劇場公開日 2024年2月9日

「胸キュンものわ素直に楽しめます」同感 時が交差する初恋 クニオさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0胸キュンものわ素直に楽しめます

2024年2月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

 いいねぇ、この手のラブコメは大好きなんです、おまけに韓流美男美女で、一種のタイムトラベルものの荒唐無稽で。どうやらリメイク版のようでこの素晴らしいプロットを考え出した方を賞賛したいが、ここでよろしいのか。2022年と1999年の23年のギャップを乗り越えてのラブ・ストーリー。タイムトラベルと書いたけれど、正確には無線機を使っての電波通信。しかもあとで判明するけれど、全く同じHAM機器を使っているのがミソ。

 このタイプの成功の鍵は、感情の流れが納得行くか? タイムトラベルものの齟齬はないか? でしょう。この2点を押さえた上で、本作は時代ギャップをうまく取り入れた点がポイントです。際どくガラケーの時代設定も絶妙で、大学生の年齢的にも23歳は可能性に満ち過ぎる。

 男の子は可愛いが勝った清潔極まりないイケメン君で、女の子はロン毛がキュートな小柄タイプ。ケータイの電波は届ない時代超えだけれど、HAMの電波が何故か繋がりワクワクドキドキが始まる。当然に半信半疑のシチュエーションが少しずつの状況証拠がうまい具合に積み重なる辺りのキュンキュン感がいいのです。

 ほぼ納得した段階で襲うのは、まさか2人は親子? の杞憂も解っているようで、ちゃんと伏線で安心させてくれます。電話ボックスの傷跡といい、無線機に貼ったシールといい、ペットの亀の扱いも巧妙で。何故か冒頭から主人公に纏わりつく先輩の存在も次第に必然が明かされる。観客の必死で考える疑問の1つ1つを丁寧に順に解き明かしてくれないと、自分勝手の駄作となる愚をしっかり排除しているから楽しめるのです。いよいよの厳しい現実に直面した際の衝撃の嫌味なく伝わり、その後の対応もタイムパラドックスに陥ることなく大人の解決が好ましい。

 しかし、そこを敢えて未来を変えてでも初志貫徹する手も、所詮娯楽映画ですので大いにありかと。そう、この「もし」の設定による大きな変化は鑑賞後に観客自ら楽しめばよろしいわけで。ただ、ふたつの時代の女の子がどちらもロン毛でかなり似たタイプなのが困ったものです。ヘアがカールしているか否かくらいしか識別出来ませんでした。

クニオ