「潜むテーマは結構重い」ストリートダンサー iccoさんの映画レビュー(感想・評価)
潜むテーマは結構重い
ロンドンの豪邸に住む富裕層の若者達が、ダンスを通して文化の違いの壁を越えて友情を育んだり、裏路地の同郷の人々の生活を知り彼らを助けるために奮闘する話、なのだけど。
潜んでいるテーマは結構壮大で重いものであるのに、軽快なダンスとインドギャグでコーティングされているので楽しく観られるエンタメに仕上がっている。
ダンサブルなインド音楽に合わせて踊りまくるけど、演出が派手なのとこんなに宗教色の強い歌詞で音楽でヒップホップを踊るのか!という新しい感動を得ました。
そしてそれが路地裏の移民問題に繋がっていく面白さよ。
移民の中での貧富の差、家族愛、友情が上手く合わさって、最後まで先が読めなくて面白かった!
イナーヤト役の女優さん、インド版ペネロペ・クルスみたいな美女で目が離せん。
実は初めて踊るインド映画を観た(初めて観たのは『エンドロールのつづき』だったから)ので、派手な演出、滲む宗教、そうかこれがインド映画なのか!と新世界を見た気がする。
アフタートークでは、訳者の佐藤先生より、「パンジャブの北地方はイスラム教徒が多いにもかかわらずインドに帰属されることになったので、今でも紛争が起きている。それが一緒に仲間になって戦うというのがこの映画のメッセージの一つ」ということと、「ガネーシャは何か目的に向かっていく途中で妨げになるものを取り除いてくれる神様だ」ということを学びました。
先生のインド映画愛に溢れたアフタートークだった。
映画が作られた文化を知ってその国の映画を観るのは、知らずにみるのとは全く違うので学びが多い。
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