「何がしたいのかよく分からない」名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ) 映画感想Newtonさんの映画レビュー(感想・評価)
何がしたいのかよく分からない
本レビューはネタバレを含みます。
さあ、今年もいよいよやってきたコナン映画の季節。
前作があまりにも出来が良かったので、今年もやってくれるだろうと期待していったが…
確かに、別の意味でやってくれたかもしれない。
作画や音楽、演出に関してはいつも通りで特に言うことはないだろう。
だが、今回は圧倒的に駄目な点が一つだけある。そう、脚本だ。
まず、ストーリーを通して何を伝えたいのか分からない。個人的な印象としては、やりたい事を全部やって、詰め込みすぎたような感じ。
まずメインテーマは何か?去年なら、黒の組織と灰原哀。一昨年なら、警察学校組。
今年は?キッド?平次と和葉の恋愛?と、別ベクトルのテーマが2つあり、まずまずこれほどまで別テーマを掛け合わせて物語を作るというのは、至難の業であろう。紺青の拳の時はまだ、自然な流れで、キッドと真と園子の恋愛を両立出来ていた。
しかし、今回はどうだ?どっちも中途半端になってしまい、変な感じで終わってしまった。
導入から違和感がありすぎる。京極vsキッドは、アニメストーリーでも絡んでいて、因縁の相手として有名だったが、あまり平次とは絡んでない印象。
しかも、キッドとの因縁がキスって。半ば無理矢理ではないか?恐らく、剣道の大会が北海道であるからっていう理由なのだろうが、せめて説明しようよ。紺青の時は、空手大会の説明あったじゃん。
そして、ストーリーも無理矢理感満載のご都合展開。紅葉と伊織、必要?
あと、最後に沖田と来たやつ誰?登場人物が多すぎて、整理も付かないし、誰が悪役?犯人である、聖と父親が悪役なのは分かるが、やってる事ならあの武器商人が最も悪役だろう。
そして、何よりもこの評価の決め手になったのがラスト。あれだけ引き伸ばしたのに、急に神速で切って平次の勝ち?パラシュートも何?五稜郭のライトアップも何?アガサの気球も何?最初は展開遅いのに、ラストは逆に早すぎる。どうしたらここまでぐちゃぐちゃになる?
しかも、これだけでも酷いのに、何で平次と和葉の恋を成功させなかった?あれだけ時間もかけて、ラストの花形って時に、閃光弾で聞こえないって。ラブコメにもなってないし、推理もむちゃくちゃ。
最後にキッドの秘密をつけても、それまでがはちゃめちゃすぎて、頭に入ってこないか、それに気を取られて、本編のストーリー覚えてない人の方がほとんどだろ。
変にギャグも詰め込むし、本当に何がしたいのか分からない作品だった。良かったのは、aikoの歌だけ。来年こそは頑張って欲しい。
追記:2回目、見てまいりました。平次と聖のセスナ上での闘いは、個人的にはやっぱりありだなと思い直しました。
確かに、これまでのコナン映画のラストと比べると、迫力こそはあまり無いとはいえ、剣道ってそういうものですから。
そこの部分も加味して、この評価と致しました。