「独特の世界観に入り込めれば面白い作品」三日月とネコ ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
独特の世界観に入り込めれば面白い作品
灯を演じた安達祐実、鹿乃子を演じた倉科カナ、仁を演じた渡邊圭祐、
それぞれの役者は良い味を出していましたが、
この赤の他人の3人が一緒に暮らすという世界観がどうにも私は共感できなくて
誰にも感情移入できず、終始客観的に鑑賞していました。
2016年の熊本地震をきっかけに一緒に暮らし始める3人ですが、
3人の内、誰かにベクトルを向けたコンフリクトは発生しないんですね。
灯の身、仁の身に起きる出来事を通して、ズレが生じたりはするものの、
この3人の関係性は盤石なわけです。
ただ、鹿乃子は実は灯が好きなのではないか・・・的な微妙な表現はあります。
直接的には表現しないので謎のままですが、おそらく鹿乃子に男の影が見当たらないのは
そういうことではないかなと感じました。
ここだけが謎のままであり、観客に解釈が委ねられているところでしょう。
この3人とネコたちが醸し出す独特の緩さは、心地良いです。
特に灯が泣いてしまうシーンが複数あるのですが、私も油断して涙が溢れてしまいました。
純粋な気持ちで観ていると、心は震わされますね。
そういう意味では良い作品であることには間違いないです。
しかしながら、こういう世界が成り立つというのは、やはりファンタジーだと思うんですね。
なので、本作にはリアリティを求めず、ファンタジーとして割り切って観ると
面白いと思います。
安達祐実も倉科カナもよい歳になっていますが、まだまだお若いですよね。
今後も映画での活躍を期待しております。
uzさん、ありがとうございます。確かに「彼女と別れた」は言っていましたね。完全に忘れていました🙇♂️
おっしゃる通り、鹿乃子にはもっとスポットを当てて欲しかったですね。
難しい役だったと思います。
鹿乃子に関しては、確か序盤で同性愛を匂わせる(「“彼女”と別れた」だっけな)描写があったかと。
ただ、両性愛かとか、網田との関係性がどうかとか、かなりアヤフヤでしたね。
網田とそういう関係でも描写が足りないし、違うなら一人だけ具体的な相手が出ていない。
倉科カナ好きなので、もっと鹿乃子にも焦点当ててほしかったです。