「才能は闘志、金を得れば失う」パリ・ブレスト 夢をかなえたスイーツ uzさんの映画レビュー(感想・評価)
才能は闘志、金を得れば失う
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肝心の“味”を実感できないので、普段はあまり料理系の作品は観ないのですが…
予告編のおいしそうな演出に釣られて鑑賞。
正直、何を見ればよいのかよく分かりませんでした。
とにかく、出てくる人物がことごとく薄い。
実母、里親、施設の髭坊主やルームメイト、日本人シェフや意地悪シェフ、黒人の友達、ブシャールetc…
人と成りも関係性も描かないので深みが生まれない。
病に倒れただけで実母に差し入れを送り、意地悪シェフは悔しがるカットすらなく退場。
黒人の友達はいいヤツだし、会話も好きだったのでもっと見たかった。
スイーツに関しても、完成品やおいしそうに食べるカットが少なすぎる。
調理シーンはおいしそうではあるけど、スーパースローの演出が何かのCMみたいに見えてしまった。
おまけにクライマックスが氷像作成だと、一体何の映画だったのやら…(実話だから仕方ないけど)
生い立ちによる苦難も、パティシエとしての苦悩も描ききれていない。
努力の描写も居残り練習くらい。
そのため、妨害に負けず才能と人脈の運で成功しました、という印象になってしまった。
結局エンドロールでも里親との良好な関係は記されたが実母のその後は触れられず終い。
色々やってるけど、軸も核も感じられなかった。
「風味は3つまで、トップ•ミドル•ラストノートを意識しろ」と言った最初のシェフの言葉を作品にも活かしてほしい。
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