配信開始日 2023年12月22日

「太陽がいっぱい!バリー・コーガン君が主演ってことは、そういうことだ」Saltburn とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5太陽がいっぱい!バリー・コーガン君が主演ってことは、そういうことだ

2023年12月23日
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ある意味で"何者かになりたいが故にその平凡さに悩んでいた"『アメリカン・アニマルズ』の主人公がそのまま拗らせたその後?
エメラルド・フェネル監督による棘のあるこのブラックコメディは、印象的なショット(時に常軌を逸してイカれている!)や意外性のあるつなぎで飽きさせない緊張感があって挑発的。大学に馴染めないでいたオリヴァーはふとしたことから人気者のフェリックスと友人になるが…。一見甘くコーティングされながらも内実はダークな毒気がたまらない気持ち悪さだし、きっとはハマらない人にはハマらない作品だと思う。だが、それでいい。それがいい個性。
バリー・コーガンくんはじめ素晴らしいキャストの共演と演技対決。ロザムンド・パイク&リチャード・E・グラントによる問題の根深いおかしな両親やクセの強いキャラクターたち。ソフィア・コッポラ『Priscilla』も楽しみすぎるジェイコブ・エロルディはイケメン過ぎるし、アーチー・マデクウィはムカつく。そして、そんな中で彼はコソコソと動いては巣を張り巡らす蜘蛛か、内側から侵食していく蛾か…。狂おしいほどの愛憎と変態性が渦巻く果てには何が待っているのか?

勝手に関連作品『アメリカン・アニマルズ』『マッチポイント』『パラサイト半地下の家族』『聖なる鹿殺し』『女王陛下のお気に入り』『太陽がいっぱい』

とぽとぽ