになるし、事実は変えられないだろう・・・未来を無視して恋愛街道を突き進む手もあったのに、身を引く辛さ。とても切ない。もし突き進んでいたら、世界線が分岐してパラレルワールドが出来てしまうのでしょう(想像)。ヨンが未来に書いた「時間旅行者」という小説が物語ってるかと思うと、ちょっとヨンでみたくなる!